何でボク名前聞かれたんですか
世界規模の学力調査でまたまた日本の順位がさがった。
韓国・台湾などはのきなみ上位にくいこんでいるのに、日本だけ番外。
もちろんかつて日本人はこの手の学力テストはのきなみ上位にはいっていた。
だから、あーあ、な状況なのである。
問題文の中に「その根拠をあげよ」とか「その理由をあげよ」とか文章をかかなければいけなくなるものがあると、今の子供はこれを空欄にするのだという。
たぶん書くのが面倒くさいのである。
大学で定期試験をやっても、学力のふるわない学生は、選択問題とか、内容を一語で表せとかいう、いっぱつ問題は一応なんらかは書くが、文章題はみな空欄だから。
また、理科とか観念的な思考を構造的につみあげる学問に対する興味が圧倒的に低いのも今の子供の特徴らしい。
つまり、いまや子供たちのノーミソからは観念的な思考を行う能力がどんどん退化して、身の回りの具体的な事象しか理解できなくなっているということ。
それは大学生みていてもよくわかる。
どことはいわないが某大学の卒論のテーマは(わたくしのゼミではござませんことよ、おほほほ)、ファッションとか、CGとか、結婚式、ケーキ、漫画とか、サッカーとか、もうおのれらどんだけ即物的なんだ、というような内容のテーマがめじろおしだそう。
こんな身の回りにある極私的なことを学生生活の総括である卒論のテーマに選ぶその知的センスには、とにかくあきれはてるしかない。
それでもいま目の前にいる大学生はいい。いずれこの学力試験で開闢以来の低点数をはじきだしたグループが大学にはいってきたならば、キャンパスはどーなるんであろう。
おとろしい。
「イミわかんね」「何いってんの」とか自己の知的欠陥を棚に上げ、教授内容への否をつきつけてくる学生の声が今からきこえてくるのは気のせいか。
今だって、歴史とか哲学とかいう伝統的な学問は、学生に敬遠されて恐ろしい勢いで衰退しているのに、この世代の入学によってとどめの一撃がくるのは必定。
アカデミックな学問の崩壊である。
そして、もっとおとろしいのはこの「噛んで砕いてどろどろにして、口うつしじゃないとたべられない」世代の子供たちが、社会にでた時である。
多くの会社で新入社員の教育担当となった人々が、この子たちをまえに鬱状態に突入して、現場が崩壊して社会がまわらなくなるのは必定。
私のゼミ生がバイト先で、高校生の面接したり、教育したりしているのだが、「お金をもらって仕事をするというプロ意識がない。」といっていたが、大学生をしてこういわしめる高校生って何なんだろう?
このまえ、大教室で授業をやっていたら、時間も半分以上過ぎたところで、背の高い男子学生が足音高く、入場してきた。目はとろんとして、意識はまったく授業以外のところにむいている。
彼はなんと教卓の前のバージンロードをあるき、私の目の前前から四列目の真ん前にすわった。それでおちつくならまだいい。
荷物をおいたら、また席をたって、バージンロードを歩いて教室の外にでていってしまった。
しばらくすると、TAが出席をとりにきた。すると、さっき席を外していた件の男子学生はもどってきて、悪びれるふうもなくTAから出席カードをもらい、後ろの方でプリントをさがしはじめた。そのへんの学生と私語もしている。
ここにきてさすがのわたくしも愛想銀行の預金がつきた。
ワタクシがブーと思ったのは以下の点。
1.大遅刻なのに全く悪びれず、足音高くあるき、教室の中心部にすわり、
2.大遅刻なのに、当然のように出席カードをとりにいき
3.大遅刻なのに、荷物をおいてトイレにいきなおし
4.大遅刻なのに、たったまま私語し
ひとことでいえば、傍若無人。
遅刻でも腰をおとしてはいってきて、すみっこにすわって静かにしているならまだわかる。彼はそうではなかった。
なまみの人がしゃべって、それを聞いている人が多数いる空間にはいってくる配慮が、彼の側にはまったくなかった。
わたしの扱いは三番館で上映中の映画のスクリーンなみ。
この男子学生、おそらくは自分の感覚のみで生きており、客観的に自分をみてただす能力が著しく低いのだろう。
その場で、男子学生の名前を静かに問いただし×をつけたことは言うまでもない。
しかしである。この学生、授業が終わったあと。
「あの、僕どうして名前聞かれたんですか」
