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白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2009/03/28(土)   CATEGORY: 未分類
ダライラマ、パンチェンラマを語るイベント
ミニシアターのトークイベントで法王の五十年を暑苦しく語りまーす。↓

演題『ダライ・ラマ法王の五十年』

ミニシアターでのトークイベントにでまーす。

*期日 五月二日(土)上映 12:30~/ トーク 14:10~
*場所 アップリンク・ファクトリー(渋谷区宇多川町37-18トツネビル1F)

くわしくはここクリック

【イベント予約方法】
当イベントへの参加をご希望の方は、お電話またはメールにてお申し込みください。
メールの場合、下記の予約要項を明記の上、指定のアドレスまでお送りください。
(予約者数が定員に達し次第、受付を締め切りますので予めご了承下さい)

・予約要項
(1)お名前 (2)予約希望人数 (3)お電話番号

・予約先
TEL:.03-6825-5502
MAIL:factory@uplink.co.jp
★件名を「4/25「風の馬」トークイベント」としてお送り下さい。


そして、スピリチュアル・フェスティバル2009年の記念講演にお呼ばれしましたー。パンチェン・ラマの五十年についてクールに語りマース(怪しいガイジンか)。入場無料なのでふるってきてねー。↓

演題『タシルンポ僧院とパンチェン・ラマについて』

*期日 五月四日(月)18:30-20:30
*場所 新宿文化センター小ホール
◆ 定 員:210名(当日受付のみ・先着順)
◆ 主 催:チベットハウス・ジャパン Tel: 03-3353-4094
◆入場無料
詳しくはここクリック
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DATE: 2009/03/26(木)   CATEGORY: 未分類
ただれた卒業式
 21日の土曜日は東急カルチャーの最終日。熱心な方達ばかりでこちらこそお礼を言いたいくらいなのだが、美しい花たば(2)、オカメインコ・ハンドタオル、ハーブティー、クレー・シャンプーとコンディショナーなどを頂戴する。ありがとうございます。画像をアップしたいのだが、昨日の卒業式でデジカメを大学におきわすれててできない。

 最後なのでカルチャー内のカフェにお茶に誘う。するとついてきて下さった方たちは、もちろんコアなフリチベさんたち。

「ダライラマ法王がおっしゃる通り、人生修業とは言え、やはり凡夫は目に見える形でチベット情勢が好転してくると嬉しいんだけど」「アパルトヘイトの際の南アフリカもインド独立の際のイギリスも相手は一応白人民主国家だったからね、共産党独裁よりゃましだよ」としめっぽい話になる。

 しかし、まあ、スリランカもインドもチベットよりもっと長い間植民地統治の下におかれたし、しかも、これらの国の独立の志士は一度宗主国と同化しようとして、やはり母国の文化に回帰したことに比べ、チベット人は当初からアイデンティティを保ってまったく外部の価値観と迎合していないこと、などは明るい要素、とアゲておく。

 そして25日は大学の卒業式。呆れたことにゼミ生が三人、来ていない。一人はオーストラリアに遊びにいって、成田の滑走路がFedexの事故で閉鎖されダイヤが乱れたた影響だから仕方ないとして、寝坊を理由にあげたヤツ、集合時間午後四時だよ。

 全員が揃うのがいつになるかはわからないので、とりあえずいるだけ集めて研究室でシャンパンで乾杯。恒例だと外で記念撮影するのだが、午後遅いし寒いので、大○講堂が望めるラウンジで撮影する。

 彼らがそこで、ボケの花(どういう意味じゃ 笑)と手作りの卒業アルバム『○×子とゆかいななかまたち』を手渡してくれた。内容はこの一年の世界情勢とゼミ情勢を重大事件の新聞記事とか写真とかで示し、一人一人の写真とおくる言葉で構成されている。こっている。

 で、最後に私の語録が採録されているのだが、これがロクでもない。
 
 今年のゼミの目標は「死人・けが人・犯罪者をださないこと」とか、もっとまともなことも言っているのになぜそれを拾わない。

 そしておなじみ華○苑へ。

かれらと初めて食事をした店であり、それからも何度となく「フリー・チベット」の打ち上げにつかわれてきたあの中華料理屋(笑)である。八時になってやっと全員揃ったので記念撮影。

