ブータンとイスラムを都内で堪能
16日午後、日米共同声明の中で、52年ぶりに台湾海峡の平和と安定の重要性が言及され、さらに香港と新疆ウイグル自治区の人権問題への懸念をも表明された。この声明は日米中関係の歴史的な転換点といえる。
現在の習近平指導部の力による現状変更は国際社会からの孤立を招いており、これはかつての日本のたどった道を彷彿とさせる。歴史の国中国であれば、このままいけばどんな結末となるかわかりそうなものだが、今のところはわかっていないよう。
さて、本題です。ブータン留学から帰った学生Tさんからブータン料理の食材を戴いたので、ブータン料理の作り方を知りたくなった。レシピはクックパッドとかに転がっていないので、日本で唯一ブータン料理を提供する店である代々木上原のガテモタブン向かった。孤独のグルメでも紹介された代表的なブータン料理店である。お供は院生Wくん。私は料理に対する情熱がナッシングなので、料理がとくいな院生Wくんを巻き込んで作って貰おうという腹黒い作戦である。

余談であるがガテモタブンってチベット語の綴りが思い浮かばないと思ったらただのブータンと多分をかけあわせた親父ダジャレらしい。
さてここで一口マメ知識。ブータンはチベット文化圏であるが、政治的にはチベットと微妙な関係にある。ダライラマ5世が1642年にチベットに政教一致のダライラマ政権をつくりあげたほぼ同時期にドゥクパ・カギュ派がブータンに政権を確立した。両者は宗派が異なることもあり17世紀には衝突を重ね、ダライラマ政権とは距離をとった存在であった。そうこうするうちに1951年、人民解放軍がチベットを蹂躙した。
Tさんによると、ブータンの人はチベット人をもちろん嫌いではないけど、チベットが中国に滅ぼされた時は、「あー、やっぱりね」と微妙な反応をしたそうな。それは歴代ダライラマ政権が中国皇帝やモンゴル王公の帰依をうけることで繁栄する一方、彼等の干渉をまねいたことに対する「やっばりね」である。
ちなみにブータンは中国とインドという二大大国に囲まれており、力でおしてくる中国は大嫌いで、主にインドに依存している。が、だからといってインドを全面的に好きではないという、大国にはさまれた国にありがちな立ち位置である。
Tさんにうかがったブータンの食生活はモモ以外はあまりチベットとにていない。チベットは高地で寒冷なので米はとれないが、ブータンでは全国民の需要をまかなう米が国内でとれるとのこと。代表的なブータン料理、エマダツィは米と唐辛子とチーズを一皿にもりあわせたものでそれを毎日戴くのだそうな。これがチベットだと大麦を粉末にひいてそこにバター茶をかけるツァンパってことになるから、主食レベルで随分違う。

お店ではエマダツィのランチをたのむ。美味しいまずい以前の問題で辛くて完食できない。チーズフォンデュで唐辛子を食べているといえばわかるだろうか。孤独のグルメでは主人公が料理を食べ続けるうちに唐辛子が調味料から野菜へとパラダイムシフトした、といっていたが、辛くて完食できずそのシフトが起きない。
Tさんによるとヤクのしぼりたてのミルクからつくられたチーズで食べるとエマダツィはすっごい美味しいそうだが、日本にはヤクおらんし、唐辛子もブータンの唐辛子は日本のものとは異なるのでそのあたりが原因か。
とにもかくにもブータン料理の偵察を終えて、当初は家に帰ってチベット語のオンライン授業をやるところだったのだが、行きの電車で東京ジャーミー(イスラムーのお寺)が近くにあることがわかったので前から是非是非いってみたかったのでMくんに授業時間をずらしてくれと頼んでジャーミーに向かう。

Wくん「モスクって異教徒とか女性ははいれないんじゃないですか」
私「このモスクは在日トルコ人が経営していて、トルコはイスラム圏でも世俗化が進んでいるので大丈夫。とくに日本だと『中で何やっているかわからない』という評判がたつとイスラム教徒全体があやしい目でみられるから礼拝時間以外は人をいれてるの。海外のモスクじゃこうはいかないから絶対行かないと」

礼拝堂にはいるには女性は貸しスカーフで髪を包むことになっている。さらにコロナでマスクをしていたのであとで自分の写真みたら中東のイスラム女性みたいな風貌になった。Wくんはびびって入ろうとしない。私は気にせず礼拝堂に入ると、正面にメッカのカーバ神殿の方角を示すキブラがあり、その右側にイマームの説教台。カリグラフィーに囲まれもちろん偶像がいっこもない空間はうっとりするほど美しいトルコのモスク。

館内にはハラール食品をうるスーパー、そして食堂もある。この食堂は異教徒でも入れるが、現在ラマダーンなので人がまばら。コーヒーとチャイを頼むが、イスラーム教徒ならラマダン中は本当は水をのんでもいけないので申し訳ない。モスクの入り口にはイスラームの基本知識やムハンマドの生涯と教えを記した無料の啓蒙本が一杯おいてあり、とりあえず一セットいただく。東京ジャーミーの案内パンフは礼拝堂の中のクルーアンを引用したアラビア語のカリグラフィーをすべて解説してくれていてとても便利。

トルコの文化を紹介するイベントも定期的に開かれているようなので、イスラム圏について知りたい方、トルコが好きな方、また、代々木上原でたまたま下車した方、ブータン料理に東京ジャーミーなど多角的に楽しめますので是非どうぞ。
現在の習近平指導部の力による現状変更は国際社会からの孤立を招いており、これはかつての日本のたどった道を彷彿とさせる。歴史の国中国であれば、このままいけばどんな結末となるかわかりそうなものだが、今のところはわかっていないよう。
さて、本題です。ブータン留学から帰った学生Tさんからブータン料理の食材を戴いたので、ブータン料理の作り方を知りたくなった。レシピはクックパッドとかに転がっていないので、日本で唯一ブータン料理を提供する店である代々木上原のガテモタブン向かった。孤独のグルメでも紹介された代表的なブータン料理店である。お供は院生Wくん。私は料理に対する情熱がナッシングなので、料理がとくいな院生Wくんを巻き込んで作って貰おうという腹黒い作戦である。

余談であるがガテモタブンってチベット語の綴りが思い浮かばないと思ったらただのブータンと多分をかけあわせた親父ダジャレらしい。
さてここで一口マメ知識。ブータンはチベット文化圏であるが、政治的にはチベットと微妙な関係にある。ダライラマ5世が1642年にチベットに政教一致のダライラマ政権をつくりあげたほぼ同時期にドゥクパ・カギュ派がブータンに政権を確立した。両者は宗派が異なることもあり17世紀には衝突を重ね、ダライラマ政権とは距離をとった存在であった。そうこうするうちに1951年、人民解放軍がチベットを蹂躙した。
Tさんによると、ブータンの人はチベット人をもちろん嫌いではないけど、チベットが中国に滅ぼされた時は、「あー、やっぱりね」と微妙な反応をしたそうな。それは歴代ダライラマ政権が中国皇帝やモンゴル王公の帰依をうけることで繁栄する一方、彼等の干渉をまねいたことに対する「やっばりね」である。
ちなみにブータンは中国とインドという二大大国に囲まれており、力でおしてくる中国は大嫌いで、主にインドに依存している。が、だからといってインドを全面的に好きではないという、大国にはさまれた国にありがちな立ち位置である。
Tさんにうかがったブータンの食生活はモモ以外はあまりチベットとにていない。チベットは高地で寒冷なので米はとれないが、ブータンでは全国民の需要をまかなう米が国内でとれるとのこと。代表的なブータン料理、エマダツィは米と唐辛子とチーズを一皿にもりあわせたものでそれを毎日戴くのだそうな。これがチベットだと大麦を粉末にひいてそこにバター茶をかけるツァンパってことになるから、主食レベルで随分違う。

お店ではエマダツィのランチをたのむ。美味しいまずい以前の問題で辛くて完食できない。チーズフォンデュで唐辛子を食べているといえばわかるだろうか。孤独のグルメでは主人公が料理を食べ続けるうちに唐辛子が調味料から野菜へとパラダイムシフトした、といっていたが、辛くて完食できずそのシフトが起きない。
Tさんによるとヤクのしぼりたてのミルクからつくられたチーズで食べるとエマダツィはすっごい美味しいそうだが、日本にはヤクおらんし、唐辛子もブータンの唐辛子は日本のものとは異なるのでそのあたりが原因か。
とにもかくにもブータン料理の偵察を終えて、当初は家に帰ってチベット語のオンライン授業をやるところだったのだが、行きの電車で東京ジャーミー(イスラムーのお寺)が近くにあることがわかったので前から是非是非いってみたかったのでMくんに授業時間をずらしてくれと頼んでジャーミーに向かう。

Wくん「モスクって異教徒とか女性ははいれないんじゃないですか」
私「このモスクは在日トルコ人が経営していて、トルコはイスラム圏でも世俗化が進んでいるので大丈夫。とくに日本だと『中で何やっているかわからない』という評判がたつとイスラム教徒全体があやしい目でみられるから礼拝時間以外は人をいれてるの。海外のモスクじゃこうはいかないから絶対行かないと」

礼拝堂にはいるには女性は貸しスカーフで髪を包むことになっている。さらにコロナでマスクをしていたのであとで自分の写真みたら中東のイスラム女性みたいな風貌になった。Wくんはびびって入ろうとしない。私は気にせず礼拝堂に入ると、正面にメッカのカーバ神殿の方角を示すキブラがあり、その右側にイマームの説教台。カリグラフィーに囲まれもちろん偶像がいっこもない空間はうっとりするほど美しいトルコのモスク。

館内にはハラール食品をうるスーパー、そして食堂もある。この食堂は異教徒でも入れるが、現在ラマダーンなので人がまばら。コーヒーとチャイを頼むが、イスラーム教徒ならラマダン中は本当は水をのんでもいけないので申し訳ない。モスクの入り口にはイスラームの基本知識やムハンマドの生涯と教えを記した無料の啓蒙本が一杯おいてあり、とりあえず一セットいただく。東京ジャーミーの案内パンフは礼拝堂の中のクルーアンを引用したアラビア語のカリグラフィーをすべて解説してくれていてとても便利。

トルコの文化を紹介するイベントも定期的に開かれているようなので、イスラム圏について知りたい方、トルコが好きな方、また、代々木上原でたまたま下車した方、ブータン料理に東京ジャーミーなど多角的に楽しめますので是非どうぞ。
COMMENT
● みっつめ
マサムネ | URL | 2021/04/20(火) 20:55 [EDIT]
マサムネ | URL | 2021/04/20(火) 20:55 [EDIT]
台湾最大の宗教行事終了 9日間で延べ400万人超参加
2021/04/19
巡行を終えて廟に戻ってきた航海の守護神「媽祖」
(台中中央社)台湾最大の宗教イベント「大甲媽祖巡行」で、航海の守護神「媽祖」を乗せた神輿(みこし)が18日夜、中部・台中市大甲の「鎮瀾宮」に戻り、9日間にわたる全行程を終えた。鎮瀾宮によれば、期間中の参加者数は概算で延べ400万人を超えたという。最終日は日曜だったこともあり、廟に向かう道路は渋滞が発生し、夜になるにつれて廟周辺はごった返した。夜11時半過ぎ、媽祖の神輿が廟に到着すると、多くの信者らが押し寄せ、媽祖の安座を見守った。巡行は毎年、媽祖の生誕月である旧暦3月前後に開催される。参加者は神輿の後を追うようにして、台中、彰化、嘉義、雲林の4県市、約340キロを歩き抜く。去年は新型コロナウイルスの影響で開催が6月に延期され規模も縮小されたが、感染を抑えた今年は予定通りの開催となった。(蘇木春/編集:荘麗玲)
2021/04/19
巡行を終えて廟に戻ってきた航海の守護神「媽祖」
(台中中央社)台湾最大の宗教イベント「大甲媽祖巡行」で、航海の守護神「媽祖」を乗せた神輿(みこし)が18日夜、中部・台中市大甲の「鎮瀾宮」に戻り、9日間にわたる全行程を終えた。鎮瀾宮によれば、期間中の参加者数は概算で延べ400万人を超えたという。最終日は日曜だったこともあり、廟に向かう道路は渋滞が発生し、夜になるにつれて廟周辺はごった返した。夜11時半過ぎ、媽祖の神輿が廟に到着すると、多くの信者らが押し寄せ、媽祖の安座を見守った。巡行は毎年、媽祖の生誕月である旧暦3月前後に開催される。参加者は神輿の後を追うようにして、台中、彰化、嘉義、雲林の4県市、約340キロを歩き抜く。去年は新型コロナウイルスの影響で開催が6月に延期され規模も縮小されたが、感染を抑えた今年は予定通りの開催となった。(蘇木春/編集:荘麗玲)
● 法難に臨みて
マサムネ | URL | 2021/04/20(火) 21:02 [EDIT]
マサムネ | URL | 2021/04/20(火) 21:02 [EDIT]
ワクチン接種9日で60% ブータン
4/8(木)
新型コロナウイルスワクチンの接種を受けるブータンの僧侶(中央)=3月27日、ティンプー(AFP時事)
【ティンプーAFP時事】ヒマラヤの王国ブータンは7日、新型コロナウイルスワクチンの接種2回のうち1回目を国民の約60%に施したと明らかにした。全人口77万人中47万人が、インドから供与された英製薬大手アストラゼネカのワクチンを投与されたという。接種は9日前に開始したばかり。60%に達するスピードは、インド洋の島国セーシェル、イスラエル、アラブ首長国連邦(UAE)など接種率の高い国をしのぐ。
4/8(木)
新型コロナウイルスワクチンの接種を受けるブータンの僧侶(中央)=3月27日、ティンプー(AFP時事)
【ティンプーAFP時事】ヒマラヤの王国ブータンは7日、新型コロナウイルスワクチンの接種2回のうち1回目を国民の約60%に施したと明らかにした。全人口77万人中47万人が、インドから供与された英製薬大手アストラゼネカのワクチンを投与されたという。接種は9日前に開始したばかり。60%に達するスピードは、インド洋の島国セーシェル、イスラエル、アラブ首長国連邦(UAE)など接種率の高い国をしのぐ。
● 「中立」でありたいなら戦略が必要
マサムネ | URL | 2021/04/20(火) 22:14 [EDIT]
マサムネ | URL | 2021/04/20(火) 22:14 [EDIT]
ウイグル問題で「人権」から逃げるユニクロの未来
2021年4月20日(火)19時30分
北島 純
<ユニクロの柳井社長がウイグル問題の発言で炎上した。確かに激化する米中冷戦の中で、ウイグルの人権問題は国際政治における覇権争いの象徴になっている。しかし、何の戦略もなしにニュートラルであろうとすれば、卑怯者とそしられるだけだ>
ユニクロを展開するファーストリテイリング社の柳井正会長兼社長が4月8日、決算発表の記者会見で、ウイグルの綿花使用と強制労働問題に関する質問に対して、「人権問題というより政治問題なので、ノーコメント」と発言し、SNS上で批判が殺到した。
中国の新疆ウイグル自治区における「ジェノサイド(大量虐殺)」問題は現在、最大の国際関心事の一つになっている。4月16日に行われた菅義偉首相とバイデン大統領の首脳会談では、「香港及び新疆ウイグル自治区の人権状況について深刻な懸念を共有」することが共同声明に明記された。
こうした国際環境の中で、ユニクロが「ウイグルの人権問題に目をつぶり中国市場でのビジネスを優先させるのではないか」という疑念を生じさせたことが批判の背景にある。実際に、2021年8月期第2四半期決算短信によれば、同社の売上のうち25.8%を中国大陸に香港と台湾を加えた広義の中国市場を指す「グレーターチャイナ」が占めている。
柳井会見翌日の9日、フランスの市民団体がウイグルにおける強制労働と人道に対する罪の「隠匿」の疑いで、ZARAを展開するインディテックス社(スペイン)、靴メーカーであるスケッチャーズ(米)、SMCP(仏)と並んでユニクロをフランス当局に告発した。
EU域内で広がった「人権」への共感
欧州連合(EU)は3月22日、米英カナダ3ケ国と協調して中国に制裁措置を発動したが、1989年の天安門事件で武器禁輸に踏み切って以来32年ぶりの対中制裁だ。今回のユニクロ告発はそうした政治的動向と無関係ではない。中国側は即座に欧州議会議員らを入国禁止とする対抗措置を発表した。
欧州での中国に対する見方は今、一変しつつある。習近平政権が2015年に「中国製造2025」を発表した当初は、「製造強国」を目指す中国を市場および調達・製造委託先として歓迎する向きが一般的だった。米トランプ政権が国防権限法等に基づいてファーウェイ等の中国企業を名指しする輸出入禁止措置に踏み込んでもなお、EUは政治と経済の「分離」策を取り続けようとした。
しかし、中国は通商及び技術の分野だけでなく地政学的な優位への志向を隠そうとしなくなる。西沙諸島や尖閣諸島などへの海洋進出を強めるとともに、2020年6月には香港国家安全維持法を成立させ市民と学生の弾圧を始めると明らかに風向きが変わった。2020年7月のポンペオ国務長官演説が独裁主義に対する敵対姿勢を明確に打ち出したあたりから、EU域内でアメリカに呼応し、中国が抱える香港、ウイグル、チベットなどの政治問題を「人権」弾圧という普遍的な問題として理解する動きが加速化した。
米中冷戦はもはや言葉の「あや」ではない
バイデン政権は3月3日に公表した暫定版の国家安全保障戦略指針で、中国を国際秩序に挑戦する「唯一の競争相手」と位置づけた。これは、知的財産や個人情報の窃取に象徴される「経済安全保障」の次元に留まらず、アメリカ中心の国際秩序における「覇権」に中国が挑戦しているという認定がなされたに等しい。米中冷戦はもはや言葉の「あや」ではなくなったのだ。
ウイグルにおける「ジェノサイド」について中国政府は正面から否定している。事実の認定だけでなく、伝統的国際法における「大量虐殺」概念と整合するかについても議論がある。しかし、激化する米中冷戦の中でウイグルにおける「人権」問題は既に、国際政治における「覇権」争いの象徴になっているのが現状だ。「人権というより政治問題」なのではなく、「人権かつ政治問題」なのだ。