今ですらこうなのに、これから先どうなるやら。
韓国・台湾などはのきなみ上位にくいこんでいるのに、日本だけ番外。
もちろんかつて日本人はこの手の学力テストはのきなみ上位にはいっていた。
だから、あーあ、な状況なのである。
問題文の中に「その根拠をあげよ」とか「その理由をあげよ」とか文章をかかなければいけなくなるものがあると、今の子供はこれを空欄にするのだという。
たぶん書くのが面倒くさいのである。
大学で定期試験をやっても、学力のふるわない学生は、選択問題とか、内容を一語で表せとかいう、いっぱつ問題は一応なんらかは書くが、文章題はみな空欄だから。
また、理科とか観念的な思考を構造的につみあげる学問に対する興味が圧倒的に低いのも今の子供の特徴らしい。
つまり、いまや子供たちのノーミソからは観念的な思考を行う能力がどんどん退化して、身の回りの具体的な事象しか理解できなくなっているということ。
それは大学生みていてもよくわかる。
どことはいわないが某大学の卒論のテーマは(わたくしのゼミではござませんことよ、おほほほ)、ファッションとか、CGとか、結婚式、ケーキ、漫画とか、サッカーとか、もうおのれらどんだけ即物的なんだ、というような内容のテーマがめじろおしだそう。
こんな身の回りにある極私的なことを学生生活の総括である卒論のテーマに選ぶその知的センスには、とにかくあきれはてるしかない。
それでもいま目の前にいる大学生はいい。いずれこの学力試験で開闢以来の低点数をはじきだしたグループが大学にはいってきたならば、キャンパスはどーなるんであろう。
おとろしい。
「イミわかんね」「何いってんの」とか自己の知的欠陥を棚に上げ、教授内容への否をつきつけてくる学生の声が今からきこえてくるのは気のせいか。
今だって、歴史とか哲学とかいう伝統的な学問は、学生に敬遠されて恐ろしい勢いで衰退しているのに、この世代の入学によってとどめの一撃がくるのは必定。
アカデミックな学問の崩壊である。
そして、もっとおとろしいのはこの「噛んで砕いてどろどろにして、口うつしじゃないとたべられない」世代の子供たちが、社会にでた時である。
多くの会社で新入社員の教育担当となった人々が、この子たちをまえに鬱状態に突入して、現場が崩壊して社会がまわらなくなるのは必定。
私のゼミ生がバイト先で、高校生の面接したり、教育したりしているのだが、「お金をもらって仕事をするというプロ意識がない。」といっていたが、大学生をしてこういわしめる高校生って何なんだろう?
このまえ、大教室で授業をやっていたら、時間も半分以上過ぎたところで、背の高い男子学生が足音高く、入場してきた。目はとろんとして、意識はまったく授業以外のところにむいている。
彼はなんと教卓の前のバージンロードをあるき、私の目の前前から四列目の真ん前にすわった。それでおちつくならまだいい。
荷物をおいたら、また席をたって、バージンロードを歩いて教室の外にでていってしまった。
しばらくすると、TAが出席をとりにきた。すると、さっき席を外していた件の男子学生はもどってきて、悪びれるふうもなくTAから出席カードをもらい、後ろの方でプリントをさがしはじめた。そのへんの学生と私語もしている。
ここにきてさすがのわたくしも愛想銀行の預金がつきた。
ワタクシがブーと思ったのは以下の点。
1.大遅刻なのに全く悪びれず、足音高くあるき、教室の中心部にすわり、
2.大遅刻なのに、当然のように出席カードをとりにいき
3.大遅刻なのに、荷物をおいてトイレにいきなおし
4.大遅刻なのに、たったまま私語し
ひとことでいえば、傍若無人。
遅刻でも腰をおとしてはいってきて、すみっこにすわって静かにしているならまだわかる。彼はそうではなかった。
なまみの人がしゃべって、それを聞いている人が多数いる空間にはいってくる配慮が、彼の側にはまったくなかった。
わたしの扱いは三番館で上映中の映画のスクリーンなみ。
この男子学生、おそらくは自分の感覚のみで生きており、客観的に自分をみてただす能力が著しく低いのだろう。
その場で、男子学生の名前を静かに問いただし×をつけたことは言うまでもない。
しかしである。この学生、授業が終わったあと。
「あの、僕どうして名前聞かれたんですか」
今ですらこうなのに、これから先どうなるやら。
COMMENT
● 一体どこに?