私「私たちここで始まって、ここで終わるんだね。アンタたち最初にこの店つれてきたら、まずいの何のって不満たらたらだったじゃない。今は率先して会場に指定するんだ」

W「確かに、ここの紹興酒ゲロまずいですよね」

全員「うんまずい」

M「いつ来ても空いてて便利じゃないですか。ここ最初臺灣料理って書いてて、今は香港だしいい加減ですよ」

私「香港も臺灣も中華圏とはいえ、自由主義体制だからフリー・チベットOKだよね。途中で経営母体が変わったのかな。」

お店の人「いいえ前から変わってません」

(聞こえていたんだ・・)全員、サーッと血の気が引く。

で、とどめが帰り際に「何度もおこし頂いてありがとうございました」

メンが割れている・・・(当たり前だ)。

 他の卓では、まともそうな先生を囲んで、まともそうな生徒たちが粛々と別れを惜しんでいるのに、こっちは終始一貫異様な盛り上がり。私がいかに教師としてマトモに機能していないかがよく分かる。

 みなが二次会に行くというので、老体は帰ることにする。

K「センセー、僕たちの名前だって覚えてないでしょう。もっとつきあってくださいよ」

私「失礼な、みんなの名前ちゃんと覚えているよ。彼がテカリで、彼女がコン・ユで、アナタが女遊びで、アル中に、○川くんに、・・・全員覚えてるじゃん。じゃーねー」といって帰る。

これが最後というわけじゃなし。どうせ卒業した後もナントカ彗星のように、何度も何度も現れるのだろう。

願わくばその時、その彗星が災いではなく福音をもたらしてくれるように。

子供が親に対して、学生が教師に対してできる最高のプレゼントとは、幸せになること。

友達を大切にし、出会いを大切にして、幸せをゲットするんだよ! 

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DATE: 2009/03/21(土)   CATEGORY: 未分類
『風の馬』と『雪の下の炎』
 渋谷のミニシアターUplinkで四月十一日から、チベットものの映像が二本かかる。

 一つはポールワーグナー監督が1998年にとった『風の馬』、もう一つはニューヨーク在住の日本人監督、楽真琴(ささ・まこと)監督がとったドキュメンタリー『雪の下の炎』。

 後者は制作年が2008年なのでできたてのホヤホヤ。『風の馬』も十年前の作品とは言え、チベット情勢がここ十年ちっとも良くならないどころか、どんどん悪くなっているので、内容はまったく古くなってない。ドラマの中に現れるチベット人の看守やら密告屋やらは今も健在ですし、「毛沢東はわたしたちの太陽」みたいな歌をチベット人の女の子が歌わされるような事情もいまなお健在です。

 ていうか、こういうことが思い出話になる日が早く来てくれないと困ります。

 『風の馬』はじつは『セブン・イヤーズ・イン・チベット』と『クンドゥン』というチベットもの二大ハリウッド映画が封切られた同年に撮影されている。この二作はメジャーだったので予算は潤沢、モロッコやアルゼンチンにセットつくって背景にチベットの風景CG合成したりできたけど、『風の馬』は低予算だったので、ラサの風景はラサでとっていわばで無許可で撮影している。


 さすがに登場人物が「チベット独立」を叫ぶシーンは、まんまパルコルでとるわけにもいかず、カトマンドゥに偽パルコルつくって撮影したんだが、やっぱばれて退去命令とかだされという。この映画をつくるための苦労でドキュメンタリー映画が一本とれるんじゃないの。


 で、『風の馬』の方はパンフレットに一文をよせるために、実は一ヶ月ほど前にサンプル映像を見ていたのだが、『雪の下の炎』はまだ見ていなかったので、ブログに予告でもかかなきゃ、ということで木曜日に試写会にいく。

 いやま、これまたすごい話。
 
 中国がチベットを占領した時、亡命しそこなった僧侶らは刑務所にいれられた。平和な国で暮らしている我々にとって刑務所とは、人に迷惑かけるとか、つまりは犯罪をおかした人が入るわけだけど、中国支配下のチベットにおける刑務所や収容所は、体制(社会主義中国)の言うなりにならない人が言うことをきくようになるまでさんざんイジメられる施設だった。

 そうでなくとも社会主義政権の失政の下、食糧が不足してみな餓えていた時代、収容所の中の餓えはすごかった。ペルテン・ギャムツォさんはその上、体制の言うなりにもならないし、脱獄とか試みたりしたので、拷問とかもされる。

