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白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2011/10/19(水)   CATEGORY: 未分類
増え続ける焼身自殺者
 チベットで中国政府に対するチベット人の抗議の焼身自殺が、三月から始まってついに10人に達し、サイアクなフェーズを迎えている。

 ほとんどの死者がみな「チベットに自由を!」「ダライラマ法王のチベットへの帰還を!」と叫んでから、自らの身に火を放っている。初期のうちはその死を確認できたが、最近の自殺者は、燃えている内から公安に殴り倒され、いずこかに連れ去られるため、生死も不明である。甘ちゃんの日本人は公安がチベット人に手厚い介護をするために連れ去っている? なんて考えるだろうが、百パー違うな。

 共産党は、遺体をチベット人に返すと、その葬儀が抗議の場に変わることを恐れているんだよ。社会主義中国が人をどうあつかっているのかこの一事を見てもよく分かる。

 世界中のチベット・サポーターはこの悲しい自殺の連鎖を胸のつぶれるような思いで見ている。ダライラマは仏教徒としてずっと非暴力での闘争をチベット人に呼びかけてきた。チベット人はたとえ侵略者であろうと、自らの文化をさげすみ自らが尊敬する人を悪魔とよぶ人たちであろうとも、それを憎むな、哀れめ、と教えられてきたのである。

 しかし、今の中国においてはデモの自由はおろか、チベット人が自らの文化を護る最低の自由もない。だから、彼らは抗議の意志を自殺によって示すのだ。それ以外の方法がないのだ。

 2008年のオリンピックの年の蜂起を契機に、中国政府のチベットに対する弾圧はまた一段とひどくなっている。武装警察はラサにテントはって居座り続け、狂ったような愛国教育は相変わらず、最近はインドから本土チベットに電話をかけると、「今日は天気が悪いから電話をきる(盗聴されているから電話かけてくるな)」といわれるくらい、サイアクな状況。

 日本では反韓流デモ、反原発デモ、反格差デモのシンパが、警察に弾圧された、マスコミが無関心だといって大騒ぎしているが、デモの自由のある国で何千人集まったからといって、ルールを破った人が捕まったからといって、ニュースバリューがあるともおもえない。エジプトやチュニジアのデモが大きく報道されたのは、あそこでデモやるのは命がけで、それでも人が集まったからである。

 むしろ、日本のメディアがチベット人の命をかけた抗議の自殺の連鎖に無関心である方がよほど見識が問われている。

 自由や平等や格差の是正を社会に要求する人は、それを得ることを生来の普遍的な権利であるとどこかで思っている。

 であるならば、その「生来の権利」が極限までおかされている人たちに対して無関心でいられないはずである。もしそのような人に無関心であるならば、結局はその人の叫びは自分か、自分の延長にあるものために行われているもので、エゴの発露ということになり、社会を動かす力たり得ない。

 焼身自殺をしたチベット人は「命をかけて」どころか「命を捨てて」抗議をしている。誰もまきぞいにしていない。そして誰もののしっていない。ただ、自由を叫んで死んでいる。そこにはエゴの曇りは微塵もない。ただ悲しいだけである。

 亡命チベット社会の内閣(Kashag)が、この悲しい自殺者のために、十月十九日水曜日に世界中のチベット人に法要を行うことを議決した。水曜日はチベット人が「白い水曜日」といって特に、宗教的な善業を積む曜日であるためこの曜日に決まった。日本でも新宿の常圓寺において、自殺者の法要が行われた。

 会場には死者の名前が張り出されていて、その内十人目は手書きで書き加えられており、まだ19才の女子学生であった。※と書いたら、ダラムサラのNさんが、この最後の女子学生については亡命政府の発表がないので、ペンディングにした方がいいとのことです。

自殺11

2011年 チベットのために命を捧げた僧侶(2011 Tibetan Martyrs)

三月十六日 ロサンプクツォク 21才
八月十五日 ツェワンノルブ 29才
九月二十六日 ロプサンクンチョク 18-19才
       ロプサンケルサン 18-19才
十月三日 ケサンワンチュク 17才
十月七日 チョペル 19才
     カヤング 18才
十月十五日 ノルブダムドゥル 19才
十月十六日 ルンドゥプ・ツォ 19才 (女子学生)
十月十七日 テンジンワンモ 20才 (尼僧)


 彼らのほとんどは僧侶である。ダライラマの教えに忠実に則って非暴力で戦うことにした結論が、自殺だったのだ。

 まず、開会 法王事務所代表のラクパさんが2008年以来の中国のチベットに対する非道について詳しく述べ、自殺者についての説明がある。

 次にスーパーサンガの小林秀英師が、ベトナム戦争の時にベトナム人僧侶ティック・クアン・ドック師が南ベトナム政府の仏教弾圧に抗議して、その政府の後ろ盾であるアメリカ大使館前で抗議の焼身自殺をした時の話を引いた。このニュースは日本のテレビに流れ、世界中に反戦運動を巻き起こしたが、どうしてマスコミはチベット僧の焼身自殺を伝えないのか、日本のマスコミは病んでいる、という旨の話しをする。

 たしかに、日本のマスコミはアメリカの一挙手一投足にはビンカンに騒ぐのに、中国の文革の狂気とか、チベット人の殺戮や文化の圧殺とかには「知りませんでした」とそれが完了するまで優しく見守り、さらにはアメリカの軍備には事細かにケチつけるのに、中国の核にも軍拡にも放射能汚染にも大変に寛容でいらっしゃる。
法要11

 で、それから三帰・開経偈・般若心経(二回)・21尊ターラー経・パドマサンバヴァの七句祈願・グルリンポチェ御真言・回向・観音賛歌・観音真言・回向・ダライラマ14世長寿祈願文(短いの)・回向・真実の祈り(ダライラマ14世が亡命直後に作った血を吐くようなチベットを助けて下さいという祈り)・ダライラマ14世長寿祈願文(長いの)・で、これを中休み挟んでもう一度やって、最後漢語の般若心経を五回唱えて終わり。

 私は毎朝の勤行もあるので、今日はターラー経を記録的な回数唱えた。それにしてもこの経典、チベット語の綴りがずいぶん間違っている。みんなカタカナよんでるからいいのか。

 この水曜日の法要は、メインはダラムサラのツクラクカンで行われるもので、ダライラマ14世、カルマパ17世をはじめとする高僧達が参加して、断食もしている。

 多くの人々が気づいているように、ここまでひどい弾圧を受けても、弾圧者のために祈るチベットの文化は、人類の知的営為の中でもとりわけ洗練された上質の、護られるべきものである。

 今や、ほとんどすべての人が「社会のため」「人類のため」と言いつつも、その実、自分、自分の家族、自分の会社、宗教、自分の国、自分、自分、自分、のためのみに生きている。その結果、地球温暖化も原発も何も解決しない。

 しかし、今「自らを灯明と化した」チベット人たちは純粋に、エゴやナショナリズムを越えた地点から、われわれに訴えかけてきている。「我々の文化が滅びようとしている。あなたたちに本当に関係のないことですか」と。
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