人権についてはこれまでにも、2011年の国連「ビジネスと人権に関する指導原則」や2015年の英国「現代奴隷法」の制定以来、グローバル企業におけるサプライチェーン(供給網)において奴隷的労働がないか、不当な人権侵害がないかというコンプライアンスと企業の社会的責任(CSR)の観点から、一定の注目は為されてきた。とくにファッション製造業では、中国やパキスタンなどでの劣悪な労働環境の上に低価格のファスト・ファッションが成り立っているという構造的な問題が指摘されてきた。
しかし、今回ユニクロが直面しているウイグル問題は、従来の人権リスクとは次元が異なると理解されるべきだ。「覇権」と「人権」という双焦点を持つ現在の冷戦構造の中で、いかにグローバル企業として事業を存続させていくかという問題が問われている。
「中立」でありたいなら戦略が必要
4月6日には、中谷元・元防衛相や山尾志桜里衆議院議員らによる議連が発足し、人権侵害を理由とする制裁措置発動を可能とする「日本版マグニツキー法」制定の議論が始まった。政治的中立はグローバル企業の常套文句であるが、ミャンマーの軍事クーデターや北京五輪ボイコット問題も含めて、グローバル企業が「人権」問題へのコミットメントと態度表明を否応がなしに迫られる日はこれからも続く。
社会の公器としての企業が政治から逃れること(フリー)は不可能であり、政治的に中立(ニュートラル)であろうとすることも容易ではない。ウイグル産綿花の不使用を宣言して中国国内で不買運動に見舞われているH&Mのような企業もあれば、現状では問題がないとしてウイグル産綿花の使用継続を発表した無印良品(良品計画)のような企業もある。何を他山の石とすればよいのか。
永世中立国を標榜するスイスは国民皆兵制(成人男子徴兵制)を憲法で規定しているが、その存立は防衛力だけではなく、金融資本主義と国際政治の中心の一つであり続けるという国家戦略にもよっている。覇権と人権の狭間でニュートラルでありたいのであれば、立ち位置を担保する戦略が必要だ。そうでないと、人権侵害に対して「見て見ぬ振り」をする卑怯とそしられるだけでなく、中長期的には存立自体が脅かされることになろう。「沈黙は金」は通用しそうにない。
2021年4月20日(火)19時30分
北島 純
<ユニクロの柳井社長がウイグル問題の発言で炎上した。確かに激化する米中冷戦の中で、ウイグルの人権問題は国際政治における覇権争いの象徴になっている。しかし、何の戦略もなしにニュートラルであろうとすれば、卑怯者とそしられるだけだ>
ユニクロを展開するファーストリテイリング社の柳井正会長兼社長が4月8日、決算発表の記者会見で、ウイグルの綿花使用と強制労働問題に関する質問に対して、「人権問題というより政治問題なので、ノーコメント」と発言し、SNS上で批判が殺到した。
中国の新疆ウイグル自治区における「ジェノサイド(大量虐殺)」問題は現在、最大の国際関心事の一つになっている。4月16日に行われた菅義偉首相とバイデン大統領の首脳会談では、「香港及び新疆ウイグル自治区の人権状況について深刻な懸念を共有」することが共同声明に明記された。
こうした国際環境の中で、ユニクロが「ウイグルの人権問題に目をつぶり中国市場でのビジネスを優先させるのではないか」という疑念を生じさせたことが批判の背景にある。実際に、2021年8月期第2四半期決算短信によれば、同社の売上のうち25.8%を中国大陸に香港と台湾を加えた広義の中国市場を指す「グレーターチャイナ」が占めている。
柳井会見翌日の9日、フランスの市民団体がウイグルにおける強制労働と人道に対する罪の「隠匿」の疑いで、ZARAを展開するインディテックス社(スペイン)、靴メーカーであるスケッチャーズ(米)、SMCP(仏)と並んでユニクロをフランス当局に告発した。
EU域内で広がった「人権」への共感
欧州連合(EU)は3月22日、米英カナダ3ケ国と協調して中国に制裁措置を発動したが、1989年の天安門事件で武器禁輸に踏み切って以来32年ぶりの対中制裁だ。今回のユニクロ告発はそうした政治的動向と無関係ではない。中国側は即座に欧州議会議員らを入国禁止とする対抗措置を発表した。
欧州での中国に対する見方は今、一変しつつある。習近平政権が2015年に「中国製造2025」を発表した当初は、「製造強国」を目指す中国を市場および調達・製造委託先として歓迎する向きが一般的だった。米トランプ政権が国防権限法等に基づいてファーウェイ等の中国企業を名指しする輸出入禁止措置に踏み込んでもなお、EUは政治と経済の「分離」策を取り続けようとした。
しかし、中国は通商及び技術の分野だけでなく地政学的な優位への志向を隠そうとしなくなる。西沙諸島や尖閣諸島などへの海洋進出を強めるとともに、2020年6月には香港国家安全維持法を成立させ市民と学生の弾圧を始めると明らかに風向きが変わった。2020年7月のポンペオ国務長官演説が独裁主義に対する敵対姿勢を明確に打ち出したあたりから、EU域内でアメリカに呼応し、中国が抱える香港、ウイグル、チベットなどの政治問題を「人権」弾圧という普遍的な問題として理解する動きが加速化した。
米中冷戦はもはや言葉の「あや」ではない
バイデン政権は3月3日に公表した暫定版の国家安全保障戦略指針で、中国を国際秩序に挑戦する「唯一の競争相手」と位置づけた。これは、知的財産や個人情報の窃取に象徴される「経済安全保障」の次元に留まらず、アメリカ中心の国際秩序における「覇権」に中国が挑戦しているという認定がなされたに等しい。米中冷戦はもはや言葉の「あや」ではなくなったのだ。
ウイグルにおける「ジェノサイド」について中国政府は正面から否定している。事実の認定だけでなく、伝統的国際法における「大量虐殺」概念と整合するかについても議論がある。しかし、激化する米中冷戦の中でウイグルにおける「人権」問題は既に、国際政治における「覇権」争いの象徴になっているのが現状だ。「人権というより政治問題」なのではなく、「人権かつ政治問題」なのだ。
人権についてはこれまでにも、2011年の国連「ビジネスと人権に関する指導原則」や2015年の英国「現代奴隷法」の制定以来、グローバル企業におけるサプライチェーン(供給網)において奴隷的労働がないか、不当な人権侵害がないかというコンプライアンスと企業の社会的責任(CSR)の観点から、一定の注目は為されてきた。とくにファッション製造業では、中国やパキスタンなどでの劣悪な労働環境の上に低価格のファスト・ファッションが成り立っているという構造的な問題が指摘されてきた。
しかし、今回ユニクロが直面しているウイグル問題は、従来の人権リスクとは次元が異なると理解されるべきだ。「覇権」と「人権」という双焦点を持つ現在の冷戦構造の中で、いかにグローバル企業として事業を存続させていくかという問題が問われている。
「中立」でありたいなら戦略が必要
4月6日には、中谷元・元防衛相や山尾志桜里衆議院議員らによる議連が発足し、人権侵害を理由とする制裁措置発動を可能とする「日本版マグニツキー法」制定の議論が始まった。政治的中立はグローバル企業の常套文句であるが、ミャンマーの軍事クーデターや北京五輪ボイコット問題も含めて、グローバル企業が「人権」問題へのコミットメントと態度表明を否応がなしに迫られる日はこれからも続く。
社会の公器としての企業が政治から逃れること(フリー)は不可能であり、政治的に中立(ニュートラル)であろうとすることも容易ではない。ウイグル産綿花の不使用を宣言して中国国内で不買運動に見舞われているH&Mのような企業もあれば、現状では問題がないとしてウイグル産綿花の使用継続を発表した無印良品(良品計画)のような企業もある。何を他山の石とすればよいのか。
永世中立国を標榜するスイスは国民皆兵制(成人男子徴兵制)を憲法で規定しているが、その存立は防衛力だけではなく、金融資本主義と国際政治の中心の一つであり続けるという国家戦略にもよっている。覇権と人権の狭間でニュートラルでありたいのであれば、立ち位置を担保する戦略が必要だ。そうでないと、人権侵害に対して「見て見ぬ振り」をする卑怯とそしられるだけでなく、中長期的には存立自体が脅かされることになろう。「沈黙は金」は通用しそうにない。
● 平時と善人
マサムネ | URL | 2021/04/21(水) 06:14 [EDIT]
マサムネ | URL | 2021/04/21(水) 06:14 [EDIT]
「平時と善人」を前提にした「日本の”内なる脆弱性”」に危機感…「キッズ防衛白書」の検討も 松川るい防衛政務官に訊く4/16(金)
東京駐在のカンテレ記者が、キーパーソンに取材するWEB特別レポート。
カンテレ「報道ランナー」
防衛大臣政務官で参議院議員の松川るい氏です。
外務省勤務を経て2016年に初当選。現在1期目。
1インチ譲る国は、首都も譲るかもしれないと思われる 領土ってそういうもの
――Q:尖閣諸島周辺海域の緊張が高まっています。あえて伺いますが、そもそもなぜ尖閣諸島を守らなければいけないかと聞かれたら、どう答えますか。
尖閣を捨てるような人は、そのうち東京も捨てるようになるからだと言いますね。何で大英帝国でもないイギリスが、フォークランド紛争の時に、遠く離れたフォークランドまでわざわざへ行ってそれを守ったかということですよ。要するに主権を一つでも譲るような国は、他も結局侵略されちゃうんですよ。
軍事的に言っても、尖閣は尖閣だけじゃ済まなくて、宮古島とか石垣島も一緒に取られちゃうと思いますよ。
それだけじゃなくて、自分の領土と言っているものを簡単に諦めるような国は、他の国から「あの国は自分の領土を取られても良いと思ってるんだ」と思われます。それは、日本という国全体を危険にさらすことになりますよね。だからインドと中国の間でも、昔でいえば中国とソ連の間でも、ここには人も住んでないじゃないかという所であってもみんな血を流して戦うわけですよね。
それをやらなかったら、そこで済まないってことをみんな知っているからです。日本はたまたま、海に囲まれてて、そういう目にあんまりあってないんですよ。だからその感覚が非常に緩いと思います。
カンテレ「報道ランナー」
1インチ譲る国は1キロ譲って首都も譲るかもしれないと、相手から思われるわけですよね。領土ってそういうものです。ゼロサムなんだから。
反社会的勢力に庭の先っちょだけ譲ったら…? 身近に引き付けて考えてみて
例えば、家の横に反社会的勢力の人がやってきましたとします。
でね、「お宅の犬小屋のちょっと庭の先っちょだけね。使ってないみたいだし、もらうね」って言って、そのとき文句言わないであげちゃったらどうなるんですか。
その人、次は玄関に行きませんか、そしたら金庫まで来るかもしれない。身近に引き付けて考えてみても、そんな所で譲っちゃ駄目だっていうのは当然のことですよね。自分の家の前でシャットアウトしないと、ズカズカ入ってくるのは目に見えている。
領土に関してはやっぱり大陸国家の方がシビアだと思う。海に囲まれている国は領土を争うという経験が少ないので、そういう意味では感覚が鈍っている。特に日本みたいに平和ボケしている国はそうですよね。
そもそも尖閣諸島をめぐる領有権の問題は存在しない
――Q:改めて、松川政務官の尖閣諸島を取り巻く現状認識について教えてください。
尖閣諸島が歴史的にも国際法上も疑いのない、わが国の領土だということは、改めてはっきり、当たり前なんですけど一回申し上げたいと思います。現に日本が有効に支配していますし、そもそも尖閣諸島をめぐって解決しなければならない領有権の問題は存在しない。
その上で中国が今年2月に海警法を施行して、度重なる抗議にもかかわらず領海侵入を繰り返していて、非常に危険な状態にあります。
昨年を振り返っても5月、7月、8月、10月、11月、12月には海警局に所属する船舶が領海に侵入して日本漁船に接近する動きを見せる極めて遺憾な事態が発生しています。特に10月には過去最長の57時間も尖閣諸島周辺の領海に侵入しました。
昨年、尖閣諸島接続水域内では、海上保安庁の巡視船が過去最多の計333日、中国海警局に所属する船舶の航行を確認しています。
カンテレ「報道ランナー」
とにかくね、こんな現状変更の試みは断じて容認できません。
アメリカも高い危機感 6年以内に台湾に軍事的な危機の可能性
――Q:アメリカが今、中国に対して危機感を持ってるっていということを感じます。先日の外務防衛閣僚協議の時にも中国の海警法に関する深刻な懸念を表明されてます。バイデン政権が中国に対して厳しい姿勢をとるのは、就任してみると思った以上に日本や台湾の現状が切迫していると感じたのではないかと思いますが、その点は。
非常に高い危機感を持っていると思う。台湾について言えば、デービッドソン米インド太平洋軍司令官も6年以内に台湾に軍事的な危機が起きる可能性があるって言ってますよね。
それぐらい中国・習近平政権が東シナ海・南シナ海で強硬な対応に出ていて、もしかしたら台湾については、現状変更を武力で試みる可能性すらあるとアメリカは見ていますよね。
3月のアラスカでの米中会談でも、私は外交官を20年以上やってますけどあのような対応は見たことないですね。普通は逆ですよ。対立があっても、記者の前ではそこそこ仲良くして会議でやりあうことはありますけど、あれほどオープンに1時間も記者の前で対立的な主張をそれぞれがしてみせたっていうのは異例なことですよね。
あれを見ても中国は、力による現状変更の姿勢を変える気がないんだなということは非常に感じました。香港も新疆ウイグルも、尖閣諸島への圧迫も一切変える気がない。
カンテレ「報道ランナー」
それを変えさせようと思うと、やはりそれができないように抑止する力、日本の防衛力であり日米同盟であり、クアッド(日米豪印の枠組み)であり、アメリカが言うように同盟国による連携によって、したいだろうけどそうさせない状況を作らないと駄目だなっていうことを非常に感じました。
話して変わるとか、国際法違反だからと言って変わるわけじゃないんですよね。だいたい南シナ海の領有権をめぐる仲裁裁判所の判決も紙くずだって言っていたような国ですからね。そんな国に国際法を説いたってしょうがないんですよ。
中国は国際法を自分の都合のいいように使っているだけなんで。
――Q:理性的に話してわかる相手ではない
彼らには彼らの中の理屈があって、そこは折り合わないんですよね。
要するに中国型民主主義で、体制についても自分たちの方がうまくいってると思っている。コロナ対策とか見ていると、事実上手くいっている部分もあるわけですよ。だから、非理性的かと言われると、彼らの中では非常に理性的なんじゃないですか。
手出しをさせる気をなくさせることが大事
――Q:戦争しないために軍備を整えるということだと思いますが、日本ではアレルギーがあるようにも感じる。
誰も戦争をしたくない。アメリカだってしたくないと思いますよ。自衛隊の人が一番したくないと思いますよ。そういう人は家の戸口の鍵を開けっ放しにして、私は平和を愛してますという張り紙をしておくと、泥棒が入ってこないと思ってるんでしょう。そんなわけないだろうと。
警備会社と契約して、番犬を飼って、「来たら通報するよ、隣にジャイアン住んでて味方だからね」って言ってるから、泥棒が来ないわけ。それが日米同盟であり、防衛力なんですけど、手出しをする気をなくさせるってことが大事なわけです。そのために我々は防衛力を整備して、体制を敷いて、日米同盟を堅持してるっていうことですよね。
カンテレ「報道ランナー」
見てみてくださいよ、フィリピンは南シナ海のスカボロー礁を取られてるじゃないですか。ベトナムも西沙諸島を取られちゃって。ベトナムなんて戦って、それでも取られちゃうくらいなんですよ。
なんで中国が何も置いていない尖閣諸島に来ないかというと、日本自身が相当な防衛力があるし、そこに手を出したら日米同盟が機能するんだろうな、そうすると勝てないよなと。勝てないっていうことは共産党政権からしたら、直ちに共産党政権崩壊っていうところまで行くかどうか別にしても、相当まずいので、勝てる戦しか彼らはしないと思うんですね。だから我々はまだ大丈夫なんですよ。
でも力の空白を見せたらほいほい来ますよ。中国の歴史なんかずっとそうですから。
海警法の「管轄海域」ってどこ? 武器使用の可能性も…
カンテレ「報道ランナー」
――Q:海警法の危険性についてはどう考えていますか。”海の憲法”とも呼ばれる国連海洋法条約では、海を領海(海岸線から約22キロ)・接続水域(約44キロ)・排他的経済水域(約370キロ)・公海などに分けていて、紛争解決手続きなどを具体的に規定していますが、海警法には領海などの区分が出てきません。「管轄海域」という独自のワードを使っています。
できるだけ自分が支配していると主張できる領域を広げようとしてるんだろうと思います。問題点はいくつもあるんですよ。
そもそも「管轄海域」ってどこだと。法律上書いていないから、これはどこか分からないんですよ。海警法第3条は、中国の「管轄海域及びその上空」において、「本法を適用」する旨規定していますが、この「管轄海域」の範囲が不明確なんです。仮に中国が主権や管轄権を有さない海域において海警法を執行すれば、国際法に違反すると考えています。
また、そのよくわからない場所において、外国の船とか構造物を含めてあった場合に、それを排除するために必要だったら武器を使っていいと書いてあるわけですね。
カンテレ「報道ランナー」
彼らはそう書かれたらその通り執行するので、そうすると、今まで以上に、おそらく武器使用をして、例えば、海保かもしれませんし、武器使用をする可能性というのが高まるじゃないですか、これは非常に危険なことです。
例えば、尖閣諸島に灯台を建てようとか、船着場作ろうという議員がいるじゃない。以前はそこがはっきりは別にしてなかったと思うんです。わが方の領土だから何したっていいだろうという話はあるものの、現実として中国との間でのエスカレーションというのは避けたいということがある時に、今だったらそういうものを作ったら多分海警の船がやってきて、武器を使うんだろうなと思うわけじゃない。今まで以上にやりにくくなったっていうところがありますね。
