「力は心の中にある」
FIFAワールドカップがスペインの勝利に終わった。
スペインのカルレス・プジョル選手が、チベット語の入れ墨をいれるくらいのチベット・サポーターだということで、チベット界ではスペインを応援した人が多かったと思う。
この選手は母親を亡くした喪失感の中でチベット仏教と出会い、立ち直れたんだそうな。私も母親が死んだあとの超無気力状態の中でチベット仏教と出会い、今のようなナイロンザイルのような精神を持つにいたるので、人ごととは思えない。
つらいことを避けて、傷つかないことばかりを考えて、ラクな方、ラクな方を選択してそこへ流れようとする人がいる。しかしそんなことしてもムダ。人生、自分で選択できることなんてほとんどない。まず国籍、性別、容姿、才能が生まれつきなことから始まって、さらに、人生の過程では容赦なく襲ってくる不幸もほとんど不可抗力。
若くして母親が死んだり、会社がつぶれたり、国が大借金せおって年金が減額されたり(笑)、とか。こういうことはオノレの望むと望まないとに関わらず、来る時はくる。不幸は避けようがないのである。法王だって国を滅ぼされているのである。
不幸や逆境が不可抗力ならば、それはもうじたばたせずに受け入れるしかない。しかしそこから先にできることはある。逆境につぶれて沈没するのではなく、それを利用してタフになるのである。タフになって得た未来の幸せは、自分で選択して得た幸せである。これは不幸を避けるための消極的な選択とは異なり、強く確かなものである。
そもそも母親が死ぬとなぜこんなに悲しいのであろうか。それは母親に愛されていたからである。いいことじゃないか。では、その恩ある母親に自分は何か返したものがあるだろうか。何も返していない。これに気づいた時点で、自分を哀れんで泣くのをやめた。
次にこう考える。これから自分が道を踏み外さず生きてけば、自分を育ててくれた母親の名を汚すことはない。そして、ちゃんと生きていれば身の丈にあった幸せはやってくる。そして子供が幸せになること、これはおそらくは亡き母が一番望んでいたことであろう。ここまで考えがいたると、夭折した母親の思い出は、子供の中でつらいものから、美しいものにかわるのである。
ちなみに、母親に愛されなかった人はどーするんだ、という人もいるかもしれない。そういう人は、母親が死んでもダメージ受けないから、ウツにならなくていいじゃん、と前向きに考えましょう。ウツはつらいよ~。
自分の親はダメ親だからいない方がまし。死ね、とかいう人もいるかもしれない。こういう場合もダメ親をもってしまった不幸を前向きに考えましょう。ダメ親は反面教師にすることができる。ダメ親を観察して、自分の中にあるそのダメ親に影響された部分を注意深くとりのぞくのである。こうすればダメ親も人格の向上に役立つ。
そしてさっさとダメ親から自立するのである。で長い時間がたって、上級コースに進む余裕がうまれてきたら、老いたダメ親の面倒でもみてやることである。その時しみじみと感じる「ああ、この親から自立するために自分ががんばったなあ。それで今の自分があるんだ」という気持ちは、過去のすべての思い出をいとおしいものに変えてくれる。災い転じて福となす。
世界の頂点にたって、スペインのプジョル選手は今、幸せだろう。彼の母親もカソリックの天国で喜んでいることだろう。
以下、そのニュースを翻訳しときます。
準決勝戦のスペインのヒーローは仏教が好きで2007年にダライ・ラマにも会っていた。(2010年7月10日ソース phayul)
Spain's semi final hero fascinated by Buddhism, met Dalai Lama in 2007
Phayul[Saturday, July 10, 2010 09:37]
[ダラムサラ7月10日]
ドイツとの準決勝戦でスペインのために特典を上げたカルロス・プジェルは、仏教に対して強い興味を持っている(バルセロナにあるチベットの家のトゥプテン・ワンチェン談)。
Dharamsala, July 10 - Barcelona and Spain defender Carles "Tarzan" Puyol who scored the only goal of the semi final against Germany to send his country into the first ever world cup final has a keen interest in Buddhism, according to his friend Ven. Thupten Wangchen of the Casa del Tibet, Barcelona.
