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白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2016/07/24(日)   CATEGORY: 未分類
「祈りの2400km」でトークします!
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 渋谷のイメージフォーラムで。チベットの巡礼をテーマにした映画「ラサへの歩き方 祈りの2400km」が封切られる(公式サイト)。

 この映画では、チベット仏教における最高の礼拝様式、「五体投地」による巡礼をテーマにしている。
 五体投地とは、合掌した手を頭上心臓の3カ所にあてたのち、体を地面になげだし、再び立ち上がり、体の長さだけすすんで、また同じことを繰り返す礼である。この礼拝の仕方では一回の礼拝で身長の長さしかすすまない。しかも、空気のうすいチベット高原でこの礼拝を行うのは平地で行う以上の重労働である。それでもチベット人は朝夕、お寺や仏塔のまわりをこの五体投地でまわり、ある場合にはこの五体投地礼で何百キロも先の聖地をめざmap.jpg
したりする。
 この映画は、東チベットのマルカムの村人が中央チベットのラサを拝み、その後さらに西のカイラスまで五体投地礼で2400kmを踏破する巡礼の旅をドキュメンタリータッチで描いている。

 村人が巡礼を思い立つ動機、巡礼の準備、集団巡礼の開始、野営、旅のトラブル、 88カ所巡礼の「お接待」を思わせる道中でのチベット人同志の助け合い、情報交換、など、実際に巡礼を行っている人々がとおりぬける様々な情景がうまくつなぎあわされており、それがチベットの雄大な自然を背景としているため映像人類学の記録を見ているようである。
 もちろん中国映画であるから、ラサのポタラ宮の前でチベット人たちが感動のあまり呆然としていても、そこがダライ・ラマの宮殿だからとかいう解説はつかないし、海外にみせるためか巡礼団の新生児が紙おむつていたりとか、微妙な部分もあるのだけど、全体としてはチベット人の視点からそしてチベット人の文脈で「巡礼」をとらえている。

 キリスト教のサンチアゴ巡礼であれ、カイラス巡礼であれ、徒歩の巡礼を行う人たちの体験は万国共通である。それはどんなにゆっくりとしたペースであっても目的地にむかって意思をもって毎日進めば、どんなに時間がかかろうともかならずめざす地にたどりつくということである。そしてかりに途中で死んだとしても、それは巡礼にでなかった人よりも百万倍も善い死に方とされている。

 なぜかといえば、そもそも我々の人生もこの巡礼のようなものだからだ。毎日行う少しずつの積み重ねが我々を良い方にも悪い方にも形作っていく。しかし、良い方に向かって進み出していれば、たとえそれが道半ばで終わったとしても、良い方向へ勢いのついた心のベクトルは必ず来世においてもよい方へいこうとする。
 巡礼とは少しずつでも自分を向上させていけば、あそこまではむりと思ったような遠いあこがれの目的地にも、いつかはつける自信をつけてくれる旅なのである。

「幸福とは、あなたの思考と言葉と行動の三つが調和している時。」マハートマ・ガンディー
Happiness is when what you think, what you say, and what you do are in harmony.
 
 で、突然、現実に引き戻して恐縮なのですが、映画のトークイベントにでます。8月3日の最終回(18:30〜) の上映終了後、チベット人視点からみた聖地としてのラサやカイラスについて語ります。もし映画にいってもいいよ、という方はぜひ8月3日の最終回トークのある日におこしください。

『ラサへの歩き方〜祈りの2400km』
◆7月23日〜、シアター・イメージフォーラムでの上映時間
 連日: 10:50 13:20 16:00 18:30


◆上映後トークイベント
7月26日(火)18:30の回 辻信一さん(文化人類学者・明治学院大学国際学部教授)
7月27日(水)18:30の回 ロディ・ギャツォさん(在日チベット人/『ラサへの歩き方〜』字幕監修協力)
7月30日(土)16:00の回 星泉さん(東京外語大学教授/『ラサへの歩き方〜』字幕監修)
7月31日(日)16:00の回 池谷薫さん(映画監督『ルンタ』)
8月3日(水)18:30の回 石濱裕美子さん(早稲田大学教授)
8月11日(木・祝)13:20の回 渡辺一枝さん(作家)
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● 烈女壮観!?
マサムネ | URL | 2016/08/01(月) 19:22 [EDIT]
巷では女性の神社神職就任について次のように話題になっている様子ですが、ことチベット方面では烈女の仏道成就の壮観ですね笑
「歴女」高じ女性神職 朝倉市杷木・日吉神社 中川瑞穂さん(28)西日本新聞7月21日
神社の神職は男性のイメージが強いが、実は7人に1人は女性。福岡県朝倉市杷木久喜宮にある日吉神社の中川瑞穂さん(28)もそうした女性神職だ。
 旧杷木町で生まれ育った。実家が神社だったわけではない。「歴史好きが高じて神職になったタイプ」と笑う。幼いころから「いなばの白うさぎ」や「ヤマタノオロチ」といった神話が好きで、中高生時代には平安時代の宮廷文化や「陰陽師(おんみょうじ)」の世界にも憧れた。
 神職に興味を持ったのは、高校2年の時。愛宕神社(福岡市西区)で初の女性神職が誕生したことを西日本新聞が報じ、「神話や歴史が好きな私に合うかも」と考えた。
 高校卒業後、京都にある神職養成所に入学。周りは男子学生が多く、ほとんどが社家(しゃけ)(神社の家系)出身者だった。
 寮に入り、2年間みっちりと神道を学んだ。雅楽や祭式といった実技のほか社務実習もあり「神職になる」という思いを強くした。
 しかし、卒業が近づくにつれ、現実を思い知る。男性中心で、世襲の多い世界。周りがどんどん奉職先を決める中、中川さんを神職として受け入れる神社はなかった。
 神社本庁によると、全国の神職に占める女性の割合は現在15%。徐々に増えてきてはいるが「神社によって考えや事情は異なり、一概に門戸が開かれたとは言い切れない」(担当者)という。
 そんな中、学校側も手を尽くしてくれて2008年、みこ職で太宰府天満宮(太宰府市)に奉職した。神に仕える者としての心構えや立ち居振る舞いを学び、充実した時間を過ごした。ただ、あくまでも神職の補助という立場。祝詞を上げることなどはできず「私も神職資格はあるのに」と悔しさを募らせたこともあった。結局、奉職先を見つけることができないまま7年が経過した。
 「これからどうしよう…」。相談に乗ってもらうために訪ねたのが、日吉神社の梶原明彦宮司(56)だった。地元の縁もあり、何度か神事を手伝ったこともある。神職への思いを伝えると、返ってきたのが「うちで神職をしてみたら」との誘い。みこを勤め上げた経験も買ってくれた。
 昨年4月、同神社の権禰宜(ごんねぎ)に。生活費を得るため、普段は病院の調理スタッフとして働きながら、月に数回、車の安全祈願や赤ちゃんの初宮参りなどの神事を執り行ったり、地域の祭りに携わったりしている。

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