どの時点で武器使用の行動にでてくるかっていうとことが、おそらく今まで以上に早くなるので、すごくやりにくくなる、つまりエスカレーションしやすくなるということだと思います。
――Q:より緊張感が高まった
高まってますね。
海保の能力強化が絶対必要 防衛費はGDP比2%でもいい
――Q:日本として今後どういうふうに対処していったらいい
やっぱり海上保安庁の能力をもっと高める必要があるのかなと思いますよ。
今はちゃんと守れてるんですね。海上保安庁がしっかり専従体制12隻をそろえているし、海上保安官の技量も非常に優れてますし、対処できてると思います。しかし趨勢を考えると、「向こうがもっと船を倍増したら」とか、「より強力な武器をより簡単に使うようになったら」とか、いろいろ今後のことを考えると、私は海上保安庁の船の能力、人員体制、隻数を増やさないと駄目だと思います。
もちろん海自もなんですが、現場でまず最初に当たるのは海上保安庁なんで、海保の能力強化が絶対必要。
あとはやっぱり距離ですよね。
――Q:距離というのは
人民解放軍の海軍の航空部隊がある浙江省・寧波から、尖閣までは500キロくらいあるわけですよ。沖縄からも450キロくらい。でも石垣とか宮古とかは100キロちょいなんで、アクセスで勝っておくのがすごく大事。
ドラえもんの「どこでもドア」があるわけじゃないから、海を渡っていかないといけない。そうすると、距離が近く、上陸させないという行為を先にできることは死活的だと思います。
カンテレ「報道ランナー」
空もそうですよ。100キロと500キロは違うんだから制空権というか、その空を守るにあたっても、距離がすごく大事なわけですよ。だから、よりアクセスの良い場所に日本のアセットをもっと自由に展開できるようにするってことがすごく大事だと思います。
私は能力面について、抜本的に強化をしなければ駄目だと思います。正面作戦をするのは海保だから海保の能力強化ってことを申し上げたんですけど、もっと言えば、今、日本の防衛費はGDP比1%以下じゃないですか。
本当は2%くらいあってもいいと思うんですよね。海保がまず対処しますが、本当に侵略してくるとなったら、これはもう防衛出動事態ですから、自衛隊が出ていかないといけない。そうしたら、我が方の能力が南西諸島において勝っているってことが重要なわけですよね。
向こうは負けると思ったら来ないと思います。彼らは戦うときに勝たないといけないですよ。
今は、それは難しいと思っているから抑止されている。
――Q:改めて有権者に知ってほしいなと思うことは
日本の取り巻く、安全保障環境は非常に厳しさを増してるんですね。
中国の海洋圧力の劇的な増加ですよ。だって、去年は333日ほぼ毎日、尖閣諸島の接続水域に来てるわけです。
そして、我が方の漁船を領海内で追い回すようになっている。
カンテレ「報道ランナー」
これは明らかに質的に圧迫の度合いというか、危険の度合いが増してるわけです。北朝鮮もミサイル開発が非常に進んでいて、小型の核弾頭を乗せて日本に運ぶ能力をもう持っていると我々は評価してるんですね。
我々が望んだわけじゃないけど彼らの方が、能力を強化させてるわけですから、これは守らざるを得ないじゃないですか。要するに防衛力の強化が、全体に必要ですし、新領域とかいろんな分野もありまして戦い方も変わってきています。
電磁波・サイバー・宇宙とか含めて必要ですし、日本は学術会議に見られるように、民間と軍事を分けてますけど。ゲームチェンジャーになるような技術での戦いになったときに、民間の方が進んでいる技術っていうのを使って、軍事上の技術も向上させていかないと、守れないということになる。日本ほど、どこの国も分けてないんですよね。
カンテレ「報道ランナー」
軍事って思うから皆さんあれなんですけど、防衛なんですよ。我々は自分の国を守るために、軍事における技術力を高めて、自衛隊員の安全を守りながら国防に当たれるような、装備を開発したり技術開発をしている。我々は自分の国を守りたいだけ。そのために、民間とか軍事の技術を一緒にしちゃいけないんだとか、そういうこと言ってると本当にもう日本だけ立ち遅れてしまいます。
日本は、「平時と善人」を前提にした国だと思うんです。日本は本当に自分で自らの手を縛るのが大好きなんやなって思いますけど。こんなこと、やってて大丈夫かなって私はとても心配です。
これはね、「内なる脆弱性」と呼んでるんです。日本は自分自身の中に非常な脆弱性を抱えてますよね。それを少しずつ解決しようとしてしてるんですけどね。
安全保障上重要な土地の利用を制限する法案を出しましたよね。あれも、今までは外国人だろうと、悪いと思ってる人だろうと何ら規制されることなく自衛隊の横の土地を買って何するか分からないみたいなこととかがあったわけですけど、それも内なるの脆弱性の一つの大きな例の一つだと思うんです。
日本も少しずつ機能においても対応できるようなことをしようとはしてると思います。思いますけどまだまだ。
――Q:先日、石破元幹事長に取材をした際には、日本の問題点の1つとして「ゼロリスク信仰」を指摘していました。
リスクってあらゆるところに存在するんですよ。それこそ道を渡るのもリスク、運転するのもリスク。ワクチンを打って副反応があるのもリスクだし、その全ての行為にリスクは存在するんですけど、見ないことにしているリスクと、過度に見ちゃうリスクが日本はあるみたいで、それをすると、本当に優先度高いものを守れなくなっちゃいますよね。でもそういうシビアな議論というのは子供のときからしないからかなとか思う。
――Q:子供向けに何か取り組まれていることもあるんですか
今年、キッズ防衛白書を出すことも検討しています。これ私のアイデアです。
防衛について、もっと若い段階からなぜ領土を守らないといけないかとか、抑止力って何なのかとか、そういう基本的なことを日本の子供たちはあまり教えられないなと思っていたので、防衛についての基礎知識というか、日本の防衛について小学校6年から中学くらいまでをターゲットにして、そのぐらいの年代でもわかるような、キッズ防衛白書を今年作るということをお願いして今検討していただいているところです。日本の社会がもう少し防衛について、そりゃあリスクもあるけど守らないとしょうがないよねとか、色々な理解が進むんじゃないのかなと思って。
カンテレ「報道ランナー」
他のことでも、もっと子供のときから教えた方がいいことは山のようにあるので、その一つではあるんですけど。
(カンテレ 報道センター 東京駐在記者 原佑輔)
東京駐在のカンテレ記者が、キーパーソンに取材するWEB特別レポート。
カンテレ「報道ランナー」
防衛大臣政務官で参議院議員の松川るい氏です。
外務省勤務を経て2016年に初当選。現在1期目。
1インチ譲る国は、首都も譲るかもしれないと思われる 領土ってそういうもの
――Q:尖閣諸島周辺海域の緊張が高まっています。あえて伺いますが、そもそもなぜ尖閣諸島を守らなければいけないかと聞かれたら、どう答えますか。
尖閣を捨てるような人は、そのうち東京も捨てるようになるからだと言いますね。何で大英帝国でもないイギリスが、フォークランド紛争の時に、遠く離れたフォークランドまでわざわざへ行ってそれを守ったかということですよ。要するに主権を一つでも譲るような国は、他も結局侵略されちゃうんですよ。
軍事的に言っても、尖閣は尖閣だけじゃ済まなくて、宮古島とか石垣島も一緒に取られちゃうと思いますよ。
それだけじゃなくて、自分の領土と言っているものを簡単に諦めるような国は、他の国から「あの国は自分の領土を取られても良いと思ってるんだ」と思われます。それは、日本という国全体を危険にさらすことになりますよね。だからインドと中国の間でも、昔でいえば中国とソ連の間でも、ここには人も住んでないじゃないかという所であってもみんな血を流して戦うわけですよね。
それをやらなかったら、そこで済まないってことをみんな知っているからです。日本はたまたま、海に囲まれてて、そういう目にあんまりあってないんですよ。だからその感覚が非常に緩いと思います。
カンテレ「報道ランナー」
1インチ譲る国は1キロ譲って首都も譲るかもしれないと、相手から思われるわけですよね。領土ってそういうものです。ゼロサムなんだから。
反社会的勢力に庭の先っちょだけ譲ったら…? 身近に引き付けて考えてみて
例えば、家の横に反社会的勢力の人がやってきましたとします。
でね、「お宅の犬小屋のちょっと庭の先っちょだけね。使ってないみたいだし、もらうね」って言って、そのとき文句言わないであげちゃったらどうなるんですか。
その人、次は玄関に行きませんか、そしたら金庫まで来るかもしれない。身近に引き付けて考えてみても、そんな所で譲っちゃ駄目だっていうのは当然のことですよね。自分の家の前でシャットアウトしないと、ズカズカ入ってくるのは目に見えている。
領土に関してはやっぱり大陸国家の方がシビアだと思う。海に囲まれている国は領土を争うという経験が少ないので、そういう意味では感覚が鈍っている。特に日本みたいに平和ボケしている国はそうですよね。
そもそも尖閣諸島をめぐる領有権の問題は存在しない
――Q:改めて、松川政務官の尖閣諸島を取り巻く現状認識について教えてください。
尖閣諸島が歴史的にも国際法上も疑いのない、わが国の領土だということは、改めてはっきり、当たり前なんですけど一回申し上げたいと思います。現に日本が有効に支配していますし、そもそも尖閣諸島をめぐって解決しなければならない領有権の問題は存在しない。
その上で中国が今年2月に海警法を施行して、度重なる抗議にもかかわらず領海侵入を繰り返していて、非常に危険な状態にあります。
昨年を振り返っても5月、7月、8月、10月、11月、12月には海警局に所属する船舶が領海に侵入して日本漁船に接近する動きを見せる極めて遺憾な事態が発生しています。特に10月には過去最長の57時間も尖閣諸島周辺の領海に侵入しました。
昨年、尖閣諸島接続水域内では、海上保安庁の巡視船が過去最多の計333日、中国海警局に所属する船舶の航行を確認しています。
カンテレ「報道ランナー」
とにかくね、こんな現状変更の試みは断じて容認できません。
アメリカも高い危機感 6年以内に台湾に軍事的な危機の可能性
――Q:アメリカが今、中国に対して危機感を持ってるっていということを感じます。先日の外務防衛閣僚協議の時にも中国の海警法に関する深刻な懸念を表明されてます。バイデン政権が中国に対して厳しい姿勢をとるのは、就任してみると思った以上に日本や台湾の現状が切迫していると感じたのではないかと思いますが、その点は。
非常に高い危機感を持っていると思う。台湾について言えば、デービッドソン米インド太平洋軍司令官も6年以内に台湾に軍事的な危機が起きる可能性があるって言ってますよね。
それぐらい中国・習近平政権が東シナ海・南シナ海で強硬な対応に出ていて、もしかしたら台湾については、現状変更を武力で試みる可能性すらあるとアメリカは見ていますよね。
3月のアラスカでの米中会談でも、私は外交官を20年以上やってますけどあのような対応は見たことないですね。普通は逆ですよ。対立があっても、記者の前ではそこそこ仲良くして会議でやりあうことはありますけど、あれほどオープンに1時間も記者の前で対立的な主張をそれぞれがしてみせたっていうのは異例なことですよね。
あれを見ても中国は、力による現状変更の姿勢を変える気がないんだなということは非常に感じました。香港も新疆ウイグルも、尖閣諸島への圧迫も一切変える気がない。
カンテレ「報道ランナー」
それを変えさせようと思うと、やはりそれができないように抑止する力、日本の防衛力であり日米同盟であり、クアッド(日米豪印の枠組み)であり、アメリカが言うように同盟国による連携によって、したいだろうけどそうさせない状況を作らないと駄目だなっていうことを非常に感じました。
話して変わるとか、国際法違反だからと言って変わるわけじゃないんですよね。だいたい南シナ海の領有権をめぐる仲裁裁判所の判決も紙くずだって言っていたような国ですからね。そんな国に国際法を説いたってしょうがないんですよ。
中国は国際法を自分の都合のいいように使っているだけなんで。
――Q:理性的に話してわかる相手ではない
彼らには彼らの中の理屈があって、そこは折り合わないんですよね。
要するに中国型民主主義で、体制についても自分たちの方がうまくいってると思っている。コロナ対策とか見ていると、事実上手くいっている部分もあるわけですよ。だから、非理性的かと言われると、彼らの中では非常に理性的なんじゃないですか。
手出しをさせる気をなくさせることが大事
――Q:戦争しないために軍備を整えるということだと思いますが、日本ではアレルギーがあるようにも感じる。
誰も戦争をしたくない。アメリカだってしたくないと思いますよ。自衛隊の人が一番したくないと思いますよ。そういう人は家の戸口の鍵を開けっ放しにして、私は平和を愛してますという張り紙をしておくと、泥棒が入ってこないと思ってるんでしょう。そんなわけないだろうと。
警備会社と契約して、番犬を飼って、「来たら通報するよ、隣にジャイアン住んでて味方だからね」って言ってるから、泥棒が来ないわけ。それが日米同盟であり、防衛力なんですけど、手出しをする気をなくさせるってことが大事なわけです。そのために我々は防衛力を整備して、体制を敷いて、日米同盟を堅持してるっていうことですよね。
カンテレ「報道ランナー」
見てみてくださいよ、フィリピンは南シナ海のスカボロー礁を取られてるじゃないですか。ベトナムも西沙諸島を取られちゃって。ベトナムなんて戦って、それでも取られちゃうくらいなんですよ。
なんで中国が何も置いていない尖閣諸島に来ないかというと、日本自身が相当な防衛力があるし、そこに手を出したら日米同盟が機能するんだろうな、そうすると勝てないよなと。勝てないっていうことは共産党政権からしたら、直ちに共産党政権崩壊っていうところまで行くかどうか別にしても、相当まずいので、勝てる戦しか彼らはしないと思うんですね。だから我々はまだ大丈夫なんですよ。
でも力の空白を見せたらほいほい来ますよ。中国の歴史なんかずっとそうですから。
海警法の「管轄海域」ってどこ? 武器使用の可能性も…
カンテレ「報道ランナー」
――Q:海警法の危険性についてはどう考えていますか。”海の憲法”とも呼ばれる国連海洋法条約では、海を領海(海岸線から約22キロ)・接続水域(約44キロ)・排他的経済水域(約370キロ)・公海などに分けていて、紛争解決手続きなどを具体的に規定していますが、海警法には領海などの区分が出てきません。「管轄海域」という独自のワードを使っています。
できるだけ自分が支配していると主張できる領域を広げようとしてるんだろうと思います。問題点はいくつもあるんですよ。
そもそも「管轄海域」ってどこだと。法律上書いていないから、これはどこか分からないんですよ。海警法第3条は、中国の「管轄海域及びその上空」において、「本法を適用」する旨規定していますが、この「管轄海域」の範囲が不明確なんです。仮に中国が主権や管轄権を有さない海域において海警法を執行すれば、国際法に違反すると考えています。
また、そのよくわからない場所において、外国の船とか構造物を含めてあった場合に、それを排除するために必要だったら武器を使っていいと書いてあるわけですね。
カンテレ「報道ランナー」
彼らはそう書かれたらその通り執行するので、そうすると、今まで以上に、おそらく武器使用をして、例えば、海保かもしれませんし、武器使用をする可能性というのが高まるじゃないですか、これは非常に危険なことです。
例えば、尖閣諸島に灯台を建てようとか、船着場作ろうという議員がいるじゃない。以前はそこがはっきりは別にしてなかったと思うんです。わが方の領土だから何したっていいだろうという話はあるものの、現実として中国との間でのエスカレーションというのは避けたいということがある時に、今だったらそういうものを作ったら多分海警の船がやってきて、武器を使うんだろうなと思うわけじゃない。今まで以上にやりにくくなったっていうところがありますね。
どの時点で武器使用の行動にでてくるかっていうとことが、おそらく今まで以上に早くなるので、すごくやりにくくなる、つまりエスカレーションしやすくなるということだと思います。
――Q:より緊張感が高まった
高まってますね。
海保の能力強化が絶対必要 防衛費はGDP比2%でもいい
――Q:日本として今後どういうふうに対処していったらいい
やっぱり海上保安庁の能力をもっと高める必要があるのかなと思いますよ。
今はちゃんと守れてるんですね。海上保安庁がしっかり専従体制12隻をそろえているし、海上保安官の技量も非常に優れてますし、対処できてると思います。しかし趨勢を考えると、「向こうがもっと船を倍増したら」とか、「より強力な武器をより簡単に使うようになったら」とか、いろいろ今後のことを考えると、私は海上保安庁の船の能力、人員体制、隻数を増やさないと駄目だと思います。
もちろん海自もなんですが、現場でまず最初に当たるのは海上保安庁なんで、海保の能力強化が絶対必要。
あとはやっぱり距離ですよね。
――Q:距離というのは
人民解放軍の海軍の航空部隊がある浙江省・寧波から、尖閣までは500キロくらいあるわけですよ。沖縄からも450キロくらい。でも石垣とか宮古とかは100キロちょいなんで、アクセスで勝っておくのがすごく大事。
ドラえもんの「どこでもドア」があるわけじゃないから、海を渡っていかないといけない。そうすると、距離が近く、上陸させないという行為を先にできることは死活的だと思います。
カンテレ「報道ランナー」
空もそうですよ。100キロと500キロは違うんだから制空権というか、その空を守るにあたっても、距離がすごく大事なわけですよ。だから、よりアクセスの良い場所に日本のアセットをもっと自由に展開できるようにするってことがすごく大事だと思います。