 で、こういう収容所に入れられると、ほとんどの人は人間が変わって、とにかく看守のいうなりに従順になって、「チベットは中国の一部です」「ダライ・ラマ法王は人面獣心の悪○です」とかいうようになって、釈放されていく(そのあと大概亡命しますが)。

 ところが、ペルテン・ギャムツォ師のすごいとこは、「自分は何の罪も犯していないんだから、何ひとつ罪悪感を抱くこともないし、ザンゲすることもない」と頑として譲らず。33年間も獄中にいた(ダライ・ラマ法王は中国人を怒らせないように、彼らの望むようにふるまって、拷問を逃れなさい、といってます)。

 見上げた根性である。

 そして、イタリアのアムネスティ・インターナショナルの助けでやっと出獄したあと、亡命して、老骨にむちうってフリー・チベットの活動をはじめた。

 ダライ・ラマ法王が使わなくなった「独立」の言葉をペルテン師は口にするので、報道が「亡命政府の方針と違っていいの」とか心配したりするが、彼は「民主主義だ。言論の自由はある」そして、「自分は中国政府に対する怒りに駆られて、証言をしているのではない。刑務所の看守が自分たちを殴るのも、生活のためだ。彼らを個人的に恨んではいない」と意に介さない。

 このペルデン師の言葉の元になるような考え方が、ダライ・ラマの著作の中にあったような気がしたので、探してみたら、ありました。

 もちろん、筆舌に尽くしがたい苦しみを受けたり、理不尽きわまりない扱いをうけることもあるでしょう。すると、あなたをひどい目にあわせた相手はとてつもなく悪い業を積むことになるのです。このような場合、〔彼らに悪業を積ませないように〕こうした状況を正すべく反撃にでてもかまいません。ただしその場合、罪を犯した者へ怒りや憎しみを起こしてはなりません。慈悲の心を持って相手に対して確固たる対応をするのです。・・・中国政府との交渉に関していえば、私たちは常々中国に対してネガティブな感情をもたないようにしています。感情に溺れることが決してなきよう、怒りや憎しみが生じても、丹念にチェックして取り除き、中国人への哀れみの心を養うようにしています。
 加害者に対して何故あわれみの心を起こさなければならないかというと、因果の法則によれば、加害者はそうした行いをすることによって、後の人生に望ましくない果を得る因縁を結んでしまったからです。このように考えれば、加害者あるいは侵略者に対して哀れみの心をおこす十分な根拠があるとわかるはずです(『ダライ・ラマ 怒りを癒す』)。


 「民主主義」も「慈悲にもとづく反撃」も確かに法王の推奨してることですわ。

 というわけで、四月からUplinkで行われる『風の馬』と『雪の下の炎』よろしく。『風の馬』のパンフレットには産経新聞の福島香織さんや、ペマギャルポ先生や、西蔵ツェワンさんや、モーリー・ロバートソンさんの文書が並んでいて、必見。

 モーリーさんの文書で印象深かったのが、自分はチベットに行く前に、中国政府の言い分とNGOや一部のジャーナリストの言うことがあまりに隔たっていたので、どちらの情報も信じないで自分の目で確かめようと思った。で、実際にチベットいってみたら

現地入りしてあちこち撮影する内に、だんだんと皮膚感覚で実情を捉えられるようになりました。・・・何日かすると、NGOや活動家側の主張が100%正しいな、という直感が働きました(『風の馬』パンフレットより)。

という件。そうか普通の人は真っ向から対立する見方がある場合、自分の目でみるまで判断しないんだ。じゃあチベットに行かない人は一生判断ペンディングかよ。

 論理的に考えれば活動家にはウソをいう理由なんかないし、亡命するチベット人だって、そもそも生まれた土地を離れて言葉も通じない異国に逃げるなんてよほどのことがないとしないよ、それを考えたら、どちらの言うことが正しいかなんて想像つきそうなもんだけど・・・。

 まっいっか。この一年でずいぶん新聞報道もマトモになってきたし。この映画とかドキュメンタリーで言っていることを信じられない人は、そうですね、みなさんチベットにいらっしゃってその眼で見てこられるのもいいかもしれません。

