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白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2009/06/06(土)   CATEGORY: 未分類
6.4の風景
 教育実習やら就活やらでゼミに出席する学生が少ない。ゼミが終わったあと、五年(六年?)のMがきた。

M「先生、今日天安門ですねー」

私「なんか、たまたま(笑)チベット旗持っているし、せっかくだからここにいる人だけでもチベット旗もって六・四記念撮影するかー」(なんで 笑)

M「いいですねー、行きましょう!」

とこの師ありてこの生徒ありのノリで、チベット旗もって大隈講堂と孔子像の前で記念撮影しました。

 この孔子像、大学に孔子学院が設立されたさい中国から寄贈されたもので、中国ズブズブ大学の象徴。この大学でチベット旗を広げるのは結構スリルがある。しかしよく考えてみたら、なんで日本でしかも母校こんなスリルをかんじなきゃならんのだ。しょうもない大学である。

 誰かにシャッター切ってもらわねばならない。しかし、この人民大学では、相当数の中国人がいることが予想され、確実に日本人に声を掛けなければならない。ということで、白人学生と英語でしゃべりながらこっちに歩いてくる人の良さそうな早大生に声を掛ける。もし中国人でも白人と交流があるなら間違いなく開明的だろう(偏見)。

 するとくだんの男子学生、気持ちよく引き受けてくれて、チベット旗を広げて「天安門忘るるなかれ」といったら、「チベットのことは忘れてませんから」とエールを返してくれた。ええ子や。
 
 で、研究室に戻ると『軍縮』(笑)という雑誌の編集の方が拙稿ののった最新号を届けにきてくれていた。この内容は、五月のアタマにアップリンクでお話したようなことをまとめている。アップリンクにきてなかった方、どうぞ。

 この『軍縮』の話が最初きた時、見本誌として入っていた新春対談が土井たか子と加藤紘一だったりしてかなりドンびいたが、その時たまたま研究室にいたFさんが「センセにカラーがつかないためにも、右左まんべなく出しといた方がいいですよ」といわれたので、受けた仕事。

 とりあえず最新号をペラッとめくると、朱建栄氏の論考がのっている。テーマは「天安門二十年と中国の未来」というものだが、中にチベットへの言及があった。

曰く「ダライ・ラマ側は、・・・今日もチベット人は抑圧されていると主張し、彼の個人的な人気とキャラクターもあって、西側世界では根強い人気と同情心がある。しかし、中国国内の大半の国民は、同じチベット族で宗教派閥が違うパンチェン・ラマグループを含め、その動きに同調していない・・・(以下あほくさいので略)」」

 このブログを読んでいる方にはいまさらですが、チベット人普通に抑圧されてます。また、自国体制にとって都合の悪い情報はインターネットからテレビにいたるまですべて遮断して、警察と軍隊で言論の自由を奪っている国で、国の見解と反対の意見におもてだって同調する人がいるわけないことを考えると、ダライ・ラマに同調しない(あるいは、できない)、ことは当たり前でしょうが。

 どういう見識なんだか。

 それに「同じチベット族で宗教派閥が違うパンチェン・ラマグループ」っていうけど、パンチェン・ラマはダライ・ラマと同じ宗派のゲルク派ですから、「宗教派閥が違う」って何いってるかわかりません。

 そのうえこのパンチェンラマって中国政府が無理矢理即位させた人で、チベット人はみな「偽パンチェン」て呼んでますよ。ジャーナリストが周りに人目のないところで、とびこみでチベット人に「中国政府の擁立したパンチェンラマをどう思うか」と聞くと、十人中十人が「うん、ニセモノだよ」って答えるのは有名な話。

 チベットに関する基本的な知識もないのに、一民族の未来を軽々に口にするのはおこがましいですね。 この人ここ二三日は天安門事件を特集した朝日やNHKの番組にゲスト出演していたけど、こういう人だすから朝日もNHKも・・・、ああごめんなさい、ほめてのばすんだった(笑)。

 ネット情報だけどこの人、日本華人教授会議(日本の大学にお勤めしている中国人学者ネットワーク)の代表もおつとめ。

 対立する双方の意見をただダラダラあげて、何も判断せず「中道」とか「バランス」とかいって識者をきどる人がときどきいるけど、双方のどちらかに致命的な論理の破綻、あるいは事実の誤認がある場合、その中道やバランスとは、じつは無関心、あるいは害悪と同義語である。決して、本当の意味での中道ではない。

 チベット支援者に対して、チベットを必要以上に美化している、オリエンタリズムである、と非難して、判断停止する人も同じ。チベット人の社会は中国軍に追われて今は下界におりている。みなあの社会が桃源郷でもシャングリラでもないことを知っている。支援者はそれでも、あの文化にはまもるべき価値がある、と思っているのである。オリエンタリズム云々とレッテルを貼っている人は、じゃあチベットの文化の、あの哲学のすごさの、どれほどを理解しているんでしょうか。少なくともこの朱さんとかは基本的な知識もないわけですから、仏教哲学を理解するのはムリでしょうねえ。

 そいえば、この前僧侶の会の会合にお呼ばれした時、質問者の中に、「いじめられる側にも理由がある。チベットの僧院社会が変わらないのが悪い」みたいなピントのずれまくった批判をして、満座を唖然とさせた質問者がいたけど、この人も、自分は何でも分かっているつもりで、じつは何もわかってない上、さらにおせっかいという迷惑タイプ。

  本当の中道、本当の識者とは、対立する双方の主張を事実に基づいて確認した上で、もし双方に正統性があるなら、その中間の着地点を見つけることのできる人であり、もし片方が事実誤認をしているのなら、その間違っている側に改心をさせ、解決に導くことができる人である。

 しかし、そういう人の意見が公器にのることがほとんどないわけだから、日本の民度はまだまだ低い。
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