私は能力面について、抜本的に強化をしなければ駄目だと思います。正面作戦をするのは海保だから海保の能力強化ってことを申し上げたんですけど、もっと言えば、今、日本の防衛費はGDP比1%以下じゃないですか。
本当は2%くらいあってもいいと思うんですよね。海保がまず対処しますが、本当に侵略してくるとなったら、これはもう防衛出動事態ですから、自衛隊が出ていかないといけない。そうしたら、我が方の能力が南西諸島において勝っているってことが重要なわけですよね。
向こうは負けると思ったら来ないと思います。彼らは戦うときに勝たないといけないですよ。
今は、それは難しいと思っているから抑止されている。
――Q:改めて有権者に知ってほしいなと思うことは
日本の取り巻く、安全保障環境は非常に厳しさを増してるんですね。
中国の海洋圧力の劇的な増加ですよ。だって、去年は333日ほぼ毎日、尖閣諸島の接続水域に来てるわけです。
そして、我が方の漁船を領海内で追い回すようになっている。
カンテレ「報道ランナー」
これは明らかに質的に圧迫の度合いというか、危険の度合いが増してるわけです。北朝鮮もミサイル開発が非常に進んでいて、小型の核弾頭を乗せて日本に運ぶ能力をもう持っていると我々は評価してるんですね。
我々が望んだわけじゃないけど彼らの方が、能力を強化させてるわけですから、これは守らざるを得ないじゃないですか。要するに防衛力の強化が、全体に必要ですし、新領域とかいろんな分野もありまして戦い方も変わってきています。
電磁波・サイバー・宇宙とか含めて必要ですし、日本は学術会議に見られるように、民間と軍事を分けてますけど。ゲームチェンジャーになるような技術での戦いになったときに、民間の方が進んでいる技術っていうのを使って、軍事上の技術も向上させていかないと、守れないということになる。日本ほど、どこの国も分けてないんですよね。
カンテレ「報道ランナー」
軍事って思うから皆さんあれなんですけど、防衛なんですよ。我々は自分の国を守るために、軍事における技術力を高めて、自衛隊員の安全を守りながら国防に当たれるような、装備を開発したり技術開発をしている。我々は自分の国を守りたいだけ。そのために、民間とか軍事の技術を一緒にしちゃいけないんだとか、そういうこと言ってると本当にもう日本だけ立ち遅れてしまいます。
日本は、「平時と善人」を前提にした国だと思うんです。日本は本当に自分で自らの手を縛るのが大好きなんやなって思いますけど。こんなこと、やってて大丈夫かなって私はとても心配です。
これはね、「内なる脆弱性」と呼んでるんです。日本は自分自身の中に非常な脆弱性を抱えてますよね。それを少しずつ解決しようとしてしてるんですけどね。
安全保障上重要な土地の利用を制限する法案を出しましたよね。あれも、今までは外国人だろうと、悪いと思ってる人だろうと何ら規制されることなく自衛隊の横の土地を買って何するか分からないみたいなこととかがあったわけですけど、それも内なるの脆弱性の一つの大きな例の一つだと思うんです。
日本も少しずつ機能においても対応できるようなことをしようとはしてると思います。思いますけどまだまだ。
――Q:先日、石破元幹事長に取材をした際には、日本の問題点の1つとして「ゼロリスク信仰」を指摘していました。
リスクってあらゆるところに存在するんですよ。それこそ道を渡るのもリスク、運転するのもリスク。ワクチンを打って副反応があるのもリスクだし、その全ての行為にリスクは存在するんですけど、見ないことにしているリスクと、過度に見ちゃうリスクが日本はあるみたいで、それをすると、本当に優先度高いものを守れなくなっちゃいますよね。でもそういうシビアな議論というのは子供のときからしないからかなとか思う。
――Q:子供向けに何か取り組まれていることもあるんですか
今年、キッズ防衛白書を出すことも検討しています。これ私のアイデアです。
防衛について、もっと若い段階からなぜ領土を守らないといけないかとか、抑止力って何なのかとか、そういう基本的なことを日本の子供たちはあまり教えられないなと思っていたので、防衛についての基礎知識というか、日本の防衛について小学校6年から中学くらいまでをターゲットにして、そのぐらいの年代でもわかるような、キッズ防衛白書を今年作るということをお願いして今検討していただいているところです。日本の社会がもう少し防衛について、そりゃあリスクもあるけど守らないとしょうがないよねとか、色々な理解が進むんじゃないのかなと思って。
カンテレ「報道ランナー」
他のことでも、もっと子供のときから教えた方がいいことは山のようにあるので、その一つではあるんですけど。
(カンテレ 報道センター 東京駐在記者 原佑輔)
● チベットとチベット高原/台湾と台湾海峡/ウイグルと新彊/ブータン王国と中印国境
マサムネ | URL | 2021/04/22(木) 05:22 [EDIT]
マサムネ | URL | 2021/04/22(木) 05:22 [EDIT]
岩手・花巻温泉、台湾パイン6トンを購入 震災支援に恩返し
2021/04/20 12:45
屏東県の潘県長(左)と花巻温泉の代表=同県政府提供
(台北中央社)中国の禁輸措置で苦しむ台湾のパイナップル農家を支援しようと、花巻温泉(岩手県花巻市)は南部・屏東産金鑽パイナップル計6トンを購入した。屏東県政府が18日明らかにした。出荷式に出席した潘孟安県長は台日友情の証だと喜びを示した。
花巻温泉は東日本大震災発生時に手を差し伸べてくれた台湾への恩返しとしてパイン農家をできる限り応援しようと、屏東産パインの購入を決めた。購入した台湾パインはゴールデンウイーク期間中、花巻温泉で開催する「台湾パイナップルフェア」で宿泊客や利用客に振る舞う。
中国による台湾パイン輸入停止を受け、屏東県政府は海外輸出や台湾内の消費拡大を積極的に図ってきた。今年日本向けに輸出された同県産パインは16日現在、前年同期の5倍超に当たる3470トンに上る。「ピンチはチャンスだ」と潘県長は胸を張った。(編集:荘麗玲)
「台湾」は「一つの中国」を否定する表現なのか?FNNプライムオンライン
「日米両国は、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調すると共に、両岸問題の平和的解決を促す」
【画像】バイデン政権の台湾政策には明らかな変化が その中心人物がこの人
菅・バイデン会談を受けて発表された共同声明は、「台湾」という言葉を52年ぶりに使い注目されているが、これは「一つの中国」を否定する表現なのだろうか?
ちなみに、その52年前の1969年11月21日の佐藤・ニクソン会談後に発表された共同声明の台湾に関わる部分はこうなっている。
「大統領は、米国の中華民国に対する条約上の義務に言及し、米国はこれを遵守するものであると述べた。総理大臣は、台湾地域における平和と安全の維持も日本の安全にとって極めて重要な要素であると述べた」
まず、1969年というのは国連で中国を代表していたのは台湾に臨時首都をおいた中華民国で、日米両国共に台湾の政府と国交を結んでいた時代だ。ニクソン大統領が「中華民国」と呼び、佐藤首相も「台湾地域」と言っているが、外交環境が全く違う当時と今回の共同声明の文言を比較するのは意味がないだろう。
「台湾海峡」と「台湾」は異なる
それに、今回の共同宣言で言及しているのは「台湾海峡」という海洋上の固有名詞で「台湾」という地域名ではない。「日本海」と「日本」が別物だというのと同じだ。その台湾海峡は、もっとも狭い部分で幅130キロある。海洋法で領海とされるのは沿岸から22.2キロまでなので、台湾海峡のほとんどはどの国の船も航行が自由な国際海峡と国際法で決められている。その海峡の「安定と重要性」を指摘することが「中国の反発を招く」というのは過剰反応ではないだろうか。
そこで注目すべきは、冒頭に紹介した声明文の後半部分だ。ここで「両岸問題」という言葉が出てくるが、英語版の声明文を読むと「cross-Strait issues」となっている。むしろ「海峡をまたぐ問題」とした方が分かりやすい。この言葉、中国と台湾の間の貿易や人の交流を意味するが、その「平和的解決を促す」ことは、現状維持を奨励することにほかならないだろう。
こうして見ると、今回の日米首脳会談では台湾問題に変更を加えるような意図はなかったように思えるが、もしかしたら米国は違う考えがあったのかもしれない。
アメリカ側の思惑と日本が直面する現実
実は、トニー・ブリンケン米国務長官は最近、台湾を「国家」と「二つの中国」を容認するようなことを公開の場で言ったことがある。3月10日の下院外交委員会でバイデン政権の外交方針を説明する場でのことで、同国務長官は台湾について質問されてこう答えた。
「台湾には強い民主主義があり、非常に強い技術力があり、世界に大きく寄与できる国家なのです」
米国務省には台湾を「国家」と呼ばない不文律があり、同省で長年の経験のあるブリンケン長官が知らなかった筈はない。うかつに口にしてしまったのだとしても、潜在的に「二つの中国」の意識があったからではないのか。
バイデン政権の台湾政策には、1月20日の大統領就任式にワシントン駐在の台湾の大使役の代表が招待されたり、3月には米国の当局者が台湾の政府関係者と接触することを国務省が緩和してことなど、明らかに変化が見られる。
その中心人物がブリンケン国務長官と言えるが、同長官は3月18日にアラスカのアンカレッジで中国の楊潔篪政治局員らと会談した際に台湾問題にも触れ、「単なる内政問題として片付けるのではなく、本日この場で提議する必要がある」と中国側に挑んでいた。
今回の日米首脳会談でも米国側は、共同声明に台湾問題を含めることに拘っていたと伝えられるので、きちんと「台湾」という地域名でその平和と安定に日米が支援すると明記する刺激的な宣言を望んでいたのではないか。
それを「台湾海峡」と言い換え、「両岸問題」という現状維持の表現を書き込んで対決色を薄めたのは、台湾の目の前に尖閣諸島が控える日本としては一安心だ。
日本の外交スタッフの労を多としたい。
【執筆:ジャーナリスト 木村太郎】
2021/04/20 12:45
屏東県の潘県長(左)と花巻温泉の代表=同県政府提供
(台北中央社)中国の禁輸措置で苦しむ台湾のパイナップル農家を支援しようと、花巻温泉(岩手県花巻市)は南部・屏東産金鑽パイナップル計6トンを購入した。屏東県政府が18日明らかにした。出荷式に出席した潘孟安県長は台日友情の証だと喜びを示した。
花巻温泉は東日本大震災発生時に手を差し伸べてくれた台湾への恩返しとしてパイン農家をできる限り応援しようと、屏東産パインの購入を決めた。購入した台湾パインはゴールデンウイーク期間中、花巻温泉で開催する「台湾パイナップルフェア」で宿泊客や利用客に振る舞う。
中国による台湾パイン輸入停止を受け、屏東県政府は海外輸出や台湾内の消費拡大を積極的に図ってきた。今年日本向けに輸出された同県産パインは16日現在、前年同期の5倍超に当たる3470トンに上る。「ピンチはチャンスだ」と潘県長は胸を張った。(編集:荘麗玲)
「台湾」は「一つの中国」を否定する表現なのか?FNNプライムオンライン
「日米両国は、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調すると共に、両岸問題の平和的解決を促す」
【画像】バイデン政権の台湾政策には明らかな変化が その中心人物がこの人
菅・バイデン会談を受けて発表された共同声明は、「台湾」という言葉を52年ぶりに使い注目されているが、これは「一つの中国」を否定する表現なのだろうか?
ちなみに、その52年前の1969年11月21日の佐藤・ニクソン会談後に発表された共同声明の台湾に関わる部分はこうなっている。
「大統領は、米国の中華民国に対する条約上の義務に言及し、米国はこれを遵守するものであると述べた。総理大臣は、台湾地域における平和と安全の維持も日本の安全にとって極めて重要な要素であると述べた」
まず、1969年というのは国連で中国を代表していたのは台湾に臨時首都をおいた中華民国で、日米両国共に台湾の政府と国交を結んでいた時代だ。ニクソン大統領が「中華民国」と呼び、佐藤首相も「台湾地域」と言っているが、外交環境が全く違う当時と今回の共同声明の文言を比較するのは意味がないだろう。
「台湾海峡」と「台湾」は異なる
それに、今回の共同宣言で言及しているのは「台湾海峡」という海洋上の固有名詞で「台湾」という地域名ではない。「日本海」と「日本」が別物だというのと同じだ。その台湾海峡は、もっとも狭い部分で幅130キロある。海洋法で領海とされるのは沿岸から22.2キロまでなので、台湾海峡のほとんどはどの国の船も航行が自由な国際海峡と国際法で決められている。その海峡の「安定と重要性」を指摘することが「中国の反発を招く」というのは過剰反応ではないだろうか。
そこで注目すべきは、冒頭に紹介した声明文の後半部分だ。ここで「両岸問題」という言葉が出てくるが、英語版の声明文を読むと「cross-Strait issues」となっている。むしろ「海峡をまたぐ問題」とした方が分かりやすい。この言葉、中国と台湾の間の貿易や人の交流を意味するが、その「平和的解決を促す」ことは、現状維持を奨励することにほかならないだろう。
こうして見ると、今回の日米首脳会談では台湾問題に変更を加えるような意図はなかったように思えるが、もしかしたら米国は違う考えがあったのかもしれない。
アメリカ側の思惑と日本が直面する現実
実は、トニー・ブリンケン米国務長官は最近、台湾を「国家」と「二つの中国」を容認するようなことを公開の場で言ったことがある。3月10日の下院外交委員会でバイデン政権の外交方針を説明する場でのことで、同国務長官は台湾について質問されてこう答えた。
「台湾には強い民主主義があり、非常に強い技術力があり、世界に大きく寄与できる国家なのです」
米国務省には台湾を「国家」と呼ばない不文律があり、同省で長年の経験のあるブリンケン長官が知らなかった筈はない。うかつに口にしてしまったのだとしても、潜在的に「二つの中国」の意識があったからではないのか。
バイデン政権の台湾政策には、1月20日の大統領就任式にワシントン駐在の台湾の大使役の代表が招待されたり、3月には米国の当局者が台湾の政府関係者と接触することを国務省が緩和してことなど、明らかに変化が見られる。
その中心人物がブリンケン国務長官と言えるが、同長官は3月18日にアラスカのアンカレッジで中国の楊潔篪政治局員らと会談した際に台湾問題にも触れ、「単なる内政問題として片付けるのではなく、本日この場で提議する必要がある」と中国側に挑んでいた。
今回の日米首脳会談でも米国側は、共同声明に台湾問題を含めることに拘っていたと伝えられるので、きちんと「台湾」という地域名でその平和と安定に日米が支援すると明記する刺激的な宣言を望んでいたのではないか。
それを「台湾海峡」と言い換え、「両岸問題」という現状維持の表現を書き込んで対決色を薄めたのは、台湾の目の前に尖閣諸島が控える日本としては一安心だ。
日本の外交スタッフの労を多としたい。
【執筆:ジャーナリスト 木村太郎】
● 辛味料理にヨーグルト
マサムネ | URL | 2021/04/22(木) 05:52 [EDIT]
マサムネ | URL | 2021/04/22(木) 05:52 [EDIT]
ヨーグルトの由来はトルコ語? 味噌汁に入れても美味
2021/4/18 食の豆知識
5月15日は「ヨーグルトの日」=PIXTA
ボンジュール!パリからお届けする「食の豆知識」。4月は新年度がスタートする。入学、入社、異動など、新生活を気持ち良く始めるため、新たな環境を整えたという読者の方も多いだろう。環境といえば、体の環境、腸内環境の方はいかがだろうか? 今回は、腸内環境を整えるのに役立つと言われる「ヨーグルト」をテーマに取り上げる。
5月15日は、食品大手の明治が2012年に「ヨーグルトの日」とした。1907年に「ヨーグルトを摂取することが長寿の秘けつである」ことを論文で発表し、ヨーグルトを世界に広めるきっかけをつくったノーベル生理学・医学賞受賞者のイリア・メチニコフの誕生日に合わせて、この日を日本記念日協会に申請し、認定・登録されたのだという。
日本ではコンビニでもスーパーでも必ず定番コーナーがあるヨーグルト。あまりに日本人の食生活に身近すぎて、「腸にいいデザート」くらいのイメージしかない人も多いのではないか。
調べてみると、日本でここまで身近な存在になった背景には、どうやら「本物のヨーグルトを日本の食卓に広めたい」と願う人々の並々ならぬ熱意と努力があったからのようだ。そこで今回、記念日を定めた明治広報部の関根由梨さんと乳酸菌マーケティング部の田中陽さんにお話を伺い、ヨーグルトについて考えてみた。
「『ヨーグルト』という言葉は、諸説ありますが、トルコ語でヨーグルトを意味する『ヨウルト(yogurt)』に由来していると言われています」(田中さん)。ヨウルトはトルコ語で「かくはんすること」を意味する動詞「yogurmak」の派生語で、トルコにおけるヨーグルトの製法を指していると言われているそうだ。
ヨーグルトの言葉の起源があるともいわれるトルコに留学経験があり、同国事情に精通する筆者の知人がこう教えてくれた。「トルコは酪農大国であり、ヨーグルト、バター、チーズはトルコ料理には欠かせません」
トルコ家庭のとある日の食卓。ドルマと呼ばれる煮込み料理にのせるよう、大容量(3~5キログラム)の無糖ヨーグルトも並ぶ(写真提供:唐崎翔太)
トルコで「ロカンタ」と呼ばれる大衆食堂に行くと、料理に無糖のヨーグルトをのせるかを尋ねられるのだという。またスーパーではキロ単位でヨーグルトを売っており、「アイラン」と呼ばれるヨーグルト・塩・水で作るドリンクは食事のお供としてトルコ人の食シーンに欠かせないものなのだとか。
