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白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2010/04/23(金)   CATEGORY: 未分類
時の試練を越えるもの
 近くのジャスコに行ったら、青海省大地震募金の箱がおいてあった。その募金の行き先は駐日中国大使館。つまり、中国政府。
ちなみに、一昨年のアバ大地震(通称四川大地震)の際、世界中から集まった募金は、80パーセントは中国政府の懐に入ったそうで、果たしてどれだけが現地の本当に困っている人に届いたのか疑問視されているそうな。

2009/08/20 中日新聞朝刊【北京=朝田憲祐】
中国各紙によると、昨年5月の中国・四川大地震で寄せられた義援金767億元(約1兆600億円)の約80%が政府の収入になっていたことが、清華大学 NGO研究所の調べで分かった。市民からは「被災地復興に本当に使われたのか、使途が不透明だ」と疑問の声が上がっている。

同研究所の調査によると、各地の政府に寄せられた義援金はそのまま政府の“臨時収入”になったほか、中国赤十字や中国慈善会などに集まった寄付金の大部 分も政府に流れたという。

地震発生直後には300以上のボランティア団体が支援活動を行った。いずれも資金不足に苦しんだというが、中国民政省幹部は「社会的信用の低いNGO組 織には義援金を任せなられない」と、政府予算に義援金を組み込んだことの正当性を強調する。

一方で、同研究所のトウ国勝助教授は、中国紙の取材に「政府が義援金を使った場合、効率が悪く、効果も少ない。それは市民の要望に耳を貸そうとしないか らだ」と批判。中国慈善基金会幹部は「政府の金の使い方をチェックできないことが最大の問題だ」と指摘する。


こういうのを見ると、何割現地につくかわからない寄付よりも、伝統に則ってインドの再建チベット僧院にお布施した方が、チベット文化の維持に貢献するし、自分の後世もよくなるような気がする。ただし、このことは寄付をするのが悪いことであることを意味しない。かりに現地にけっして届かないお金であっても、純粋な心でその募金箱にお金を投じた人の行いが貴いことに変わりない。途中でそれをくすねる人々が悪業を積んで、無間地獄に堕ちるだけ。

さて、突然ですが、佼正出版から『アジア仏教史』の新版、『新アジア仏教史』(全15巻)がでます。チベット仏教の歴史はこの中の九巻ですが、第一巻目のインド仏教史とともに、今回新しくでることとなりました。ちなみに、それ以外の巻は随時発刊していくそうな。

まだアマゾンとかでは買えませんが出版社のサイトでは買えます。ダンナのブログにも紹介記事(目次の詳細と序文)があります。

『須弥山の仏教世界』
各章タイトル 及び 執筆者
古代王朝 岩尾一史
後伝仏教の諸相が 石濱裕美子と松川節
宗派概説 福田洋一・伏見英俊
チベット仏教の現在 小野田俊蔵
チベットの美術 森雅秀
現代チベット仏教の諸相 野村正次郎・平岡宏一・三宅伸一郎
ダライ・ラマ十四世 石濱裕美子(笑)

 ちなみに、私のスタンスをここで明らかにしておきましょう。
 わたくしは変わらないものブレないもの、長いときをもってしても淘汰されない、普遍的なものに敬意を表するものである。六十年前、中国軍がチベットを占領した時、「チベットはもう終わった」と言われ、ダライ・ラマは「封建領主」レッテルを貼られてさげすまれた。今でもなお、そのようにいう人はいる。

 しかし「終わった」「終わった」と言われつつも、また、何もかも失っても、その伝統を維持しつづけている、それを可能としているチベット仏教の驚異の伝統に敬意を表したい。「お前はもう古い」と叫びたてるのは簡単。そういえば、その人は自分が先端にいると自信がもてるのだろう。

 しかし歴史はこう我々に教えてくれる、伝統も過去も切り捨てたところから生まれてくるものはロクなもんでないことを。
 
 
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