風の馬→http://www.uplink.co.jp/x/log/002949.php
雪の下の炎→http://www.uplink.co.jp/fireunderthesnow/
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DATE: 2009/03/16(月)   CATEGORY: 未分類
セレブ、マジギレ声明文
 土曜日はゼミの追いコン。1年の思い出をムービーにしてもっていく。構成とか文章とか写真とかは問題なかったのだが、買ってきたソフトが使いづらく、試用ソフトを使ったら、何が悪いのかすぐにデータがとんで、何度もつくりなおす。結構感動モノにしあがる。

 追いコンはつつがなく終わり、最後に四年生からとある二人から言付かったという花束をいただく。そのとある二人とは、花束に添えられているカードによると、
 
 ダライラマ法王とヨン様
 
嬉しいより先に何かバカにされているような気になるのは、きっと韓国でいろいろあったせい。
 
 AP通信の伝えるところによると、三月十四日、ノーベル平和賞受賞者有志とハリウッドのセレブリティら40人が連名で胡錦涛への意見書を出した。この手紙は http://www.thecommunity.comで公開されており、この書簡内容を金曜日までに公開して署名をあつめ、締め切った後に胡錦涛へ手渡しするそう。

誰が手渡すのか、そして胡錦涛受け取るのか。そんなこたどうでもいい。これは人類の啓蒙活動。

 文章の起草者はデズモンド・ツツ大主教。ご存じ、非暴力運動でアパルトヘイトを廃止に追い込んだ聖職者で、ダライラマ法王の盟友。

 連名の四十人の内訳はだいたいこんなとこ。

 俳優とかモデルとか歌手とか: ハリソン・フォード(Harrison Ford)、ナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)、グウィネス・パルトロウ(Gwyneth Paltrow)、ジョージ・クルーニー(George Clooney)、アシュレイ・ジャド(Ashley Judd)、X-fileのヒロイン、ジリアン・アンダーソン(Gillian Anderson)。ヨルダンのノール女王陛下(Her Majesty Queen Noor)、ピーター・ガブリエル(Peter Gabriel)、リチャード・ギア(Richard Gere)、マリア・ベロ(Maria Bello)、『クンドゥン』の脚本画いたメリッサ・マシスン(Melissa Mathieson)、ミア・ファロー(Mia Farrow)、ビースティー・ボーイズのアダム・ヤウク(Adam Yauch)他、

ノーベル平和賞受賞者: エリー・ウィーゼル(Elie Wiesel)、シリン・エバディ(Shirin Ebadi)、ジョディ・ウィリアムズ(Jody Williams)、ジョン・ヒューム(John Hume)、デイヴィッド・トリンブル(David Trimble)、F.W. de Klerk、Mairead Maguire、Betty Williams、Adolfo Perez Esquivel最後の方はくずおれた。

 で、胡錦涛に手渡される書簡の内容を和訳するとこんなカンジ。

チベット・中国とダライラマに関する声明

 この文書に署名したノーベル平和賞の受賞者たち、人権問題のリーダーたち、それと関係各位は、チベットにおける人権状況の悪化とダライラマ法王の特使と中国政府の間の対話の明らかなる破綻に懸念を表明したい。

我々はチベットの人々の信教の自由と自治をめぐる闘争を解決することに向けて、具体的な進展がないことに失望している。我々はこの自治と信教の自由を達成するための努力を何度でも繰り返すように、関係するあらゆる人々につよく言いたい。

 われわれの親友であるダライラマ猊下に対しては、こう言いたい。「われわれはあなたの味方です。」あなたは非暴力と慈悲と善をはっきりと主張している。明らかに中国はあなたのことを分かっていない。彼らがあなたを理解することを切に望みます。われわは中国政府に対し、彼が亡命の途についてこの数十年の間に我々が、その他の多くの人々がダライラマ法王を知るようになったそのように、ダライラマ法王を理解することを要求する。

 尊敬すべき国連の高等人権弁務官ナヴィ・ピライがチベットを訪問することをするよう、そして彼女が国際社会に対してチベットの人々が現在置かれている状況を調べ、それについて報告することを要求する。
 高等弁務官はジャーナリストや監視員等とともにチベット国内を旅行することが許されるべきであり、関係各位とともに協力しながら、この数十年間にわたる闘争を平和裡に解決することを助けるべきである。

 中国は今世界に大きな影響を与える立場にある。われわれは中国に対して、その影響力のある立場を我々の世界を良くする方向に用いるようにお願いしたい。チベットの人々の声に耳を傾けることによって、チベットの文化が栄えることを許すという新たな解決策を提示することによって。