そのトルコの1人当たりの消費量は、先ほどの田中さんによれば世界で18位とのこと。そして、日本でヨーグルトのイメージが強い国のブルガリアは世界で5位。「トルコとブルガリアは隣国同士のせいか、やはり食文化も似ているようですね。ヨーグルトはトルコ発祥とのことで、互いに譲らないブルガリアとの熱いバトルがあります」と知人が教えてくれた。
ちなみに、1人当たりのヨーグルトの消費量の1位はオランダ。2位セルビア、3位フィンランドと続く。ヨーロッパ諸国が上位を占め、日本は19位なのだという。日本人のヨーグルト消費量はそれほど多いわけではないようだ。日本においては主に朝食や食後のデザート感覚で食べられることが多いのに対し、海外、特にヨーロッパ圏では、トルコのように普段の料理にヨーグルトが多く取り入れられている違いがあるようだ。
筆者の住むここフランスでは、世界のヨーグルト1人当たりの消費量ランキングは8位だ。フランスは一つの村に対してその村固有のチーズがあると言われるほど膨大な種類のチーズが存在する、言わずと知れた酪農大国。原料を同じくするヨーグルト(yaourt)も、フランスの人々にとって大変身近な食べ物だ。
筆者が渡仏して真っ先に驚いたことのひとつが、スーパーのヨーグルト売り場の大きさと種類の豊富さだった。牛の乳に限らず、羊やヤギの乳で作られたヨーグルト、ダイズからできたヨーグルトなども定番商品として陳列されている。ヨーグルト売り場とはいえ、見た目はヨーグルトにそっくり、味も似ているチーズもここにある。フロマージュ・ブラン(fromage blanc)、プチ・スイス(petit-suisse)、フェセル(faisselle)などだ。
フランスでは、料理というよりどちらかというと日本のようにデザート感覚で食べられることが多い印象だ。それにしても、毎回スーパーを訪れる度に、ヨーグルトの種類の豊富さには毎回目がくらむ。
ここで日本に目を向けてみよう。1970年ごろ、日本では市場にヨーグルトは出回っていたものの、砂糖や香料、果肉などを加えて日本人向けに味付けされたデザート菓子、子どものおやつといった位置づけで、無糖のプレーンヨーグルトは流通していなかったのだという。
明治の関根さんによると、「プレーンヨーグルト誕生のきっかけとなった運命の出合いは、70年に開催された大阪万博でした。『ブルガリア館』で当社のスタッフが本場のプレーンヨーグルトを試食したことが開発の契機となり、本場の味を再現するため、持ち帰ったサンプルを研究し、試作を重ね、何度もヨーロッパへ足を運びました」
そのかいもあり、日本初の無糖プレーンヨーグルト「明治プレーンヨーグルト」が誕生したのは71年のこと。しかし発売当初、プレーンヨーグルト独特の香りと酸味がなかなか一般的には受け入れられず、「腐っているのではないか」という苦情まで来るほど大苦戦したのだという。
1971年発売当初の「明治プレーンヨーグルト」。牛乳パックの形状をしているが、液状ではなく、現在のような固形のプレーンヨーグルトだった(写真提供:明治)
「実は開発当初より、商品名は『明治ブルガリアヨーグルト』とする予定で進めていたものの、ブルガリア大使館から『ブルガリアヨーグルト』の名称の使用許可が下りず、はじめは『ブルガリア』表記なしでの発売となったのです。ですが、この大苦戦の状況下で、本物の証、すなわちヨーグルトの故郷、ブルガリア由来のブルガリア菌を使用したヨーグルトであることを訴求したい。同時に、甘い、ゼラチンで固めた日本のヨーグルトと異なる、本場ブルガリアで食べられている『本物』のヨーグルトをぜひ日本の皆さんに楽しんでほしいという強い思いから『ブルガリア』のネーミングを冠することが不可欠だと考え、使用許可に向けて再度動き出しました」(関根さん)
ブルガリア大使館の姿勢は断固としたものであり、交渉は難航する。しかし、担当者の意志は固く、生産設備の見学会で徹底した品質管理をアピールするなどして、熱い思いを伝えた。関根さんはこう続ける。「この熱意と努力の甲斐もあり、72年にようやく国名の使用許可が下り、73年に『明治ブルガリアヨーグルトプレーン』という名称で発売するに至りました。この後、この『明治ブルガリアヨーグルト』が売り上げを拡大するに伴いヨーグルト市場全体も拡大し、結果、日本の食卓にヨーグルトが定着したのです」。
ブルガリア政府にも承認された正真正銘の正統派、「明治ブルガリアヨーグルト」。「本場ブルガリアで食べられている本物の味を日本に広めたい!」という当時の担当者たちの熱い思いに胸を打たれる。
こうして日本人の食生活に浸透していったヨーグルト。日本では、ヨーグルトが広がるきっかけとなった固形状のプレーンヨーグルトの人気が根強いが、近年では「明治プロビオヨーグルトR-1ドリンクタイプ」に代表される、特定の健康価値を持つドリンクタイプの市場規模の方が大きいという。
ところで、現在日本ではどのような味のヨーグルトが人気なのだろうか。田中さんによると、「 日本で人気のフレーバーは、ブルーベリー、ストロベリー、アロエです。プレーンヨーグルトに合う代表的なフルーツフレーバーとして、長く人気を博しています。一方、ユズなど、その時々でトレンドのフレーバーが人気になることはあります」とのこと。
ちなみにフランスで定番かつ日本であまり見かけない独特の味といえば、アプリコット、ココナツ、レモン、マロンペーストあたりだろうか。逆に、筆者は日本でメジャーなアロエヨーグルトが大好きなのだが、こちらではまったく見つけることができず、耐えかねてアロエヨーグルトを自作してしまったくらいだ。
アロエベラから果肉を取り出し、砂糖と水で煮詰めてレモン汁を加えたアロエ果肉入りシロップをヨーグルトにかければ、アロエヨーグルトの完成
明治は新商品の開発にとどまらず、ヨーグルトの新しい食べ方の提案にも力を入れているということで、最後にこの季節におすすめのヨーグルトを使った一品を聞いてみた。「4月からの新生活に合わせ、日本人の食事の一品として欠かせない味噌汁にヨーグルトを加えた『ヨーグルト味噌汁』はいかがでしょうか。ヨーグルトを使うことで、なじみのあるメニューの味がより一層おいしくなります」(田中さん)
味噌汁にヨーグルト!? 目からうろこの組み合わせだ。おそるおそる筆者も試してみたが、ヨーグルトの酸味は気にならず、むしろ味に深みがでておいしい。よく考えると味噌もヨーグルトも発酵食品同士なので相性がいいからだろうか、ヨーグルトの栄養までプラスされるのであれば一石二鳥だ。
味噌汁にヨーグルト!ヨーグルトの酸味が気にならず、味に深みがでて底知れぬおいしさ。これも自作した
新型コロナウイルス禍でフランスは度重なるロックダウン(都市封鎖)が続き、筆者も運動不足は否めない。ヨーグルトをデザートに限らず日々の料理にも取り入れて、せめて腸内環境だけでも整えることにしようと思う。
(*記事内のアルファベットの特殊記号は表示していません)
パリ在住ライター ユイじょり
2021/4/18 食の豆知識
5月15日は「ヨーグルトの日」=PIXTA
ボンジュール!パリからお届けする「食の豆知識」。4月は新年度がスタートする。入学、入社、異動など、新生活を気持ち良く始めるため、新たな環境を整えたという読者の方も多いだろう。環境といえば、体の環境、腸内環境の方はいかがだろうか? 今回は、腸内環境を整えるのに役立つと言われる「ヨーグルト」をテーマに取り上げる。
5月15日は、食品大手の明治が2012年に「ヨーグルトの日」とした。1907年に「ヨーグルトを摂取することが長寿の秘けつである」ことを論文で発表し、ヨーグルトを世界に広めるきっかけをつくったノーベル生理学・医学賞受賞者のイリア・メチニコフの誕生日に合わせて、この日を日本記念日協会に申請し、認定・登録されたのだという。
日本ではコンビニでもスーパーでも必ず定番コーナーがあるヨーグルト。あまりに日本人の食生活に身近すぎて、「腸にいいデザート」くらいのイメージしかない人も多いのではないか。
調べてみると、日本でここまで身近な存在になった背景には、どうやら「本物のヨーグルトを日本の食卓に広めたい」と願う人々の並々ならぬ熱意と努力があったからのようだ。そこで今回、記念日を定めた明治広報部の関根由梨さんと乳酸菌マーケティング部の田中陽さんにお話を伺い、ヨーグルトについて考えてみた。
「『ヨーグルト』という言葉は、諸説ありますが、トルコ語でヨーグルトを意味する『ヨウルト(yogurt)』に由来していると言われています」(田中さん)。ヨウルトはトルコ語で「かくはんすること」を意味する動詞「yogurmak」の派生語で、トルコにおけるヨーグルトの製法を指していると言われているそうだ。
ヨーグルトの言葉の起源があるともいわれるトルコに留学経験があり、同国事情に精通する筆者の知人がこう教えてくれた。「トルコは酪農大国であり、ヨーグルト、バター、チーズはトルコ料理には欠かせません」
トルコ家庭のとある日の食卓。ドルマと呼ばれる煮込み料理にのせるよう、大容量(3~5キログラム)の無糖ヨーグルトも並ぶ(写真提供:唐崎翔太)
トルコで「ロカンタ」と呼ばれる大衆食堂に行くと、料理に無糖のヨーグルトをのせるかを尋ねられるのだという。またスーパーではキロ単位でヨーグルトを売っており、「アイラン」と呼ばれるヨーグルト・塩・水で作るドリンクは食事のお供としてトルコ人の食シーンに欠かせないものなのだとか。
そのトルコの1人当たりの消費量は、先ほどの田中さんによれば世界で18位とのこと。そして、日本でヨーグルトのイメージが強い国のブルガリアは世界で5位。「トルコとブルガリアは隣国同士のせいか、やはり食文化も似ているようですね。ヨーグルトはトルコ発祥とのことで、互いに譲らないブルガリアとの熱いバトルがあります」と知人が教えてくれた。
ちなみに、1人当たりのヨーグルトの消費量の1位はオランダ。2位セルビア、3位フィンランドと続く。ヨーロッパ諸国が上位を占め、日本は19位なのだという。日本人のヨーグルト消費量はそれほど多いわけではないようだ。日本においては主に朝食や食後のデザート感覚で食べられることが多いのに対し、海外、特にヨーロッパ圏では、トルコのように普段の料理にヨーグルトが多く取り入れられている違いがあるようだ。
筆者の住むここフランスでは、世界のヨーグルト1人当たりの消費量ランキングは8位だ。フランスは一つの村に対してその村固有のチーズがあると言われるほど膨大な種類のチーズが存在する、言わずと知れた酪農大国。原料を同じくするヨーグルト(yaourt)も、フランスの人々にとって大変身近な食べ物だ。
筆者が渡仏して真っ先に驚いたことのひとつが、スーパーのヨーグルト売り場の大きさと種類の豊富さだった。牛の乳に限らず、羊やヤギの乳で作られたヨーグルト、ダイズからできたヨーグルトなども定番商品として陳列されている。ヨーグルト売り場とはいえ、見た目はヨーグルトにそっくり、味も似ているチーズもここにある。フロマージュ・ブラン(fromage blanc)、プチ・スイス(petit-suisse)、フェセル(faisselle)などだ。
フランスでは、料理というよりどちらかというと日本のようにデザート感覚で食べられることが多い印象だ。それにしても、毎回スーパーを訪れる度に、ヨーグルトの種類の豊富さには毎回目がくらむ。
ここで日本に目を向けてみよう。1970年ごろ、日本では市場にヨーグルトは出回っていたものの、砂糖や香料、果肉などを加えて日本人向けに味付けされたデザート菓子、子どものおやつといった位置づけで、無糖のプレーンヨーグルトは流通していなかったのだという。
明治の関根さんによると、「プレーンヨーグルト誕生のきっかけとなった運命の出合いは、70年に開催された大阪万博でした。『ブルガリア館』で当社のスタッフが本場のプレーンヨーグルトを試食したことが開発の契機となり、本場の味を再現するため、持ち帰ったサンプルを研究し、試作を重ね、何度もヨーロッパへ足を運びました」
そのかいもあり、日本初の無糖プレーンヨーグルト「明治プレーンヨーグルト」が誕生したのは71年のこと。しかし発売当初、プレーンヨーグルト独特の香りと酸味がなかなか一般的には受け入れられず、「腐っているのではないか」という苦情まで来るほど大苦戦したのだという。
1971年発売当初の「明治プレーンヨーグルト」。牛乳パックの形状をしているが、液状ではなく、現在のような固形のプレーンヨーグルトだった(写真提供:明治)
「実は開発当初より、商品名は『明治ブルガリアヨーグルト』とする予定で進めていたものの、ブルガリア大使館から『ブルガリアヨーグルト』の名称の使用許可が下りず、はじめは『ブルガリア』表記なしでの発売となったのです。ですが、この大苦戦の状況下で、本物の証、すなわちヨーグルトの故郷、ブルガリア由来のブルガリア菌を使用したヨーグルトであることを訴求したい。同時に、甘い、ゼラチンで固めた日本のヨーグルトと異なる、本場ブルガリアで食べられている『本物』のヨーグルトをぜひ日本の皆さんに楽しんでほしいという強い思いから『ブルガリア』のネーミングを冠することが不可欠だと考え、使用許可に向けて再度動き出しました」(関根さん)
ブルガリア大使館の姿勢は断固としたものであり、交渉は難航する。しかし、担当者の意志は固く、生産設備の見学会で徹底した品質管理をアピールするなどして、熱い思いを伝えた。関根さんはこう続ける。「この熱意と努力の甲斐もあり、72年にようやく国名の使用許可が下り、73年に『明治ブルガリアヨーグルトプレーン』という名称で発売するに至りました。この後、この『明治ブルガリアヨーグルト』が売り上げを拡大するに伴いヨーグルト市場全体も拡大し、結果、日本の食卓にヨーグルトが定着したのです」。
ブルガリア政府にも承認された正真正銘の正統派、「明治ブルガリアヨーグルト」。「本場ブルガリアで食べられている本物の味を日本に広めたい!」という当時の担当者たちの熱い思いに胸を打たれる。
こうして日本人の食生活に浸透していったヨーグルト。日本では、ヨーグルトが広がるきっかけとなった固形状のプレーンヨーグルトの人気が根強いが、近年では「明治プロビオヨーグルトR-1ドリンクタイプ」に代表される、特定の健康価値を持つドリンクタイプの市場規模の方が大きいという。
ところで、現在日本ではどのような味のヨーグルトが人気なのだろうか。田中さんによると、「 日本で人気のフレーバーは、ブルーベリー、ストロベリー、アロエです。プレーンヨーグルトに合う代表的なフルーツフレーバーとして、長く人気を博しています。一方、ユズなど、その時々でトレンドのフレーバーが人気になることはあります」とのこと。
ちなみにフランスで定番かつ日本であまり見かけない独特の味といえば、アプリコット、ココナツ、レモン、マロンペーストあたりだろうか。逆に、筆者は日本でメジャーなアロエヨーグルトが大好きなのだが、こちらではまったく見つけることができず、耐えかねてアロエヨーグルトを自作してしまったくらいだ。
アロエベラから果肉を取り出し、砂糖と水で煮詰めてレモン汁を加えたアロエ果肉入りシロップをヨーグルトにかければ、アロエヨーグルトの完成
明治は新商品の開発にとどまらず、ヨーグルトの新しい食べ方の提案にも力を入れているということで、最後にこの季節におすすめのヨーグルトを使った一品を聞いてみた。「4月からの新生活に合わせ、日本人の食事の一品として欠かせない味噌汁にヨーグルトを加えた『ヨーグルト味噌汁』はいかがでしょうか。ヨーグルトを使うことで、なじみのあるメニューの味がより一層おいしくなります」(田中さん)
味噌汁にヨーグルト!? 目からうろこの組み合わせだ。おそるおそる筆者も試してみたが、ヨーグルトの酸味は気にならず、むしろ味に深みがでておいしい。よく考えると味噌もヨーグルトも発酵食品同士なので相性がいいからだろうか、ヨーグルトの栄養までプラスされるのであれば一石二鳥だ。
味噌汁にヨーグルト!ヨーグルトの酸味が気にならず、味に深みがでて底知れぬおいしさ。これも自作した
新型コロナウイルス禍でフランスは度重なるロックダウン(都市封鎖)が続き、筆者も運動不足は否めない。ヨーグルトをデザートに限らず日々の料理にも取り入れて、せめて腸内環境だけでも整えることにしようと思う。
(*記事内のアルファベットの特殊記号は表示していません)
パリ在住ライター ユイじょり
● 禁煙
マサムネ | URL | 2021/04/22(木) 06:22 [EDIT]
マサムネ | URL | 2021/04/22(木) 06:22 [EDIT]
「禁煙国家」ブータン、コロナ対策でたばこ販売を解禁
2020年8月29日
発信地:ティンプー/ブータン【AFP】ヒマラヤの王国ブータンで、長年禁止されていたたばこの販売が、新型コロナウイルスの流行対策として、異例にも解禁された。
経済的利益よりも国民の幸福を重視する「国民総幸福量(GNH)」で知られるブータンは、1729年にたばこを取り締まる法が敷かれた。葉タバコは、女悪魔の血液で育つと考えられており、仏教徒が大半を占める同国では今も喫煙は罪とされている。
1999年までテレビが違法とされていた、人口約75万人の同国は、たばこの製造と販売、流通を2010年に禁止。だが政府が重い関税や税金を課した上で一定量のたばこ製品の輸入を認めていたため、隣国インドから密輸された闇市場が繁盛している。
そうした中、新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を受けて、ブータンは今年に入ってインドとの国境を封鎖。すると取引業者のインドへの入国が困難になったため、たばこの闇価格は4倍にまで跳ね上がった。
それでも一部は忍び込み続けていたものの、インドとの間を往来していたブータン人の行商人が8月12日、国境に近いプンツォリン(Phuentsholing)で新型ウイルス検査を受け、陽性反応を示した。
これを受け、週末に医師の仕事を続けているロテ・ツェリン(Lotay Tshering)首相率いる政権は再考を迫られ、密輸入品への需要を減らすことで、理論上は国境をまたぐ感染リスクが抑えられるとして、長年禁止していたたばこの販売を解禁。同首相は一時的な措置だと強調している。
