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白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2009/09/07(月)   CATEGORY: 未分類
チベット美術展はじまる
 上野の森の美術館で9月19日からチベット密教美術展が始まる。

 そのせいかどうか、大学にチベット展のカタログが届いていた。差出人をみると、S先生。お会いしたことはないが、このカタログの巻頭に全体を総括するような形でチベット史の流れを総論で書いている。

 カタログに同封されていたS先生のご研究が「雲崗 石窟再考」であることが示すように、S先生はチベット史の研究者ではなく、中国も古代・中世の仏教美術を専門にされている方である。
 
 返礼として、私もチベット美術について論文を書いていないわけではないので、乾隆帝を描いたタンカについての拙稿(英文 笑)をお送りしようと思う。チベット問題の拙稿も入れて(笑)。

 上野でのこの美術展をめぐっては今のところ、自然発生的にいくつかのグループがそれぞれのアクションを考えているみたい。

 まず、文芸系アプローチ。チベット芸術フォーラムというグループさんが、会場向かいの東京都美術館でチベット文化の講演会をシリーズでやっちゃおうというもの。初回はダライラマ法王事務所の代表もゲスト出演してます(詳細はここクリック)。
 

 次は、ガテン系アプローチ。「パルデンの会」さん主宰で、会場の入り口前の天海上人の毛髪塔の近くで、チベット旗たてて、啓蒙ビラを配っちゃおうというもの。街宣ぽくならないことを祈る(詳細はここクリック)。

 それから、欧米系アプローチ。これは「聖地チベット-ポタラ宮と天空の至宝-」展に抗議する国際連盟さん主宰で、主宰者に対して展示内容にダライラマが亡命するにいたった経緯とその後の中国政府の文化破壊活動を明示せよ、と書面で要求するなどの行動を起こしている(詳細はここクリック)。
 
いやあ、市民運動ってほんっとーに面白いですねー(淀川長治風)。

 以下、新たな情報に基づいて9/9に書き換え。さらにその後の情報によって9/17付けで新たにエントリーを書きました。
 この展覧会はじつは中国政府のプロパガンダはカンケーなくて、民間の広告会社の企画で始まったのだという。その広告会社に勤める中国の人が、仲のいい民間の先生(チベット研究者ではナイ)と組んで、作品のいくつかを選定するなどしたため、この展示品は中国政府ではなくその先生の見立てである。
 カタログをつくる際にも、もちろん誰の圧力もないまま日本で編集したので、チベット研究者の小野田先生も一文をよせている。

 九州博物館に続いて北海道にも椎名誠さんは呼ばれたらしいし、美術展の主宰者も批判をかわすためにずいぶん考えている。

 で、ワタクシにこの情報を下さった先生は、「中国政府の圧力を受けないよう気を遣ってきたのに、今回のアクションで寝た子を起こすことにならないといいのですが。何にせよチベットの文化が日本で紹介されるのはいいことですよ」と心配されていた。

 今回の美術展でどのようにチベット問題をアピールできるか、と支援者の方たちが話しあいしていた中で、私が面白いと思ったアイディアは、チベットのお坊さんに砂マンダラを書いてもらう、というもの。お寺から運び出されて、美術館の中でガラスケースにはまって見せ物になっているマンダラや仏像よりも、その場でチベットのお坊さんが入魂しながら書いていく砂マンダラは魂がこもっているし、きれいなので、多くの人がのぞきにきて、ついでにチベットのお坊さんの話も聞いてくれるかもしれない。そして、その方がお寺がだされてガラスケースに入った美術品を見るよりも、はるかにチベットが分かるはずである。

 「中国は ●×~」とか声高に叫ぶと、人にひかれるけど、砂曼荼羅だったら、人が自然とよってきて、自然と話を聞いてもらえる空間ができる。

 でも、砂マンダラを作れるようなお坊さんを一月拘束するのは時間もお金もかかってまあ実現はムリ。
 悲しい話だけど、いまやチベット人は砂曼荼羅つくったり、チャムをおどったりして、僧院を維持する資金を集めているので、ただでお坊さんにきてもらうのはまあムリ。

 こういう時、資金も政治力もないチベット人は悲しい。まあ、金も力もなくとも、事実はこちらに味方しているので、それこそがまさにチベットの強みである。神仏はきっとこちらの味方。

 まあそういうわけで、上野の森でチベット美術展が始まります。
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