 これはチベットを助けるのみならず、中国も助けることになるのである。

最後に、われわれは中国にこういいたい。
ダライラマ猊下を名指しし、責め、罵ることを止めていただきたい。彼はその人生を平和に捧げている。ノーベル平和賞の受賞者であるダライラマ猊下は、ただの聖人ではない。彼は世界中で真の道徳的な権威と認識されている。彼は慈悲と非暴力と愛をもって生きるためにはどうしたらいいかをわれわれすべてに教示してくれる教師なのだ。

 敬具。

デズモンド・ツツ大主教
 みなさん署名お願いしますねー(→署名される方はここクリック)。
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DATE: 2009/03/11(水)   CATEGORY: 未分類
ソウルでチベット蜂起記念
3/8 

チベット蜂起記念日も近いというのになぜかゼミ生とともに卒業旅行である。安いチケットのためついたら十二時近くになっている。仁川空港近くのビジネスホテルに入る。ここは海外なので一応「みなさんはこれから日本人の代表となります。一挙手一投足気をつけてくださね」といっておく。かくして東洋のノルマンディー仁川(朝鮮戦争時、連合国がここ仁川から上陸して中国・北朝鮮軍を撃退)にて一泊。

3/9 

今日は仁川から慶州へとえんえんバス移動(※ もっていたガイドブックが古く新幹線があるのを知らない)。宿は韓国のバックパッカーむけの民宿で、共用スペースにはキッチンとか完備しているが、寝るところは、チャングムの時代そのままのオンドル部屋。まわりは新羅の古墳に囲まれていて、何かでてきそう。
ぶっ国寺

 今日は世界遺産の仏国寺と石窟庵をめぐる。新羅の仏教は飛鳥時代とリンクしていて、というかこっちが本家なので、東洋史だけではなく日本古代史の人にとってもイチオシの遺跡。仏国寺は、土台と石塔は新羅時代だけど、建物は豊臣秀吉が焼いたので、再建である。しかし、学生はといえばこの八世紀のすばらしい世界遺産の構造美を前にしても、なーんか集中力がなく「おなかすいた」「トイレ」とか、うるさい(移動ばかりの時間の都合上昼ご飯が食べられなかった)。負けずに、学生を仏国寺のさらに奥にある石窟庵につれていく。途中Jが
 
 「先生石窟庵って何ですか」と聞くので、
 「新羅のまんじゅうだ」と答えておく。
 
 石窟庵につき、「美しいだろう。石窟スタイルは草原の道をたどってインドから新羅にまでやってきたんだよ。この時代アジアは仏教文化が繁栄していたから、坊さんは道々施主をみつけて中国からインドまで無銭旅行できたんだぞ。」といばる。学生はいまいちの反応。
 
 夕方、ついに師弟間に戦争勃発。夕食に入ったサムパプの店は、オーナーがインコマニアなのか、金剛インコ、ヨウム、キバタン、小桜、オオオオハシ、われらがオカメインコなどを見ながら食事ができるみせ。インコたちは見たところ大事に世話されていて、そのうち何羽かは人間がとてもすき。私がインコにうっとりとみとれていると、 学生の一人が「先生この鳥、食材ですよ」と笑えないギャグをいう。ブチ切れ。この子たちは一切衆生が無限の輪廻を繰り返した結果、かつて自分の母だったこともある、という仏教思想を理解したことはないのだろうか。
 
 そこで、明日どこにいくかという話になり、私が「明日は新羅の貴族ファランが跋渉して、石仏で有名な南山でハイキングしまーす」というと、学生たちの何人かが「ソウルにもどって免税店にいきたい」という。わたしはそこで、物欲よりも精神がいかに大切かをとき、そののち、多数決をとったら、私の方には学生が一人しかつかない。残りは全員免税店に行きたいという。
 
 さすがに自分もうやる気ナッシングになって、「免税店なら私いる意味ないね。明日の朝でじゃあ解散ね」というと「先生が呼びかけたからみんな旅行来たんじゃないですか。」というので「じゃあ私はごきぶりホイホイの真ん中においてあるあのエビのにおいのするヤツね」というと学生が「じゃあ僕らはゴキブリですか」と会話は限りなグダクダになっていく。
 