この決定により、愛煙家は国営の免税店でたばこ製品を購入できるようになり、たばこが新型ウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)中も購入可能な生活必需品に加えられた。
政府はさらに、自宅待機中のヘビースモーカーからたばこを取り上げると、家庭内の緊張が高まる可能性があると主張。ツェリン首相は、「治療したり習慣を変えさせたりするには悪いタイミングだ」と、地元紙に語った。
一方、首都ティンプーの免税店の店長は、1日に約1000本の電話が入ると話し、注文に応えるため朝8時から深夜まで働きづめだと説明。「必死に問い合わせる電話があまりに多くかかってくる。食事をする時間もない」と話した。
新型コロナをめぐっては、インドでは300万人超の感染者が確認された一方、ブータンでは200人未満にとどまっている。(c)AFP
2020年8月29日
発信地:ティンプー/ブータン【AFP】ヒマラヤの王国ブータンで、長年禁止されていたたばこの販売が、新型コロナウイルスの流行対策として、異例にも解禁された。
経済的利益よりも国民の幸福を重視する「国民総幸福量(GNH)」で知られるブータンは、1729年にたばこを取り締まる法が敷かれた。葉タバコは、女悪魔の血液で育つと考えられており、仏教徒が大半を占める同国では今も喫煙は罪とされている。
1999年までテレビが違法とされていた、人口約75万人の同国は、たばこの製造と販売、流通を2010年に禁止。だが政府が重い関税や税金を課した上で一定量のたばこ製品の輸入を認めていたため、隣国インドから密輸された闇市場が繁盛している。
そうした中、新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を受けて、ブータンは今年に入ってインドとの国境を封鎖。すると取引業者のインドへの入国が困難になったため、たばこの闇価格は4倍にまで跳ね上がった。
それでも一部は忍び込み続けていたものの、インドとの間を往来していたブータン人の行商人が8月12日、国境に近いプンツォリン(Phuentsholing)で新型ウイルス検査を受け、陽性反応を示した。
これを受け、週末に医師の仕事を続けているロテ・ツェリン(Lotay Tshering)首相率いる政権は再考を迫られ、密輸入品への需要を減らすことで、理論上は国境をまたぐ感染リスクが抑えられるとして、長年禁止していたたばこの販売を解禁。同首相は一時的な措置だと強調している。
この決定により、愛煙家は国営の免税店でたばこ製品を購入できるようになり、たばこが新型ウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)中も購入可能な生活必需品に加えられた。
政府はさらに、自宅待機中のヘビースモーカーからたばこを取り上げると、家庭内の緊張が高まる可能性があると主張。ツェリン首相は、「治療したり習慣を変えさせたりするには悪いタイミングだ」と、地元紙に語った。
一方、首都ティンプーの免税店の店長は、1日に約1000本の電話が入ると話し、注文に応えるため朝8時から深夜まで働きづめだと説明。「必死に問い合わせる電話があまりに多くかかってくる。食事をする時間もない」と話した。
新型コロナをめぐっては、インドでは300万人超の感染者が確認された一方、ブータンでは200人未満にとどまっている。(c)AFP
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マサムネ | URL | 2021/04/23(金) 06:35 [EDIT]
マサムネ | URL | 2021/04/23(金) 06:35 [EDIT]
東京タワー台湾祭、「入場特典」パイナップルが品切れ2021/04/22
「東京タワー台湾祭2021 GW」の会場を視察に訪れる謝駐日代表(右)とイベント責任者の片岡さん
(東京中央社)東京都港区で開催中のイベント「東京タワー台湾祭2021 GW」の入場特典用の台湾産パイナップルが20日、品切れとなった。次回入荷は今週末の予定だという。
入場券を事前に購入した人のパイナップルは確保されているが、21日から次回入荷までの間、入場特典はパイナップルケーキやドリンクなどに変更される。
謝長廷(しゃちょうてい)駐日代表(大使に相当)は21日、会場を視察。会場内の冷蔵庫では、台湾産パイナップルが詰まった段ボール箱が山積みにされており、謝代表はその様子に驚きを示した。イベント責任者の片岡健一さんによれば、その数約8万個。場内の物販ブースで販売されるという。
同祭は来月16日まで続く。ただ、東京都では今月25日から来月9日、もしくは11日にかけて緊急事態宣言が出される見通しとなっている。
片岡さんは、入場人数の制限や検温、消毒などの感染対策を取っていると説明。緊急事態宣言期間中、イベントは継続するが、終了時間を夜9時から夜8時に繰り上げる予定だと話した。(楊明珠/編集:楊千慧)
「東京タワー台湾祭2021 GW」の会場を視察に訪れる謝駐日代表(右)とイベント責任者の片岡さん
(東京中央社)東京都港区で開催中のイベント「東京タワー台湾祭2021 GW」の入場特典用の台湾産パイナップルが20日、品切れとなった。次回入荷は今週末の予定だという。
入場券を事前に購入した人のパイナップルは確保されているが、21日から次回入荷までの間、入場特典はパイナップルケーキやドリンクなどに変更される。
謝長廷(しゃちょうてい)駐日代表(大使に相当)は21日、会場を視察。会場内の冷蔵庫では、台湾産パイナップルが詰まった段ボール箱が山積みにされており、謝代表はその様子に驚きを示した。イベント責任者の片岡健一さんによれば、その数約8万個。場内の物販ブースで販売されるという。
同祭は来月16日まで続く。ただ、東京都では今月25日から来月9日、もしくは11日にかけて緊急事態宣言が出される見通しとなっている。
片岡さんは、入場人数の制限や検温、消毒などの感染対策を取っていると説明。緊急事態宣言期間中、イベントは継続するが、終了時間を夜9時から夜8時に繰り上げる予定だと話した。(楊明珠/編集:楊千慧)
● 邪馬台国
マサムネ | URL | 2021/04/23(金) 10:15 [EDIT]
マサムネ | URL | 2021/04/23(金) 10:15 [EDIT]
九州?近畿?最大の謎に挑む シンポジウム「邪馬台国の今」
高島忠平氏 三角縁獣神鏡は中国未出土/七田忠昭氏 吉野ケ里は壮大な空間意識/藤田三郎氏 都を作る地盤、大和にあった
3/6佐賀新聞
邪馬台国論争が残る「吉野ケ里遺跡」と「唐古・鍵遺跡」の両面から議論を交わした記念シンポジウム=佐賀県立美術館ホール
邪馬台国はどこにあったのか-。古代史最大の謎に迫るシンポジウム「邪馬台国の今」が2月、佐賀市の県立美術館で開かれた。九州説と近畿説それぞれの立場から、「吉野ケ里遺跡」と奈良県の「唐古・鍵遺跡」の発掘を手がけた専門家が、最新研究を踏まえて邪馬台国論争を解く鍵を探った。
【パネリスト】
藤田三郎氏(奈良県田原本町埋蔵文化財センター長)
七田忠昭氏(佐賀城本丸歴史館館長)
高島忠平氏(佐賀県芸術文化協会理事長)
【コーディネーター】
内田信子氏(学校法人旭学園理事長)
■内田 吉野ケ里フィーバーから30年。当時、私はサガテレビの記者だったが、魏志倭人伝、邪馬台国、卑弥呼という三つのキーワードのパワーはすさまじかった。当時の思い出を。
高島 これでやっと近畿説と対等に戦えると感じた。魏志倭人伝の記述と極めて符合する遺構のまとまりで、(弥生時代研究の権威)佐原真さんに裏付ける発言をしてもらって一挙に盛り上がった。
七田 新聞社の記者たちが邪馬台国と結びつけ、何とか遺跡を残そうという気持ちがうれしかった。これで遺跡が残るなと感じた。
藤田 巨大な遺跡を保存するのは難しいと実感していたので、吉野ケ里はすごいインパクトだった。遺跡全体を保存する道が開かれた、最初のケース。きっちり前向きな波に乗せていく力が重要だと思った。
■内田 現在の邪馬台国論争を整理してほしい。
高島 今日の邪馬台国論争には三つある。「九州説」、「近畿(畿内)説」、そして九州説から出てきた「東遷説」だ。日本の考古学は近畿説が主流であり、九州説は傍系的と位置づけられている。
(近畿説の裏付けとされる)三角縁神獣鏡は、卑弥呼が使者を送った巍の年号が銘に刻んであった。だが、三角縁神獣鏡は中国では1枚も出土していない。
また、弥生時代には各地に独自の政治勢力、王権が成立していた。そこで、出雲や筑紫などの勢力が倭国を作り、奈良に都を置いたという考え方が出てきた。
一方の九州説。まず、環壕集落に中国の影響が色濃い。戦略物資である鉄を輸入・流通させるシステムは九州・山陰が主体で、そこに近畿は組み込まれていない。さらに、九州は圧倒的に国際性が高い。
■内田 唐古・鍵遺跡や吉野ケ里遺跡から出土した建物について聞きたい。
藤田 なぜ弥生時代に、大きな柱、それもケヤキにこだわる必要があったのか。それは、王権のルーツになるような神聖な柱だったからだろう。いろんな集落に大型建物があるわけではなく、象徴的に建てられたと考えられる。
七田 吉野ケ里の北墳丘墓と祭壇は、ほぼ南北の線で結ばれている。南北線に沿って都城が作られた、長安の考え方が入ってきたのではないか。
その南北線の延長線上に普賢岳がある。普賢岳は火の山、火の鳥。つまり南に朱雀という、壮大な空間意識の元に作られている。
■内田 邪馬台国はどこにあったのか。何が出てくれば決着するのか。
藤田 まずは卑弥呼がもらった金印だろう。
なぜ畿内が重要かというと、その次の時代を考えないといけないからだ。大和政権がどうやって成立していったかが、邪馬台国を解く鍵だ。
広大な奈良盆地の生産力がポイントになる。巨大な環濠集落を作るだけの土木技術、労働力の投下、これが次の政権、都を作る力になっていく。それを支える地盤が、大和には充分あった。邪馬台国は奈良盆地の「南和」地域だろう。纏向遺跡も含めた10キロ四方くらいの範囲と考えている。
七田 やはり金印。さらに銀印も10個もらっている。私は邪馬台国を大きく見るか、小さく見るかだと思う。実は巨大な国ではない。農業生産に適した、鉄も入る、中国の文物も入るという国だっただろう。
島 もうひとつの鍵は「封泥」だ。贈り物は必ず授けた者の前で開かれた。封泥という特殊な粘土で封じられており、そこに皇帝爾印と印刻がある。封泥のかけらが出てくれば、そこが卑弥呼がいた場所と特定できる。吉野ケ里発掘調査があらためて始まるので、この封泥か金印が出てくるのではないかと期待している。
=基調講演要旨=
■唐古・鍵遺跡と邪馬台国
王権シンボル、巨大ケヤキ
奈良県田原本町埋蔵文化財センター長 藤田三郎氏
奈良盆地には弥生時代の遺跡が600ほど存在する。この中で拠点となる遺跡は11カ所。その一つが、唐古・鍵遺跡だ。
周辺を束ねる遺跡であり、半径2キロの範囲を含めて唐古・鍵遺跡群と呼んでいい。直径400メートルを囲む多重環濠集落で、環濠はいったん埋められたものの、再掘削して弥生時代中期から古墳時代にかけて維持された。
環濠の目的は防御だが、洪水対策でもある。水を集落の外に流し、平和時は運河として機能した。環濠からは直径60センチの巨大なケヤキが見つかっているが、貯木した大型建物の柱材だったと考えている。実際、大型建物が2棟見つかった。ケヤキの柱の1本は直径83センチと日本最大級だ。
古墳時代に入ると、ケヤキは王権のシンボルになる。その王権のルーツとして、ケヤキを使った建物の意味は非常に重要だ。
唐古で1番有名なのは、「楼閣」が描かれた土器だろう。かけらを合わせると、2棟の楼閣と、1棟の大型建物が描かれていたと考えられる。
中国・漢代の「画像石」には、ふたつの楼閣を一対にした建物が描かれる。つまり、この時代に中国的な物が存在していたわけだ。
つぼなどに龍の文様や意匠も見られる。龍の意匠は西日本各地から出ており、大陸から西日本を通って大和に至るルートが確保されていたのが分かる。
唐古からは、中が空洞の奇岩「褐鉄鉱」に収めた翡翠勾玉も見つかった。褐鉄鉱の中の粘土を取り出し、二つの勾玉を入れていた。これは弥生時代でも最大級の翡翠勾玉で、生命の象徴とされる翡翠勾玉をここに入れる行為は、かなり重要な遺物であると示す。
唐古から4キロの位置には、纏向遺跡がある。時代が進んで中心が移り、唐古は補佐へと変わる。纏向遺跡は計画的に出現し、大和王権が誕生していく場所になった、と読み取れる。
■吉野ケ里遺跡と邪馬台国
色濃い中国の影響
県立佐賀城本丸歴史館長 七田忠昭氏
倭人伝は「南、邪馬台国に至る、女王の都するところ」と記し、長官の「伊支馬(いきま)」と、3人の次官がいたとある。つまり、長官がいる宮殿と、日本全体を収める倭国の女王卑弥呼の宮殿、その二つが近くにあったと推定できる。現代に置き換えれば、同じ東京都に政府と、都庁があるようなイメージだ。
卑弥呼の宮殿は、宮室や物見やぐら、城柵が設けられ、武器を持った兵士によって守られていた。倭人伝に書かれたものが、吉野ケ里にはそろっている。
吉野ケ里の祭祀空間である「北内郭」を真ん中で割ると、夏至の日の出と冬至の日没を結んだラインと重なる。上から見ると、日本には例がないような幾何学的な、丸と四角の合体形だ。道教の基本理念「天円地方」の影響と考えられる。
九州北部の環壕集落では城柵の一部が外側に飛び出す形式が見つかるが、その内側に物見櫓が立っていたのは吉野ケ里だけだ。
倭の使者たちは中国の都市を見て驚き、自分たちの集落にも取り入れようと思ったはずだ。吉野ケ里の南内郭の正門の両脇には、二つのやぐらが立つ。これは、中国の門「双?(そうけつ)」を見た人しか作れない。食い違い門も、環壕を盛り上げて、中国に似た雰囲気を作り上げている。
防御を第一義にしたわけではなく、自分たちの力を示す意味があったと思う。外環壕の出入り口の突出した形や、食い違いの鍵型も中国で見られる特徴だ。
また、中国の宮城の配置は皇帝が東にいて、臣下が西に位置する。これが紀元後は、北に皇帝、南に臣下へ変わる。ところが、奈良の纏向遺跡は東西が軸だ。
卑弥呼は、倭国が乱れた時代の女王。吉野ケ里周辺から首長墓が確認されないのは、首長から互選された有力者が任期中に吉野ケ里遺跡で政(まつりごと)を指揮し、亡くなると出身集落の墓地に戻って埋葬されたからだろう。
高島忠平氏 三角縁獣神鏡は中国未出土/七田忠昭氏 吉野ケ里は壮大な空間意識/藤田三郎氏 都を作る地盤、大和にあった
3/6佐賀新聞
邪馬台国論争が残る「吉野ケ里遺跡」と「唐古・鍵遺跡」の両面から議論を交わした記念シンポジウム=佐賀県立美術館ホール
邪馬台国はどこにあったのか-。古代史最大の謎に迫るシンポジウム「邪馬台国の今」が2月、佐賀市の県立美術館で開かれた。九州説と近畿説それぞれの立場から、「吉野ケ里遺跡」と奈良県の「唐古・鍵遺跡」の発掘を手がけた専門家が、最新研究を踏まえて邪馬台国論争を解く鍵を探った。
【パネリスト】
藤田三郎氏(奈良県田原本町埋蔵文化財センター長)
七田忠昭氏(佐賀城本丸歴史館館長)
高島忠平氏(佐賀県芸術文化協会理事長)
【コーディネーター】
内田信子氏(学校法人旭学園理事長)
■内田 吉野ケ里フィーバーから30年。当時、私はサガテレビの記者だったが、魏志倭人伝、邪馬台国、卑弥呼という三つのキーワードのパワーはすさまじかった。当時の思い出を。
高島 これでやっと近畿説と対等に戦えると感じた。魏志倭人伝の記述と極めて符合する遺構のまとまりで、(弥生時代研究の権威)佐原真さんに裏付ける発言をしてもらって一挙に盛り上がった。
七田 新聞社の記者たちが邪馬台国と結びつけ、何とか遺跡を残そうという気持ちがうれしかった。これで遺跡が残るなと感じた。
藤田 巨大な遺跡を保存するのは難しいと実感していたので、吉野ケ里はすごいインパクトだった。遺跡全体を保存する道が開かれた、最初のケース。きっちり前向きな波に乗せていく力が重要だと思った。
■内田 現在の邪馬台国論争を整理してほしい。
高島 今日の邪馬台国論争には三つある。「九州説」、「近畿(畿内)説」、そして九州説から出てきた「東遷説」だ。日本の考古学は近畿説が主流であり、九州説は傍系的と位置づけられている。
(近畿説の裏付けとされる)三角縁神獣鏡は、卑弥呼が使者を送った巍の年号が銘に刻んであった。だが、三角縁神獣鏡は中国では1枚も出土していない。
また、弥生時代には各地に独自の政治勢力、王権が成立していた。そこで、出雲や筑紫などの勢力が倭国を作り、奈良に都を置いたという考え方が出てきた。
一方の九州説。まず、環壕集落に中国の影響が色濃い。戦略物資である鉄を輸入・流通させるシステムは九州・山陰が主体で、そこに近畿は組み込まれていない。さらに、九州は圧倒的に国際性が高い。
■内田 唐古・鍵遺跡や吉野ケ里遺跡から出土した建物について聞きたい。
藤田 なぜ弥生時代に、大きな柱、それもケヤキにこだわる必要があったのか。それは、王権のルーツになるような神聖な柱だったからだろう。いろんな集落に大型建物があるわけではなく、象徴的に建てられたと考えられる。
七田 吉野ケ里の北墳丘墓と祭壇は、ほぼ南北の線で結ばれている。南北線に沿って都城が作られた、長安の考え方が入ってきたのではないか。
その南北線の延長線上に普賢岳がある。普賢岳は火の山、火の鳥。つまり南に朱雀という、壮大な空間意識の元に作られている。
■内田 邪馬台国はどこにあったのか。何が出てくれば決着するのか。
藤田 まずは卑弥呼がもらった金印だろう。
なぜ畿内が重要かというと、その次の時代を考えないといけないからだ。大和政権がどうやって成立していったかが、邪馬台国を解く鍵だ。
広大な奈良盆地の生産力がポイントになる。巨大な環濠集落を作るだけの土木技術、労働力の投下、これが次の政権、都を作る力になっていく。それを支える地盤が、大和には充分あった。邪馬台国は奈良盆地の「南和」地域だろう。纏向遺跡も含めた10キロ四方くらいの範囲と考えている。