鳴子屋 | URL | 2007/12/05(水) 00:43 [EDIT]
鳴子屋 | URL | 2007/12/05(水) 00:43 [EDIT]
日本の一般家庭の教育費の割合が、他国に比べて鬼高いのにもかかわらずなんともはや。
日本のお父さんお母さんの稼いだ教育費は一体何に消費されているのか、不思議です。子供も塾とか忙しそうですが。
日本のお父さんお母さんの稼いだ教育費は一体何に消費されているのか、不思議です。子供も塾とか忙しそうですが。
というのは本末転倒というべきか、
大学生活をなんだと思っているんでしょう。
経歴を増やすため?遊び仲間を作るため?
私はキャンパスライフを送れなかったので、なおさら
そういう学生さんが不愉快です。
先生、毅然とした態度でやっつけちゃってください。
大学生活をなんだと思っているんでしょう。
経歴を増やすため?遊び仲間を作るため?
私はキャンパスライフを送れなかったので、なおさら
そういう学生さんが不愉快です。
先生、毅然とした態度でやっつけちゃってください。
>鳴子屋さん
そうそう、わたしもまずそれを考えました。親御さんが大変だなあと。七年八年と大学にいる学生もおり、こうなるともう可愛そうで可愛そうで。
>モモさん
そうおこらないで。モモさんが怒らなくても世界中で満足にごはんもたべられず、教育もうけられない子どもたちがいるんですから。
そうそう、わたしもまずそれを考えました。親御さんが大変だなあと。七年八年と大学にいる学生もおり、こうなるともう可愛そうで可愛そうで。
>モモさん
そうおこらないで。モモさんが怒らなくても世界中で満足にごはんもたべられず、教育もうけられない子どもたちがいるんですから。
ACのCMにあったとおり、給食を食べるために学校に来る
といった、教育現場としては涙ぐましいことを活動している
団体に、月に一度、500円ですが<うちの収入のギリギリです
寄付させていただいています。
すべての子供達にせめて自分の置かれている国の現状と
言論・学習の自由を与えてあげたい、その一心です。
ドラえもん募金にも寄付させていただきました。
学問に壁はない、もっと学習目的に自由を!が
私のモットーです。
学習する自由権と言うものを学生はもっと理解すべきだと思います。
といった、教育現場としては涙ぐましいことを活動している
団体に、月に一度、500円ですが<うちの収入のギリギリです
寄付させていただいています。
すべての子供達にせめて自分の置かれている国の現状と
言論・学習の自由を与えてあげたい、その一心です。
ドラえもん募金にも寄付させていただきました。
学問に壁はない、もっと学習目的に自由を!が
私のモットーです。
学習する自由権と言うものを学生はもっと理解すべきだと思います。
●
福田洋一 | URL | 2007/12/05(水) 17:07 [EDIT]
福田洋一 | URL | 2007/12/05(水) 17:07 [EDIT]
ご両親からいただいた授業料は、われわれ大学教員の学問、教育、生活を支えています。どこかに消えるわけではないし、税金よりは建設的ではないかと思います。
問題は学生がその教育費に見合った勉強をしない点にあります。お金を払っても、商品はいらないよ、欲しくないよと、店に置いてきてしまうような人たちです。しかも、それがどんなにばかばかしいことか、気づいてもいないのです。
問題は学生がその教育費に見合った勉強をしない点にあります。お金を払っても、商品はいらないよ、欲しくないよと、店に置いてきてしまうような人たちです。しかも、それがどんなにばかばかしいことか、気づいてもいないのです。
●
イシハマ | URL | 2007/12/05(水) 19:25 [EDIT]
イシハマ | URL | 2007/12/05(水) 19:25 [EDIT]
>福田洋一さん
学問を商品にたとえるのはなんか抵抗がある、やはり学問はプライスレス。その貴重なものに接する機会をスルーするのは、お金はらって商品をおいていくなんて低レベルの話ではない。
学問を商品にたとえるのはなんか抵抗がある、やはり学問はプライスレス。その貴重なものに接する機会をスルーするのは、お金はらって商品をおいていくなんて低レベルの話ではない。
