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白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2008/12/27(土)   CATEGORY: 未分類
不昧公を知らなかった愚昧
前エントリーのようなことを書いたこともあり、
言い出しっぺが有志の方々を代表して、護国寺様に「ありがとうございました」を伝えにいく使者となった。

「チベットの危機に関する声」や「宗派を超えてチベットの平和を祈念する僧侶の会」のお坊さんたちにお声かけして、芳名を連ねてくださる方を募集した。そしたら、僅か一日たらずで、ずいぶんのお名前を頂戴することができた。

某有名女優の木内みどりさんが気さくにも「お花でも贈呈いたしましょうか」と申し出てくださったので、ご好意に甘えることにする。

御前様も地味ぃ~な学者が来るよりゃ、女優さんが来た方が喜ぶだろう。

土曜日午前十時半、山門の前で待ち合わせすると、木内さんはお着物できててくださっている。それが効いたのかどうか御前様

「いやあ右顧左眄しちゃいけないよ。やはりスジを通さなきゃ」との力強いお言葉。

漢である

 今回の件で気がついたのだけど、チベットを応援してくれる人ってみな善意のボランティア。

 ある人は、人として黙っていられないから、ある人は人権を護りたいから、ある人はダライラマ法王にノックアウトされたから、ある人は仏教を応援したいから、ある人は歴史認識から、ある人は民族主義(笑)から、まざまな動機からチベットのために集まってきた。

 組織も何もない。上も下もない。
 ただ、善意のみをもって集まってきた自然発生的集団。
 
 実にピュア。だけど、よく考えてみたら、会場を提供してくださっている方、イベントの中心にたっている方は、ただ参加している人よりもいろいろな負担がかかっている。

 だから、そこに誰かが気がつかないと、そして気を遣わないと、この部分から細々とした善意の輪は崩れてしまう。

 お金や名誉を得ることを目的とする人たちは、どんなに意見が違おうが金や名誉のためなら、鉄の結束をみせる。

 でも、チベットを支援するひとたちは、人としての良心と善意によって動いて集まってきた。こういう美しいものって、悲しいほどもろいんだよねー(笑)。

 でも、後者のフィールドからしか実は「本当の意味での幸せ」は得られない。だから、このもろいけど美しい絆を大事にしていかないと。

 
 この七月、出雲の峯寺でガワン先生の灌頂を受けた話をエントリーしたが(→ここクリック)、この峯寺のお坊さんKさんを先月、初めて護国寺におつれした。

 チベットのお坊さんが何度も灌頂をしたお寺にいらっしゃるのだから、きっと、チベットのお坊さんの法要も好きだろう、みたいな理由で(笑)。

 
 で、Kさんがその体験をブログに書いたところ(→ここクリック)、護国寺のIさんがそれを御覧になって、また、Kさんのお寺である峯寺に松平不昧公の作ったお庭があることを知り、その不昧公のお墓が護国寺にあることを教えてくださった(→ここクリック)。
 
 何という因縁。実はどうでもいいけど、護国寺には早稲田の創始者大隈重信公の墓もある。で、その隣に不昧公の墓が。

 何のことはない大隈の関係者(→私)と、不昧公の関係者(→Kさん)がチベットのご縁で護国寺にいったら、そこに両者の墓が並んでいたのだ。

 大隈公と不昧公が冥土で相談して我々を引き合わせたのか?(なわけないだろ)

「時代が降ると関係者も小粒になりますな」とKさんと私はゲラゲラ笑った。

というようなことがあったので、今回はIさんのご案内で不昧公縁の史跡を拝する。

 実はこの不昧公のお墓は、もと芝の天徳寺にあった。しかし、明治の頃、道路拡幅工事でどかさなければいけなくなって、松江にお返ししようかという話になった時、当時の護国寺様の檀家総代であった実業家で茶人の高橋箒庵が、

「護国寺を関東のお茶の総本山にせん」と発願して、お茶の神様不昧公のお墓を護国寺にお招きしたのである。

  そいえば峯寺には不昧公のお庭ばかりでなく、立派なお茶室が三軒もあって、峯寺のご住職が

「松江は不昧公で有名ですが、私がきわめたのは不昧流ではなく、●×流です」(●×部分はすいません覚えてません)とおっしゃっていたのは、そういうことだったのか。

 お茶・お花という伝統文化に疎くガサツな日々を過ごす私の眼と耳には、峯寺でも、護国寺でも、不昧公の件は見れども見えず、聞けども聞こえず、スルーしていたのですね。

 だから、インド料理屋のシンさんに「この人は日本人か」なんて言われてしまうんだね。

 不昧公の墓石には葵の御紋がばっちりくっついていた。
 何か無性に嬉しかった(実は葵マニア)。 
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