トゥプテン・ワンチェンは「アメリカの声」で、プジョルのチベット文化と仏教に関する興味はソギャルリンポチェの本『チベット生と死の書』(はいここで日本語訳買えます 笑 同名の日本人の著書と間違えないでね)に始まったと説いた。この本によってプジョルは家族の死を乗り越えたのだという。プジョルは左手にこういうチベット語の入れ墨を入れている。
「力は心の中にある。強きものは持ちこたえることができる」
Ven Wangchen told VOA that Puyol's interest in Tibetan culture and Buddhism started after reading Sogyal Rinpoche’s book, The Tibetan Book of Living and Dying which helped him deal with death of a family member. Puyol, Ven. Wangchen said, has a Tibetan tattoo on his left arm which reads “Power is inside the Mind. The strong can endure.”
プジョルはチベットの指導者の崇拝者でもある。彼は2007年にバルセロナでダライ・ラマ法王と出会った。ワンチェンによると、プジョルは将来チベットのナショナル・サッカー・チームを手助けしたい、と表明していたという。
Puyol, also an admirer of the Tibetan leader has met His Holiness the Dalai Lama during the latter's visit to Barcelona in 2007. Ven. Wangchen said Puyol has also expressed his interest in helping the Tibetan national football team in the future.
プジョルは2000年11月にシニアのナショナル・チームでデビューし、その直後にシドニーオリンピックで銀メダルをとったチームでプレイした。その時から、彼の名前はスペインのナショナルチームのリストを常時飾っている。ワールドカップにも二回参加し、UEFA欧州選手権にも二回出場している。プジョルの攻撃的なディフェンドは2008年の欧州選手権においてスペインのチーム、ラ・ロサ(La Roja)に待望の勝利をもたらした。
Puyol made his senior national-team debut in November 2000, shortly after playing his part in the Olympic squad which picked up silver at the Games in Sydney. Since then his name has been a constant in the Spain squad list, including appearances at two FIFA World Cups and two UEFA EUROs. Indeed, Puyol's tigerish defending was another key factor in La Roja's long-awaited success at the Euro 2008.
スペインのカルレス・プジョル選手が、チベット語の入れ墨をいれるくらいのチベット・サポーターだということで、チベット界ではスペインを応援した人が多かったと思う。
この選手は母親を亡くした喪失感の中でチベット仏教と出会い、立ち直れたんだそうな。私も母親が死んだあとの超無気力状態の中でチベット仏教と出会い、今のようなナイロンザイルのような精神を持つにいたるので、人ごととは思えない。
つらいことを避けて、傷つかないことばかりを考えて、ラクな方、ラクな方を選択してそこへ流れようとする人がいる。しかしそんなことしてもムダ。人生、自分で選択できることなんてほとんどない。まず国籍、性別、容姿、才能が生まれつきなことから始まって、さらに、人生の過程では容赦なく襲ってくる不幸もほとんど不可抗力。
若くして母親が死んだり、会社がつぶれたり、国が大借金せおって年金が減額されたり(笑)、とか。こういうことはオノレの望むと望まないとに関わらず、来る時はくる。不幸は避けようがないのである。法王だって国を滅ぼされているのである。
不幸や逆境が不可抗力ならば、それはもうじたばたせずに受け入れるしかない。しかしそこから先にできることはある。逆境につぶれて沈没するのではなく、それを利用してタフになるのである。タフになって得た未来の幸せは、自分で選択して得た幸せである。これは不幸を避けるための消極的な選択とは異なり、強く確かなものである。
そもそも母親が死ぬとなぜこんなに悲しいのであろうか。それは母親に愛されていたからである。いいことじゃないか。では、その恩ある母親に自分は何か返したものがあるだろうか。何も返していない。これに気づいた時点で、自分を哀れんで泣くのをやめた。
次にこう考える。これから自分が道を踏み外さず生きてけば、自分を育ててくれた母親の名を汚すことはない。そして、ちゃんと生きていれば身の丈にあった幸せはやってくる。そして子供が幸せになること、これはおそらくは亡き母が一番望んでいたことであろう。ここまで考えがいたると、夭折した母親の思い出は、子供の中でつらいものから、美しいものにかわるのである。
ちなみに、母親に愛されなかった人はどーするんだ、という人もいるかもしれない。そういう人は、母親が死んでもダメージ受けないから、ウツにならなくていいじゃん、と前向きに考えましょう。ウツはつらいよ~。