 私は、そのあとチャングム部屋でふて寝をしていると(パソコンは壊れて仕事もできず)、宿のおじさんが学生たちの相手をしてくれて、深夜近所の新羅の古墳の頂上でフエ吹いて踊りを踊っていたそうだ。ありがとう、おじさん。
 
 3/10 

翌日、宿の共用スペースで朝ご飯の卵焼きをつくりながら、今日はチベット蜂起記念日であることを講釈する そして、ヤフーニュースをチェキしていると、北朝鮮が米韓合同軍事演習に怒って、「北朝鮮の発射したミサイルを迎撃するなら、宣戦布告とみなす。日本海をとぶ民間航空機の安全は保証できない」という声明をだしたという。私がこのニュースをよみあげると、朝食つくっていた学生たちの一人が
 
 M「ああ、旅行保険がきかなくなっちゃう」
 私「あ、そうか戦争状態になると、何があっても保険がおりなくなるんだよね。て、そこじゃないだろツボは
石仏

 明日、自分たちの乗った帰国便が北朝鮮に打ち落とされる危険をはらみつつも、みな南山のハイキングにいくという。一応みな気を遣っているのだろうか。昨日のお寺よりは今日の山の方がみな楽しそう。ここ南山は新羅を動かしていた貴族の子弟の秘密結社ファランのサロン。彼らは弥勒(釈迦の次に覚りを開く仏)がやってきて新しい世界をつくる、という信仰のもとに結束し、仏教にのとっとった国家造りをしようとしたひとたち。
 
 午後、トンテグからソウルまで新幹線にのって移動(やっと新幹線の存在に気づく)。そいで、ソウルについてまた、私が「お寺参りしたい人ー」と聞くと、二人の学生しか手を挙げない。あとはみな免税店。若さ故の驕り。ルイヴィトンやティファニーで幸せになれると思うちは、まだまだである。
 
 で、私は学生二人とともに韓国最大の仏教宗曹渓寺にいく。丁度夕方の法要をやっていたので、とりあえず参加する。十分ほどたったら法要の区切りがあって、本尊に向かって北面していた導師と信徒が一斉に体の向きを西側にむけた。わたしたちは西口の末席にいたので、全員に拝まれる。あわてて、自分たちも西面する。そしたら、とある信徒の方が私たちに気づいて、韓国人だと思ったのか、勤行集を渡してくれたが、漢字ならまだしも、ハングルなので、内容はまったくわからない。
 
 けど察するにこの法要は西方にむかっているから、阿弥陀浄土を観相するものだろう。
 
 ちょうどチベットが西側なので、チベットで犠牲になった方々のお祈りをする。三十分くらいやるとまた区切りがあったので、本堂をでて、門前のお店でろうそくを三本買って三人でささやかにフリーチベットのキャンドル・ナイトを行う。
 
 空には満月がかかっている。
 
 今年は猊下が亡命されて五十年。半世紀の時が過ぎた。猊下のこの日のスピーチの一言「チベットは中国によってこの世の地獄」(Hell in Earth)となった。」から、Hell in Earthという言葉がキーワードとなって世界中のニュースに流れた。日本が朝鮮半島でかつて行った生き地獄統治と同じことが、21世紀のいまなお、中国人によってチベットに施されている。
 
 
 仏教は自己陶冶と博愛の教えだ(物欲は真逆よ)。民族主義、国家主義、宗教原理主義などの形をかえた自己中心主義とは一線を画したところにある。中国はチベット仏教を弾圧することで国家を護っていると思っているようだが、ようはエゴ。エゴを追求する先には破滅しかない。自分の利益のみを追求して他を顧みない人間が友達を失い、親戚に見放され、最後は自分を見捨てて孤独に死んでいく。
 キャンドル

一人でも多くの人がエゴを鎮め利他心を持つようになりますように。
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DATE: 2009/03/07(土)   CATEGORY: 未分類
朋あり遠方より来たる
今月の『大法輪』に「チベット仏教の輪廻感」が掲載されました。よんでねー

 金曜日、国際交流基金のチベット講座のため、平岡宏一先生が上京。
 先生の「チベット密教」の講義を聴く。

 自分の受けた密教の教えが、どのような伝統をたどって今自分のところまできているのかという点から話されるのをみて、「おお、これは、チベット僧の法話のスタイルにのっとってるな」とオタクなツボで感心する。