七田 やはり金印。さらに銀印も10個もらっている。私は邪馬台国を大きく見るか、小さく見るかだと思う。実は巨大な国ではない。農業生産に適した、鉄も入る、中国の文物も入るという国だっただろう。
島 もうひとつの鍵は「封泥」だ。贈り物は必ず授けた者の前で開かれた。封泥という特殊な粘土で封じられており、そこに皇帝爾印と印刻がある。封泥のかけらが出てくれば、そこが卑弥呼がいた場所と特定できる。吉野ケ里発掘調査があらためて始まるので、この封泥か金印が出てくるのではないかと期待している。
=基調講演要旨=
■唐古・鍵遺跡と邪馬台国
王権シンボル、巨大ケヤキ
奈良県田原本町埋蔵文化財センター長 藤田三郎氏
奈良盆地には弥生時代の遺跡が600ほど存在する。この中で拠点となる遺跡は11カ所。その一つが、唐古・鍵遺跡だ。
周辺を束ねる遺跡であり、半径2キロの範囲を含めて唐古・鍵遺跡群と呼んでいい。直径400メートルを囲む多重環濠集落で、環濠はいったん埋められたものの、再掘削して弥生時代中期から古墳時代にかけて維持された。
環濠の目的は防御だが、洪水対策でもある。水を集落の外に流し、平和時は運河として機能した。環濠からは直径60センチの巨大なケヤキが見つかっているが、貯木した大型建物の柱材だったと考えている。実際、大型建物が2棟見つかった。ケヤキの柱の1本は直径83センチと日本最大級だ。
古墳時代に入ると、ケヤキは王権のシンボルになる。その王権のルーツとして、ケヤキを使った建物の意味は非常に重要だ。
唐古で1番有名なのは、「楼閣」が描かれた土器だろう。かけらを合わせると、2棟の楼閣と、1棟の大型建物が描かれていたと考えられる。
中国・漢代の「画像石」には、ふたつの楼閣を一対にした建物が描かれる。つまり、この時代に中国的な物が存在していたわけだ。
つぼなどに龍の文様や意匠も見られる。龍の意匠は西日本各地から出ており、大陸から西日本を通って大和に至るルートが確保されていたのが分かる。
唐古からは、中が空洞の奇岩「褐鉄鉱」に収めた翡翠勾玉も見つかった。褐鉄鉱の中の粘土を取り出し、二つの勾玉を入れていた。これは弥生時代でも最大級の翡翠勾玉で、生命の象徴とされる翡翠勾玉をここに入れる行為は、かなり重要な遺物であると示す。
唐古から4キロの位置には、纏向遺跡がある。時代が進んで中心が移り、唐古は補佐へと変わる。纏向遺跡は計画的に出現し、大和王権が誕生していく場所になった、と読み取れる。
■吉野ケ里遺跡と邪馬台国
色濃い中国の影響
県立佐賀城本丸歴史館長 七田忠昭氏
倭人伝は「南、邪馬台国に至る、女王の都するところ」と記し、長官の「伊支馬(いきま)」と、3人の次官がいたとある。つまり、長官がいる宮殿と、日本全体を収める倭国の女王卑弥呼の宮殿、その二つが近くにあったと推定できる。現代に置き換えれば、同じ東京都に政府と、都庁があるようなイメージだ。
卑弥呼の宮殿は、宮室や物見やぐら、城柵が設けられ、武器を持った兵士によって守られていた。倭人伝に書かれたものが、吉野ケ里にはそろっている。
吉野ケ里の祭祀空間である「北内郭」を真ん中で割ると、夏至の日の出と冬至の日没を結んだラインと重なる。上から見ると、日本には例がないような幾何学的な、丸と四角の合体形だ。道教の基本理念「天円地方」の影響と考えられる。
九州北部の環壕集落では城柵の一部が外側に飛び出す形式が見つかるが、その内側に物見櫓が立っていたのは吉野ケ里だけだ。
倭の使者たちは中国の都市を見て驚き、自分たちの集落にも取り入れようと思ったはずだ。吉野ケ里の南内郭の正門の両脇には、二つのやぐらが立つ。これは、中国の門「双?(そうけつ)」を見た人しか作れない。食い違い門も、環壕を盛り上げて、中国に似た雰囲気を作り上げている。
防御を第一義にしたわけではなく、自分たちの力を示す意味があったと思う。外環壕の出入り口の突出した形や、食い違いの鍵型も中国で見られる特徴だ。
また、中国の宮城の配置は皇帝が東にいて、臣下が西に位置する。これが紀元後は、北に皇帝、南に臣下へ変わる。ところが、奈良の纏向遺跡は東西が軸だ。
卑弥呼は、倭国が乱れた時代の女王。吉野ケ里周辺から首長墓が確認されないのは、首長から互選された有力者が任期中に吉野ケ里遺跡で政(まつりごと)を指揮し、亡くなると出身集落の墓地に戻って埋葬されたからだろう。
● チベット議連顧問に安倍前首相 中国の人権侵害に対する非難決議の採択推進へ
マサムネ | URL | 2021/04/30(金) 08:13 [EDIT]
マサムネ | URL | 2021/04/30(金) 08:13 [EDIT]
4/28(水)
FNNプライムオンライン
FNNプライムオンライン
超党派の「日本チベット国会議員連盟」(下村博文会長)は4月27日、国会内で総会を開き、安倍前首相が「顧問」に就任することを決めた。議連は中国などによる人権侵害などを非難する国会決議の採択を目指している。
今回の総会は、「チベット亡命政府」のセンゲ首相の退任に合わせ、センゲ氏とオンライン対話を行う形で開催された。冒頭に挨拶した安倍前首相はセンゲ氏に対し「チベットの人々の生活の向上と人権状況を改善するためにネットワークを生かしながら大変な尽力をしてこられた」と敬意を評した上で、次のように述べた。
「私も中国との首脳会談の折にはチベットの人々への人権状況を改善するよう呼びかけてきたところだが、残念ながら改善がなされていないという中において、私は総理を既にセンゲ首相よりも早く辞任しているが、これからも一議員として議連の皆さまと共に国際社会と連携しながらチベットの状況を改善するために努力をしていきたいと思う」
このように安倍前首相は、在任時に中国政府に対しチベットの人権状況の改善を呼びかけてきたことを強調した上で、今後も一議員としてこの問題に取り組む意向を示した。
議連の会長を務める自民党の下村政調会長は、およそ10年前にチベットの指導者ダライラマやセンゲ首相と面会した際のエピソードを紹介し、「是非これからもチベットの皆さんのためにも、我がこととしてしっかりとサポートしながらまた共に活動させていただきたい」と強調した。
その上で下村氏は、チベット、ウイグル、内モンゴル、香港、ミャンマーなどでの人権侵害行為を非難する国会決議の採択が調整されていることについて、議連として「まとまって行動をお願いしたい」と述べ、改めて非難決議の採択に意欲を示した。
またチベット問題に取り組んでいるジャーナリストの櫻井よしこ氏は、「中国はとても大切な国だ。隣国で大きな国ですから私たちは出来得る限りよい関係を築き、それを維持していきたいと願っている、それは当然のことだ。しかし、その関係の中でやはり守るべき価値観というものはお互いに守らなければならない、守っていただかなければならない。それは人権であり、自由であり、民主主義であり、法の支配であり、みんながなるほどと納得する価値観だ。安倍総理はこれをインド太平洋戦略の中で本当に見事に表現された。チベットに対しても中国は人権、人道、法の支配、人間の常識そうしたものを尊重すべきだ」と訴えた。
会合では、安倍前首相が議連の顧問に就任することが決定された。首相在任時は中国との関係修復に努めてきた安倍前首相だが、今後、人権など個別の問題では、中国に厳しい立場を示していくものとみられる。
フジテレビ政治部 門脇功樹)
FNNプライムオンライン
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超党派の「日本チベット国会議員連盟」(下村博文会長)は4月27日、国会内で総会を開き、安倍前首相が「顧問」に就任することを決めた。議連は中国などによる人権侵害などを非難する国会決議の採択を目指している。
今回の総会は、「チベット亡命政府」のセンゲ首相の退任に合わせ、センゲ氏とオンライン対話を行う形で開催された。冒頭に挨拶した安倍前首相はセンゲ氏に対し「チベットの人々の生活の向上と人権状況を改善するためにネットワークを生かしながら大変な尽力をしてこられた」と敬意を評した上で、次のように述べた。
「私も中国との首脳会談の折にはチベットの人々への人権状況を改善するよう呼びかけてきたところだが、残念ながら改善がなされていないという中において、私は総理を既にセンゲ首相よりも早く辞任しているが、これからも一議員として議連の皆さまと共に国際社会と連携しながらチベットの状況を改善するために努力をしていきたいと思う」
このように安倍前首相は、在任時に中国政府に対しチベットの人権状況の改善を呼びかけてきたことを強調した上で、今後も一議員としてこの問題に取り組む意向を示した。
議連の会長を務める自民党の下村政調会長は、およそ10年前にチベットの指導者ダライラマやセンゲ首相と面会した際のエピソードを紹介し、「是非これからもチベットの皆さんのためにも、我がこととしてしっかりとサポートしながらまた共に活動させていただきたい」と強調した。
その上で下村氏は、チベット、ウイグル、内モンゴル、香港、ミャンマーなどでの人権侵害行為を非難する国会決議の採択が調整されていることについて、議連として「まとまって行動をお願いしたい」と述べ、改めて非難決議の採択に意欲を示した。
またチベット問題に取り組んでいるジャーナリストの櫻井よしこ氏は、「中国はとても大切な国だ。隣国で大きな国ですから私たちは出来得る限りよい関係を築き、それを維持していきたいと願っている、それは当然のことだ。しかし、その関係の中でやはり守るべき価値観というものはお互いに守らなければならない、守っていただかなければならない。それは人権であり、自由であり、民主主義であり、法の支配であり、みんながなるほどと納得する価値観だ。安倍総理はこれをインド太平洋戦略の中で本当に見事に表現された。チベットに対しても中国は人権、人道、法の支配、人間の常識そうしたものを尊重すべきだ」と訴えた。
会合では、安倍前首相が議連の顧問に就任することが決定された。首相在任時は中国との関係修復に努めてきた安倍前首相だが、今後、人権など個別の問題では、中国に厳しい立場を示していくものとみられる。
フジテレビ政治部 門脇功樹)
● 「ウイグル人権法」成立を 福岡の看護師、5万人分署名を国会提出
マサムネ | URL | 2021/04/30(金) 08:16 [EDIT]
マサムネ | URL | 2021/04/30(金) 08:16 [EDIT]
「ウイグル人権法」成立を 福岡の看護師、5万人分署名を国会提出2021.4.28
「ウイグル人権法」を求める約5万人の署名を集めた福岡県の今橋留美さん(左から2人目)と請願の紹介議員となった自民党の中谷元・元防衛相(左から3人目)ら=28日午後、衆院第1議員会館(奥原慎平撮影)
中国・新疆(しんきょう)ウイグル自治区で人権弾圧に関与した当局者に制裁を科す日本版「ウイグル人権法」(制裁法)の成立を求め、福岡県の看護師が28日、約5万人が署名した請願書を衆参両院に届けた。
署名を集めたのは、看護師の今橋留美さん。報道などで知ったウイグル自治区の人権侵害状況に心を痛め、昨年8月末から街頭活動や会員制交流サイト(SNS)を通じて、人権法に賛同する署名を集めた。
今橋さんは「日本はウイグル人を見捨てないとの思いを込めた。署名が菅義偉(すが・よしひで)首相の背中を押すものになってくれたらと願っている」と語った。
署名簿の引き渡し式には自民党の中谷元(げん)・元防衛相も出席し、人権法について「国会で成立できるように全力をあげたい」と語った。
日本ウイグル連盟のトゥール・ムハメット会長も同席し「5万人も署名をしたことはウイグル民族にとって心の温かい声として受け止めている。ウイグル人を1日も早く救い出せる努力をしてもらいたい」と訴えた。
「ウイグル人権法」を求める約5万人の署名を集めた福岡県の今橋留美さん(左から2人目)と請願の紹介議員となった自民党の中谷元・元防衛相(左から3人目)ら=28日午後、衆院第1議員会館(奥原慎平撮影)
中国・新疆(しんきょう)ウイグル自治区で人権弾圧に関与した当局者に制裁を科す日本版「ウイグル人権法」(制裁法)の成立を求め、福岡県の看護師が28日、約5万人が署名した請願書を衆参両院に届けた。
署名を集めたのは、看護師の今橋留美さん。報道などで知ったウイグル自治区の人権侵害状況に心を痛め、昨年8月末から街頭活動や会員制交流サイト(SNS)を通じて、人権法に賛同する署名を集めた。
今橋さんは「日本はウイグル人を見捨てないとの思いを込めた。署名が菅義偉(すが・よしひで)首相の背中を押すものになってくれたらと願っている」と語った。
署名簿の引き渡し式には自民党の中谷元(げん)・元防衛相も出席し、人権法について「国会で成立できるように全力をあげたい」と語った。
日本ウイグル連盟のトゥール・ムハメット会長も同席し「5万人も署名をしたことはウイグル民族にとって心の温かい声として受け止めている。ウイグル人を1日も早く救い出せる努力をしてもらいたい」と訴えた。
● ブータン料理は“世界一トウガラシ使用”
マサムネ | URL | 2021/04/30(金) 08:25 [EDIT]
マサムネ | URL | 2021/04/30(金) 08:25 [EDIT]
トウガラシ11本!?癖になる辛さの“ブータン料理”
[2021/04/02 12:35]
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000211720.html
ちまたで話題の“ちょっといーな”情報を、日替わりで紹介する「新井恵理那のあら、いーな!」。
2日のテーマは「海外気分が味わえる店 ブータン編」です。
コロナ禍で海外になかなか行けない今だからこそ、国内で海外気分を味わいたいですよね。
今回は、「ブータン料理」が味わえる店を紹介します。
■代々木上原の住宅街に“ブータン料理店”
世界一幸せな国、ブータンは、ヒマラヤ山脈の南に位置し、中国とインドに挟まれた国土は九州ほどの大きさです。
ほとんどが山岳地帯におおわれて、手付かずの自然が広がる中には、寺院なども点在しています。
2011年には、ワンチュク国王夫妻が、国賓として来日したことも話題となりました。
しかし、ブータンの人々がどんな料理を食べているのかというと、あまり想像がつきません。
そこで、東京・代々木上原駅近くの住宅街の中にある店「ガテモタブン」を訪ねました。
店の中に入ると、臼田香太オーナーと村上光店長が出迎えてくれました。2人は、高校時代の同級生なのだそうです。
落ち着きのある店内には、ブータンで購入したというグッズが、たくさん飾られています。
一体、どんなブータン料理が登場するのでしょうか?
■ブータン料理は“世界一トウガラシ使用”
運ばれてきたのは、ブータンの代表的な家庭料理の干し肉の「パクシャパ」です。
この料理には、本場ブータン産の乾燥トウガラシが使われています。実は、ブータン料理は“世界一トウガラシを使う”と言われているそうです。
この料理にも、赤トウガラシまるまる一本と、粉末トウガラシが入っています。ちなみに、ブータンの言葉で「パクシャ」は「豚肉」で、「パ」は「塊」を意味します。
味は、思ったよりも辛くなく、肉からもトウガラシからも、かめばかむほど味が出てくるといいます。
味付けは、シンプルに塩のみ。うまみや甘みは、トウガラシから出ているそうです。和食に近いようで、懐かしい感じもするそうで、ご飯が食べたくなる味です。
ブータンの主食は、日本と同じく米で、おかずで大量のご飯を食べるといいます。
臼井オーナー曰く、「ご飯を食べるためにパクシャパがある。それくらいご飯が重要」なのだそうです。
■トウガラシを“野菜”として味わう
そして、次の料理は「エマダツィ」です。
毎日3食、エマダツィを食べる人もいるといい、ブータンではトウガラシを野菜として食べるそうです。
作り方は簡単。生のトウガラシ11本を半分に切って、チーズやタマネギと一緒に煮込むだけです。
ブータンの言葉で「エマ」は「トウガラシ」で、「ダツィ」は「チーズ」を意味します。
「辛さ」と「まろやかさ」の奇跡のコラボレーションが味わえるエマダツィ。
癖になる味で、食べていくうちに辛さが、さわやかさに変っていくといいます。トウガラシの野菜としてのおいしさが分かるといいます。
■“ブータン料理店”オープンのきっかけは?
店がオープンしたのは約14年前のこと。きっかけは、臼田オーナーが学生時代にブータンを訪れたことだそうで、「最初にブータン料理を食べた時の衝撃を、皆に味わってもらいたい」と思い、開業したといいます。
(「グッド!モーニング」2021年4月2日放送分より)
[2021/04/02 12:35]
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000211720.html
ちまたで話題の“ちょっといーな”情報を、日替わりで紹介する「新井恵理那のあら、いーな!」。
2日のテーマは「海外気分が味わえる店 ブータン編」です。
コロナ禍で海外になかなか行けない今だからこそ、国内で海外気分を味わいたいですよね。
今回は、「ブータン料理」が味わえる店を紹介します。
■代々木上原の住宅街に“ブータン料理店”
世界一幸せな国、ブータンは、ヒマラヤ山脈の南に位置し、中国とインドに挟まれた国土は九州ほどの大きさです。
ほとんどが山岳地帯におおわれて、手付かずの自然が広がる中には、寺院なども点在しています。
2011年には、ワンチュク国王夫妻が、国賓として来日したことも話題となりました。
しかし、ブータンの人々がどんな料理を食べているのかというと、あまり想像がつきません。
そこで、東京・代々木上原駅近くの住宅街の中にある店「ガテモタブン」を訪ねました。
店の中に入ると、臼田香太オーナーと村上光店長が出迎えてくれました。2人は、高校時代の同級生なのだそうです。
落ち着きのある店内には、ブータンで購入したというグッズが、たくさん飾られています。
一体、どんなブータン料理が登場するのでしょうか?