自分の親はダメ親だからいない方がまし。死ね、とかいう人もいるかもしれない。こういう場合もダメ親をもってしまった不幸を前向きに考えましょう。ダメ親は反面教師にすることができる。ダメ親を観察して、自分の中にあるそのダメ親に影響された部分を注意深くとりのぞくのである。こうすればダメ親も人格の向上に役立つ。
そしてさっさとダメ親から自立するのである。で長い時間がたって、上級コースに進む余裕がうまれてきたら、老いたダメ親の面倒でもみてやることである。その時しみじみと感じる「ああ、この親から自立するために自分ががんばったなあ。それで今の自分があるんだ」という気持ちは、過去のすべての思い出をいとおしいものに変えてくれる。災い転じて福となす。
世界の頂点にたって、スペインのプジョル選手は今、幸せだろう。彼の母親もカソリックの天国で喜んでいることだろう。
以下、そのニュースを翻訳しときます。
準決勝戦のスペインのヒーローは仏教が好きで2007年にダライ・ラマにも会っていた。(2010年7月10日ソース phayul)
Spain's semi final hero fascinated by Buddhism, met Dalai Lama in 2007
Phayul[Saturday, July 10, 2010 09:37]
[ダラムサラ7月10日]
ドイツとの準決勝戦でスペインのために特典を上げたカルロス・プジェルは、仏教に対して強い興味を持っている(バルセロナにあるチベットの家のトゥプテン・ワンチェン談)。
Dharamsala, July 10 - Barcelona and Spain defender Carles "Tarzan" Puyol who scored the only goal of the semi final against Germany to send his country into the first ever world cup final has a keen interest in Buddhism, according to his friend Ven. Thupten Wangchen of the Casa del Tibet, Barcelona.
トゥプテン・ワンチェンは「アメリカの声」で、プジョルのチベット文化と仏教に関する興味はソギャルリンポチェの本『チベット生と死の書』(はいここで日本語訳買えます 笑 同名の日本人の著書と間違えないでね)に始まったと説いた。この本によってプジョルは家族の死を乗り越えたのだという。プジョルは左手にこういうチベット語の入れ墨を入れている。
「力は心の中にある。強きものは持ちこたえることができる」
Ven Wangchen told VOA that Puyol's interest in Tibetan culture and Buddhism started after reading Sogyal Rinpoche’s book, The Tibetan Book of Living and Dying which helped him deal with death of a family member. Puyol, Ven. Wangchen said, has a Tibetan tattoo on his left arm which reads “Power is inside the Mind. The strong can endure.”
プジョルはチベットの指導者の崇拝者でもある。彼は2007年にバルセロナでダライ・ラマ法王と出会った。ワンチェンによると、プジョルは将来チベットのナショナル・サッカー・チームを手助けしたい、と表明していたという。
Puyol, also an admirer of the Tibetan leader has met His Holiness the Dalai Lama during the latter's visit to Barcelona in 2007. Ven. Wangchen said Puyol has also expressed his interest in helping the Tibetan national football team in the future.
プジョルは2000年11月にシニアのナショナル・チームでデビューし、その直後にシドニーオリンピックで銀メダルをとったチームでプレイした。その時から、彼の名前はスペインのナショナルチームのリストを常時飾っている。ワールドカップにも二回参加し、UEFA欧州選手権にも二回出場している。プジョルの攻撃的なディフェンドは2008年の欧州選手権においてスペインのチーム、ラ・ロサ(La Roja)に待望の勝利をもたらした。
Puyol made his senior national-team debut in November 2000, shortly after playing his part in the Olympic squad which picked up silver at the Games in Sydney. Since then his name has been a constant in the Spain squad list, including appearances at two FIFA World Cups and two UEFA EUROs. Indeed, Puyol's tigerish defending was another key factor in La Roja's long-awaited success at the Euro 2008.
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