●
じゃしらも | URL | 2007/12/06(木) 11:21 [EDIT]
じゃしらも | URL | 2007/12/06(木) 11:21 [EDIT]
数年前、母校に半年間聴講に行ったことがあります。
聴講生なので、うしろの方に座るべきかなと思い、一番うしろに座ったら授業が全く聞こえなくてびっくりしました。その授業は200人ぐらい学生がいたのですが、休み時間かと思うほど、みんな自由にふるまっていました。私が学生だった頃(10年前)はこんな光景見たことがありません。昔は寝る学生がいたとしても、騒いだり、食べたりする学生なんていませんでした。
授業は私にとってはたまらなくおもしろい考古学の授業で、大和朝廷の権力がどのように広がって行ったのかを古墳の中の銅鏡で見る!というものだったのですが、ほとんど誰も聞いていませんでした。翌週から一番前の席で聞くようにしたら、どうやら前に座っている10人ほどは意欲的なようでした。教授は何も注意されません。そのわけを聞いたら、「今は半年に一度学生の査定があるんだよ。」とのこと。学生が教授の授業を査定して、それで給料や進退が決まるそうです。なんてこと!今は学生を怒らない、試験前に答えを教えてくれる先生が査定がいいそうです…。そして教授がまた一言。「僕も研究、続けたいからね…」この話を聞いて、世も末だと思いました…。
唯一の救いは毎週きらきらした目で授業に参加していた一人の学生。その学生は4年生で「卒業したら、教授の授業が受けられなくなるのが、残念です…。ですから、今しっかり聞いておきます!一旦は就職しますが、お金をためて大学院に行って、教授のもとで研究したいんです!」と言っていました。少ないですが、こんな学生もいるんですね。
聴講生なので、うしろの方に座るべきかなと思い、一番うしろに座ったら授業が全く聞こえなくてびっくりしました。その授業は200人ぐらい学生がいたのですが、休み時間かと思うほど、みんな自由にふるまっていました。私が学生だった頃(10年前)はこんな光景見たことがありません。昔は寝る学生がいたとしても、騒いだり、食べたりする学生なんていませんでした。
授業は私にとってはたまらなくおもしろい考古学の授業で、大和朝廷の権力がどのように広がって行ったのかを古墳の中の銅鏡で見る!というものだったのですが、ほとんど誰も聞いていませんでした。翌週から一番前の席で聞くようにしたら、どうやら前に座っている10人ほどは意欲的なようでした。教授は何も注意されません。そのわけを聞いたら、「今は半年に一度学生の査定があるんだよ。」とのこと。学生が教授の授業を査定して、それで給料や進退が決まるそうです。なんてこと!今は学生を怒らない、試験前に答えを教えてくれる先生が査定がいいそうです…。そして教授がまた一言。「僕も研究、続けたいからね…」この話を聞いて、世も末だと思いました…。
唯一の救いは毎週きらきらした目で授業に参加していた一人の学生。その学生は4年生で「卒業したら、教授の授業が受けられなくなるのが、残念です…。ですから、今しっかり聞いておきます!一旦は就職しますが、お金をためて大学院に行って、教授のもとで研究したいんです!」と言っていました。少ないですが、こんな学生もいるんですね。
● 言葉が足りませんでした。
鳴子屋 | URL | 2007/12/06(木) 14:12 [EDIT]
鳴子屋 | URL | 2007/12/06(木) 14:12 [EDIT]
こんにちは、鳴子屋です。
その、言葉が足りませんでした。私が不思議だなと思ったのは、教育費と子供たちの知識欲が比例していないことに対してでして。どうして子供たちに意欲がないのか、即物的な思考なのか、考えています。
その、言葉が足りませんでした。私が不思議だなと思ったのは、教育費と子供たちの知識欲が比例していないことに対してでして。どうして子供たちに意欲がないのか、即物的な思考なのか、考えています。
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