 密教の教えは阿闍梨(密教を教える資格をもつ僧)から弟子へ、ローソクの光を別のまだ火のついていないローソクにうつしていくように、マンツーマンに行われる。その関係は、コーチと選手との関係に似て、阿闍梨は弟子の様子をみながらそれぞれにあわせた指導を行う。だから師弟の絆はこい。

 教えを授ける時、ラマは必ず、「自分のこの教えは、お釈迦様から仏弟子のナントカ菩薩へ、それから何代かインドの聖者を経由して、チベットのナントカ訳師がチベットにもってきて、何代かたってダライラマホニャ世から自分の師匠に伝えられたものなんだよ・・・」みたいな説明を弟子にする。

 これを耳にすることで弟子には、仏教の悠久の歴史に自分がつらなっているという自覚と責任感がめばえる。


 で平岡さんの相承はこんな感じ。

 ダライラマの宗派であるゲルク派の開祖は14世紀のツォンカパである。ツォンカパは密教の経典としては『グヒヤサマージャ・タントラ』を重視し、なくなる一年前、弟子たちを招集して自分の『グヒヤサマージャ』に関する著作を手に掲げて、「自分のこの密教の伝統を受け継ぐものは誰かいるか」ときくと、ジェ・シェーラプセンゲが立ち上がった。

 で、1444年、シェーラプセンゲはツォンカパの書いた『グヒヤサマージャ』の注釈書を簡明に解説した通称"ティカ"(注の注のこと笑)を著した。

 彼はこの密教を伝授するためにギュメ学堂(下密教学堂)をたてた。
で、そのあと数百年とんで、平岡先生が1986年にインドに仏教の勉強に行って、「『グヒヤサマージャ』を勉強したい」と言ったら、再建ギュメ(平岡さんのお父さんが施主になって再建した)の副館長が「じゃあ、この先生についたら」と紹介されたのがガワン先生。

 運命(ウンミョン 韓国語 笑)の出会いであった。
 
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 で、平岡さんとガワン先生の絆は、ガワン先生がガンと闘病するために日本をなんども訪れた最晩年の三年間に、より深いものとなる。

 抗がん剤治療を行うために、平岡さんのおうちに長期滞在される間、平岡さんはこのシェーラプセンゲの"ティカ"を先生より伝授された。そのまとめとしてインドでおこなった護摩行の映像もチラと見させていただいた(もっとも七時間もかかるので現場にいた人ですら途中までしか見てなかった 笑)。
 
 で、そのあと意識の話が続く。

 人は死に瀕すると、見たり、聞いたり、触ったりという感覚が順になくなっていき、80種類の表層意識が一つ一つなくなっていくと、心の本来の姿である、光がチラチラ見えてくる。

 で問題はその説明。これに感動した!

 平岡先生「浜辺でカラオケ大会やったら、そうぞうしい音楽しか聞こえませんやろ。でもカラオケ終わって静かになったら、波の音が聞こえますやろ。それと同じで、死にかけてくると日常的に働いていた粗大な意識が無くなっていって、心の本来の姿である微細な光が見えてくるんですわ」という一言。

 粗大な意識が微細な意識へとシフトしていく過程を、浜辺のカラオケ大会にたとえるなど、お釈迦様でも思いつくまい。

 で、講座のおわったあと、みなで、徒歩一分の場所にネパール国旗のかかっているカレーやに入る。うまいこと、チベット絨毯もしいてあるし、ポカラのポスターもはってある。で、席につくかつかないかのうち、

 平岡先生「ここにガワン先生つれてきてるんですよ。」 

とおっしゃって鞄から先生の御遺骨の一部をとりだして、分骨してくださった。先生のご遺言の通りに散骨をしてください、とのこと。そしてガワン先生の火葬とお葬式の写真をみせていただく。ガンデン大僧院が総出で厳粛に行っていることがわかる。
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 で、定番のインド土産をいただく。

 僧院で作られたお線香、白傘蓋のお守り、猊下が主宰したチャクラサンヴァラ、ヤマーンタカ、そしてアマラーヴァティのカーラチャクラの灌頂の砂曼荼羅の砂を集めたもの、ガンデン大僧院北学堂お加持の宝薬。

