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白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2009/11/26(木)   CATEGORY: 未分類
支援プロジェクトはかくありたい

長野のフリチベさんから、フリチベ・リンゴを頂戴しました! 写真を拡大してみてください。白雪姫を騙るブロガーのもとにリンゴとは、ブラック・ジョークですね。
  お気遣い、ありがとうございました。

 ちなみに、通りすがりのうちのるりがうつっておりますが、るりも奇しくも埼玉のフリーチベットさんから譲って戴いた猫ちゃんです。
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 チベタン・チルドレンズ・プロジェクト(TCP)のIさんのお話を伺う機会があった(この組織については過去のエントリーも見てね→ここクリック)。TCPは公的な支援の輪からおっこちたチベット人の子供や若者を支援するために、ネパールの首都カトマンドゥにできた支援組織である。
 
 いやIさんのお話には目からウロコが落ちた。

 IさんはTCPを立ち上げる際に、それまでにかかわってきた様々な支援の場において「嫌だ」と思っていたことを避けるようにして、TCPのプロジェクトの絵を描いたという。
 
 Iさんがそれまでに「支援」の場で感じていた疑問とは

(1)悲惨さを売りにしてお金を集めること。
(2)経営にビジネス的視点がないこと。
(3)その結果破綻しても、ボランティアだからと誰も責任を取らないこと。

 社会運動はボランティアの力によってまわっている。ボランティアの中にはもちろん志の高い立派な方もいるであろうが、ダメダメな人もいる。入社試験や面接をへて選ばれた人によって作られる一般社会の組織に比べれば、人を選ばずボランティアによって構成される支援組織が、Iさんが指摘するようなグダグダなものになる確率は高いであろう。

 Iさんはかつて大手建設会社にお勤めであった。その頃200億円のホテルの設計とかに携わっていたが、一級建築士のIさんは現場のあらゆる状況を把握し、電話帳のように厚い見積書のすみずみまでを記憶していた。夜中に気がかりなことを思い出して飛び起きることもあったという。しかしIさんは、200億ものプロジェクトに関わっているのだから、それは当然なことだという。

 Iさん曰く、顧客が自分たちの会社に支払う代金が200億なら、200億の代金にふさわしい建物と満足を約束しなければならない。一日納期が遅れれば顧客は一日あたり億の損失を計上することとなる。従って納期を守ることも当然である。

 したがって、たとえそれが支援プロジェクトであったとしても、人様のお金をお預かりしてプロジェクトを行う以上、組織を束ねる立場にいる人は腹をくくらねばならない。命をかけて仕事に取り組まねばならない。自らの果たすべき職務に命をかけて励むこと、それがダルマである。中心にいる人が命をかけて始めて周りがついてくるのだ!(Iさんはじつはヒンドゥー教徒入っているので、用語法にインド精神が入ってます はあと)

で、なんと驚いたことにTCPの初期投資はIさんのご主人がだしたそうである。失敗したら損失は自分でかぶる覚悟、まさに腹をくくりまくり。

 IさんたちはTCPを立ち上げる際に、支援者に相応の満足を与えることを第一に考えた。それは「笑顔を届ける」ということ。たとえば、地雷で足をとばされた幼児がベッドの上でうつろな顔をしている写真によって、お金を集めることもできるであろう。しかしそれでは、支援者も暗い気持ちになる。Iさんはそのような悲惨さを売り物にしてお金を集めるよりも、たとえば、義足をつけて走り回っている子供の笑顔をポスターにして、「あなたの支援金であつらえた義足で子供がこんなに明るい表情をするようになりました」、そういう明るい気持ちを届けるプロジェクトにするように心がけたという。

 それが実を結んで、献身的な賛同者が集まり、すでに里親さんのうちの半数はカトマンドゥの里子に会いに行っている。まだ認知度が低いプロジェクトのため支援者の数は少ないが、初年度は赤字にならないことも決定している。

 さらに組織を束ねる人間として、Iさん自身もこのプロジェクトを運営することによって、楽しくイキイキと輝いていたいという。「TCPを運営して、家庭も仕事もお肌もボロボロ…では誰も怖くて参加しないですから」という。

 また、TCPとチベットとの関わり方についても目からウロコのお話であった。

 TCPでは勉強ができないためにチベット社会から落ちこぼれた若者たちの就業訓練もやっている。具体的には亡命してきたアムチ(チベット医)が彼らを指導して伝統的なお香を作っている。これは若者たちに手に職をつけさせると同時にチベット文化の伝統を維持するという意味合いもある。

 TCPはこのお香に消費者の心をつかむラッピングをし、需用のあるところに流す、いわばこのお香を資本主義経済の中で商品とするパートを受け持っているつもりであるという。

 お見事!

願わくば、チベット支援組織の多くの方が、このIさんのような健全な倫理観に裏打ちされたビジネスを意識した経営(もうけるためのビジネス感覚でなくてよ)を行ってくれればいいなと思う。ちなみに、「熱意がある」「善意がある」ということは、失敗した時の免罪符にはならない。

 Iさんの説くような支援に対する姿勢が加わることによって、プロジェクトを回すボランティアにも、支援者の方にも、支援される側にも、三方に実りのある組織運営が生まれることであろう。

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