■ブータン料理は“世界一トウガラシ使用”
運ばれてきたのは、ブータンの代表的な家庭料理の干し肉の「パクシャパ」です。
この料理には、本場ブータン産の乾燥トウガラシが使われています。実は、ブータン料理は“世界一トウガラシを使う”と言われているそうです。
この料理にも、赤トウガラシまるまる一本と、粉末トウガラシが入っています。ちなみに、ブータンの言葉で「パクシャ」は「豚肉」で、「パ」は「塊」を意味します。
味は、思ったよりも辛くなく、肉からもトウガラシからも、かめばかむほど味が出てくるといいます。
味付けは、シンプルに塩のみ。うまみや甘みは、トウガラシから出ているそうです。和食に近いようで、懐かしい感じもするそうで、ご飯が食べたくなる味です。
ブータンの主食は、日本と同じく米で、おかずで大量のご飯を食べるといいます。
臼井オーナー曰く、「ご飯を食べるためにパクシャパがある。それくらいご飯が重要」なのだそうです。
■トウガラシを“野菜”として味わう
そして、次の料理は「エマダツィ」です。
毎日3食、エマダツィを食べる人もいるといい、ブータンではトウガラシを野菜として食べるそうです。
作り方は簡単。生のトウガラシ11本を半分に切って、チーズやタマネギと一緒に煮込むだけです。
ブータンの言葉で「エマ」は「トウガラシ」で、「ダツィ」は「チーズ」を意味します。
「辛さ」と「まろやかさ」の奇跡のコラボレーションが味わえるエマダツィ。
癖になる味で、食べていくうちに辛さが、さわやかさに変っていくといいます。トウガラシの野菜としてのおいしさが分かるといいます。
■“ブータン料理店”オープンのきっかけは?
店がオープンしたのは約14年前のこと。きっかけは、臼田オーナーが学生時代にブータンを訪れたことだそうで、「最初にブータン料理を食べた時の衝撃を、皆に味わってもらいたい」と思い、開業したといいます。
(「グッド!モーニング」2021年4月2日放送分より)
● ノン
マサムネ | URL | 2021/05/02(日) 10:01 [EDIT]
マサムネ | URL | 2021/05/02(日) 10:01 [EDIT]
藤原しおり、ウズベキスタン伝統のパン「ノン」を焼く!【TOKYOで世界一周】4/25(日)
ウズベキスタンの伝統的なパン「ノン」と、ノン職人のシェルさん(撮影:本社写真部)
〈本日、『行列のできる法律相談所』に登場!〉『婦人公論』の好評連載「藤原しおりの TOKYOで世界一周」。ブルゾンちえみ、改め藤原しおりさんが、毎回、東京近郊に息づく世界各国のカルチャーや、人々の暮らしを藤原しおりさんがレポートします。今回は「春日部でウズベキスタンのノンづくり」。伝統的なパン、ノン作りを体験します。(撮影=本社写真部)
【写真&動画】パンにがぶり!とかぶりつく藤原しおりさん
* * * * * * *
〈中央アジアに位置するウズベキスタン。世界遺産にもなっている美しいイスラム建築群で知られ、シルクロードの宝石ともいわれる。主食はこの丸いノン。 これがないとウズベク人の食卓は始まらない! 埼玉県春日部市にある「シルクロードベーカリー シェル」の工房にお邪魔しました〉
◆延々食べ続けてしまうんじゃないか?
「ノン屋の嫁になったら絶対ダメだ!」。焼き立てノンを張りながら私は思った。外はカリッ、中はモチッ。シンプルなんだけど不思議と飽きない。このまま延々食べ続けてしまうんじゃないかと恐怖を感じさせるくらいに、ノンは美味しくてたまらなかった。
美味しさもさることながら、ノンの特徴はなんといってもその見た目。一つ一つ丁寧に付けられた模様は、食べるのがもったいないくらいに美しい。店によって味も模様もさまざまで、なかには店の電話番号を模様にしているものもあるらしい。競争の激しいウズベキスタンのノン業界では、絶えず新しい工夫がなされているそうだ。
ノンが日本で食べられるのも、ノン職人シェルさんご夫婦の努力があったから。来日後、日本でどうしてもノンが食べたくなったシェルさん。でも本国のような窯はなく、悩んだ挙句、素焼きの植木鉢を改造して焼いてみたら、これが大成功。美味しいノンが焼けたと同郷の仲間に配ったところ、「ずっと作り続けてくれ」と懇願され、今に至るそうだ。
「朝早い仕事だからやりたくなかったんですけどね(笑)」。そんな言葉とは裏腹に、部屋の温度や湿度を細かく調節し、自分のことより常に生地最優先で行動するシェルさんの姿からは、仕事への強い愛を感じた。
ノンを作ってみよう!
1)ノンは小麦粉と水、塩を練り、発酵させて作ります
2)生地を一定の量にわけていく。なかなかぴったりにならない!店主のシェルさんはキルギス生まれのウズベク人。ノン屋の三代目だ
3)発酵させた生地を手早く丸めて休ませます
4)ノンに模様を付けるのは「チェキチ」という道具。いろんな模様があってかわいい!
5)チェキチで模様を付けたり、ノンの表面をつまんだり
6)美しいノンが完成。チェキチは柄を付けるだけでなくノンに空気穴をあける意味もある
7)竪穴のタンドゥール窯の内側に貼り付けて焼き上げます
8)専用の道具を使って、焼いたノンを取り出します。いい色!
※ノンの生地で肉と玉ねぎを包んだタイプも
※手前のドーナツ状が肉入りのノン
サラダと野菜のスープ(ショルワ)は塩だけのシンプルな味付け。香ばしいノンにぴったり
****
妻の香織さん、藤原さん、夫のシェルさん。ここで焼いたノンは、通販サイト、または東京・中野にあるレストラン「VATANIM(ヴァタニム)」で食べられます
◆ウズベク人の考え方「人は人の世話になって当たり前」
全部の生地を焼き終え、やっと一休み。焼き立てノン、そしてサラダとスープを囲みながら妻の香織さんがウズベキスタンでの体験を話してくれた。
「ウズベク人ってね、日本人がビックリしちゃうくらい図々しいの(笑)。急に何十人って来客があったり。でもね、その分すっごく面倒みてくれるんですよ」
ウズベキスタンには、人は人の世話になって当たり前という考えが根付いているらしい。知ってる人だろうが知らない人だろうが当然のように助け合う。香織さんは現地のどこへ行ってもそれを体感したそうだ。
「人に迷惑をかけないようにしましょう」。そう教えられて育った日本人にとって、人の世話になることはどうしても申し訳なさを感じてしまう。でも、もしかすると日本人は少し頑張りすぎなのかもしれない。もうちょっと人に頼ってもいいのかもしれない。
「困ったときはお互いさま」。ウズベク精神が少し羨ましく感じた私。これからの人生はちょっとだけ、図々しく生きてみようかな。
シルクロードベーカリーシェル店主のシェルさんはキルギス生まれのウズベク人で、ノン職人の三代目。現地と全く同じ方法で、タンディールという窯を使って焼くノンは、香り豊かな中央アジアの味。中に肉や玉ねぎの入った「サムサ」も全国配送している
埼玉県春日部市増富564-7
070-5544-8811
https://silkroadbakerysher.business.site/
【営業時間】
日曜日のみ/10時00分~16時00分
※緊急事態宣言下で営業時間が変更になっている可能性があります。ウェブサイトなどで情報を確認してからご訪問ください
※ノンやサムサはこちらの通販サイトからも購入可能
http://mayram.shop-pro.jp/
ヴァタニム (VATANIM)キルギスだけでなく、ウズベキスタン、カザフスタンなど中央アジアの本格料理を提供する。2020年4月に東京・中野に移転したばかり。ここで紹介したノンももちろん食べられる。
東京都中野区新井1-36-9 岡田ビル 1F
050-5457-4556
【営業時間】
月~金/11:00~15:00、17:00~24:00 (L.O.23:00)
土・日・祝/11:00~24:00 (L.O.23:00)
定休日/月曜日
※月曜日が祝日の場合は月曜営業、代休無し
https://www.facebook.com/vatanim.tokyo/
ウズベキスタンの伝統的なパン「ノン」と、ノン職人のシェルさん(撮影:本社写真部)
〈本日、『行列のできる法律相談所』に登場!〉『婦人公論』の好評連載「藤原しおりの TOKYOで世界一周」。ブルゾンちえみ、改め藤原しおりさんが、毎回、東京近郊に息づく世界各国のカルチャーや、人々の暮らしを藤原しおりさんがレポートします。今回は「春日部でウズベキスタンのノンづくり」。伝統的なパン、ノン作りを体験します。(撮影=本社写真部)
【写真&動画】パンにがぶり!とかぶりつく藤原しおりさん
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〈中央アジアに位置するウズベキスタン。世界遺産にもなっている美しいイスラム建築群で知られ、シルクロードの宝石ともいわれる。主食はこの丸いノン。 これがないとウズベク人の食卓は始まらない! 埼玉県春日部市にある「シルクロードベーカリー シェル」の工房にお邪魔しました〉
◆延々食べ続けてしまうんじゃないか?
「ノン屋の嫁になったら絶対ダメだ!」。焼き立てノンを張りながら私は思った。外はカリッ、中はモチッ。シンプルなんだけど不思議と飽きない。このまま延々食べ続けてしまうんじゃないかと恐怖を感じさせるくらいに、ノンは美味しくてたまらなかった。
美味しさもさることながら、ノンの特徴はなんといってもその見た目。一つ一つ丁寧に付けられた模様は、食べるのがもったいないくらいに美しい。店によって味も模様もさまざまで、なかには店の電話番号を模様にしているものもあるらしい。競争の激しいウズベキスタンのノン業界では、絶えず新しい工夫がなされているそうだ。
ノンが日本で食べられるのも、ノン職人シェルさんご夫婦の努力があったから。来日後、日本でどうしてもノンが食べたくなったシェルさん。でも本国のような窯はなく、悩んだ挙句、素焼きの植木鉢を改造して焼いてみたら、これが大成功。美味しいノンが焼けたと同郷の仲間に配ったところ、「ずっと作り続けてくれ」と懇願され、今に至るそうだ。
「朝早い仕事だからやりたくなかったんですけどね(笑)」。そんな言葉とは裏腹に、部屋の温度や湿度を細かく調節し、自分のことより常に生地最優先で行動するシェルさんの姿からは、仕事への強い愛を感じた。
ノンを作ってみよう!
1)ノンは小麦粉と水、塩を練り、発酵させて作ります
2)生地を一定の量にわけていく。なかなかぴったりにならない!店主のシェルさんはキルギス生まれのウズベク人。ノン屋の三代目だ
3)発酵させた生地を手早く丸めて休ませます
4)ノンに模様を付けるのは「チェキチ」という道具。いろんな模様があってかわいい!
5)チェキチで模様を付けたり、ノンの表面をつまんだり
6)美しいノンが完成。チェキチは柄を付けるだけでなくノンに空気穴をあける意味もある
7)竪穴のタンドゥール窯の内側に貼り付けて焼き上げます
8)専用の道具を使って、焼いたノンを取り出します。いい色!
※ノンの生地で肉と玉ねぎを包んだタイプも
※手前のドーナツ状が肉入りのノン
サラダと野菜のスープ(ショルワ)は塩だけのシンプルな味付け。香ばしいノンにぴったり
****
妻の香織さん、藤原さん、夫のシェルさん。ここで焼いたノンは、通販サイト、または東京・中野にあるレストラン「VATANIM(ヴァタニム)」で食べられます
◆ウズベク人の考え方「人は人の世話になって当たり前」
全部の生地を焼き終え、やっと一休み。焼き立てノン、そしてサラダとスープを囲みながら妻の香織さんがウズベキスタンでの体験を話してくれた。
「ウズベク人ってね、日本人がビックリしちゃうくらい図々しいの(笑)。急に何十人って来客があったり。でもね、その分すっごく面倒みてくれるんですよ」
ウズベキスタンには、人は人の世話になって当たり前という考えが根付いているらしい。知ってる人だろうが知らない人だろうが当然のように助け合う。香織さんは現地のどこへ行ってもそれを体感したそうだ。
「人に迷惑をかけないようにしましょう」。そう教えられて育った日本人にとって、人の世話になることはどうしても申し訳なさを感じてしまう。でも、もしかすると日本人は少し頑張りすぎなのかもしれない。もうちょっと人に頼ってもいいのかもしれない。
「困ったときはお互いさま」。ウズベク精神が少し羨ましく感じた私。これからの人生はちょっとだけ、図々しく生きてみようかな。
シルクロードベーカリーシェル店主のシェルさんはキルギス生まれのウズベク人で、ノン職人の三代目。現地と全く同じ方法で、タンディールという窯を使って焼くノンは、香り豊かな中央アジアの味。中に肉や玉ねぎの入った「サムサ」も全国配送している
埼玉県春日部市増富564-7
070-5544-8811
https://silkroadbakerysher.business.site/
【営業時間】
日曜日のみ/10時00分~16時00分
※緊急事態宣言下で営業時間が変更になっている可能性があります。ウェブサイトなどで情報を確認してからご訪問ください
※ノンやサムサはこちらの通販サイトからも購入可能
http://mayram.shop-pro.jp/
ヴァタニム (VATANIM)キルギスだけでなく、ウズベキスタン、カザフスタンなど中央アジアの本格料理を提供する。2020年4月に東京・中野に移転したばかり。ここで紹介したノンももちろん食べられる。
東京都中野区新井1-36-9 岡田ビル 1F
050-5457-4556
【営業時間】
月~金/11:00~15:00、17:00~24:00 (L.O.23:00)
土・日・祝/11:00~24:00 (L.O.23:00)
定休日/月曜日
※月曜日が祝日の場合は月曜営業、代休無し
https://www.facebook.com/vatanim.tokyo/
● 日本チベット国会議員連盟の会合にオンラインで参加したチベット亡命政府のロブサン・センゲ首相
マサムネ | URL | 2021/05/03(月) 07:19 [EDIT]
マサムネ | URL | 2021/05/03(月) 07:19 [EDIT]
チベット議連 亡命政府首相を退任するセンゲ氏を慰労2021.4.27
日本チベット国会議員連盟の会合にオンラインで参加したチベット亡命政府のロブサン・センゲ首相(右)=27日午後、衆院第1議員会館(奥原慎平撮影)
超党派の有志議員でつくる「日本チベット国会議員連盟」は27日、インド北部にあるチベット亡命政府のロブサン・センゲ首相とオンライン会議を行い、5月末に任期満了を迎えるセンゲ氏を慰労した。センゲ氏は2011年から亡命政府の首相を務めていた。
議連会長を務める自民党の下村博文政調会長は「(首相任期の)10年間、大変な労苦をされたことに敬意を申し上げたい」とあいさつした。顧問に就任した安倍晋三前首相は「チベットの人々の生活の向上や人権状況を改善するため尽力されてきた。私もチベット議連とともに国際社会と連携し、チベットの状況を改善するために努力していきたい」と述べた。
中国チベット自治区などの人権侵害行為を非難する国会決議を早期採択する方針も確認した。
日本チベット国会議員連盟の会合にオンラインで参加したチベット亡命政府のロブサン・センゲ首相(右)=27日午後、衆院第1議員会館(奥原慎平撮影)
超党派の有志議員でつくる「日本チベット国会議員連盟」は27日、インド北部にあるチベット亡命政府のロブサン・センゲ首相とオンライン会議を行い、5月末に任期満了を迎えるセンゲ氏を慰労した。センゲ氏は2011年から亡命政府の首相を務めていた。
議連会長を務める自民党の下村博文政調会長は「(首相任期の)10年間、大変な労苦をされたことに敬意を申し上げたい」とあいさつした。顧問に就任した安倍晋三前首相は「チベットの人々の生活の向上や人権状況を改善するため尽力されてきた。私もチベット議連とともに国際社会と連携し、チベットの状況を改善するために努力していきたい」と述べた。
中国チベット自治区などの人権侵害行為を非難する国会決議を早期採択する方針も確認した。
● 支那による弾圧で亡くなったすべての犠牲者を追悼する法要を善光寺本堂で行った
マサムネ | URL | 2021/05/03(月) 07:23 [EDIT]
マサムネ | URL | 2021/05/03(月) 07:23 [EDIT]
ウイグル人やチベット人、僧侶が平和を祈ってデモ行進 長野市
4/26(月)
在日のウイグルやチベット、内モンゴル、香港の人々らと宗派を超えた全国の僧侶たちが、平和と自由を祈って行進する「中国共産党による犠牲者追悼&ピースマーチ」が25日、長野市内で開かれた。
参加したのは、宗派を超えてチベットの平和を祈念し行動する僧侶・在家の会「スーパーサンガ」など11団体の約60人。
一行は、中国による弾圧で亡くなったすべての犠牲者を追悼する法要を善光寺本堂で行った後、2008年北京五輪の聖火リレー時の沿道を行進。「13年前、真っ赤な中国国旗が沿道を埋め尽くし、チベットの雪山獅子旗がぶつかって静かな仏都は騒然とした。あれから何も変わらない」「ウイグルや香港の人権弾圧は苛烈を極めている。平和への祈りをここから発信しよう」と呼びかけた。ほかの参加団体は以下の通り。スチューデンツ・フォー・ア・フリー・チベット(SFT)▽日本ウイグル協会▽南モンゴルクリルタイ▽世界モンゴル人連盟政治部▽在日チベット人コミュニティ▽スタンド・ウィズ・香港@ジャパン▽香港建国連盟▽中国民主陣線▽アジア自由民主連帯協議会▽平和を願い行動する僧侶の会。
4/26(月)
在日のウイグルやチベット、内モンゴル、香港の人々らと宗派を超えた全国の僧侶たちが、平和と自由を祈って行進する「中国共産党による犠牲者追悼&ピースマーチ」が25日、長野市内で開かれた。
参加したのは、宗派を超えてチベットの平和を祈念し行動する僧侶・在家の会「スーパーサンガ」など11団体の約60人。
一行は、中国による弾圧で亡くなったすべての犠牲者を追悼する法要を善光寺本堂で行った後、2008年北京五輪の聖火リレー時の沿道を行進。「13年前、真っ赤な中国国旗が沿道を埋め尽くし、チベットの雪山獅子旗がぶつかって静かな仏都は騒然とした。あれから何も変わらない」「ウイグルや香港の人権弾圧は苛烈を極めている。平和への祈りをここから発信しよう」と呼びかけた。ほかの参加団体は以下の通り。スチューデンツ・フォー・ア・フリー・チベット(SFT)▽日本ウイグル協会▽南モンゴルクリルタイ▽世界モンゴル人連盟政治部▽在日チベット人コミュニティ▽スタンド・ウィズ・香港@ジャパン▽香港建国連盟▽中国民主陣線▽アジア自由民主連帯協議会▽平和を願い行動する僧侶の会。
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