 いやー、聖者のご遺骨に、ダライラマ猊下祝福済みのマンダラの砂に、白傘蓋のお守りに、宝薬。

 まんま数百年前の文献にでてくるチベット土産と同じや。

 歴史家にとって涙がちょちょぎれる土産物。
 
 すると、平岡先生

 「センセ、そのうち今のギュメの僧院長を日本にお呼びしますわ。今度のラマもすごいでっせ。ガワン先生とはちょっと違うタイプで、お茶目な方なんですわ。大学僧でミスター『入中論』て呼ばれてるんでっせ」

 チベット仏教はけっこうタフだと思う。
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DATE: 2009/03/03(火)   CATEGORY: 未分類
夜明け前が一番暗い
ごろう様のフォーミュラの食べ残しをお庭にだすと、メジロがついばみにきた。キジバトもきた。で、ふっと気がつくと、スーパーラットが来てやがる! 小鳥に対しておきる慈愛にみちた気持ちと、ネズミをみた時おきるこのドス黒い気持ちの落差はなんだろう・・・。可憐で珍しいお客様と、生命力が強くて傍若無人の数の多い招かれざる客。なんかこの対象的な光景どっかで見たような・・・(笑)。

 仏の教えに従えば、一切衆生は平等に慈しまねばならない。
 しかし、鳥ごはんは家の中に回収する。だって、これ鳥のごはんですから。

 さて、今日は上海公演でアイスランドの歌手ビョークが、Independence(独立)という曲を歌って、チベット!チベット!と叫んで一周年。奇しくも約一年後の昨日メンバーの一人が、ビョークと同じ年1997年のフリーダム・チベット・コンサートにでていたことを理由に、中国政府、イギリスのロックバンドOasisの中国公演を中止においこんだ。

 じつは中国政府は中国国内で公演をするアーティストに対して、様々な要求をする。

 まず、「国家の統合を乱すような行為」「怒りをかき立てるような」パーフォーマンスをしてはだめ。曲目と歌詞は事前に当局に提出。つまり、中国で公演しているアーティストはみなこれをまもっているわけ。あんたら、それでロック魂あるといえるんかい。

 ロック魂は反骨じゃないのか。

 なので、オアシスさん、あなたの名前はロックの歴史に燦然と輝きますよ。パティ・スミスとともに。中国公演で稼いだ小銭よりもはるかに大きなものをあなたたちは得ました。

 でも、去年は同じ年のフリーダム・チベット・コンサートでたビョークを公演させていたのに、今年は中国政府、なんか細かいこと言うてますな。

 円明園の動物の首を中国の文科省の傘下の団体がせりおとして「カネなら払わん」とかいって失笑をかってるし、最近中国は、ネタのように自爆して問題をおこして自分で自分の評判おとしていくので、あの国家かなりキてるのが分かる。

 なんか、黙ってても自分でどっかにぶつかってつぶれてくれそう。

 黙ってても自爆といえば、民主党の小沢党首。建設会社のワイロもらって失脚しそうなかんじマンマン。三権分立って素晴らしいね。なんか、ここんとこ、小沢代表の不適当発言がいろいろなところからもれていたけど、ようはエックスデーが近いから「もう書いていいよね」みたいなムードが関係者のあいだにあったんだね。

 個人的には鳩山さんになってもらいたいな、民主党の次の党首。あの人来日したダライラマ14世に臆さずあってくれたから。いや、ビビリの日本政治家の中で、インドまでいってくれた松原仁議員とか、鳩山(兄)とか、勝ってほしいです、次の選挙で。もちろん、中川さんも病気を克服して再選してください(笑)。

  
 チベットはいま弾圧下にある。
 韓国の軍事政権が崩壊する前夜とか、アパルトヘイト廃止直前の南ア政府もひどい弾圧をしたが、これを見ると夜明け前はもっとも暗い時間なことが分かる。

 だから、チベットにも夜明けは近い。

 そう思わないとやっとられんわい。

あ、今日アップリンクで上映間近の『風の馬』のパンフレットにのる文章校正しました。あと、『偉人マンガダ゛ライラマ14世』の解説の校正も明日にもでまする。マンガの解説は編集を涙ぐませ、編集部を感動の渦に巻き込んだ名文です(自分でいうな)。ゼひ読んでね。

 そういえば、不透明なお金まみれの小沢さんにひきかえ、チベット社会ってほんと清貧。うろおぼえだけど、国連から「世界でもっとも援助金を有効に用いた共同体」で表彰されている。つまり、世界一クリーンな難民社会っちゅうわけです。
 
 なんか難民であることをほめられても、あんまりうれしくないんですけど。
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