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白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2008/10/27(月)   CATEGORY: 未分類
失われた平和
ダライラマ法王東京講演
*期日 2008年11月6日14::00 いよいよ来週
*場所 国技館
*お問い合せ先 ここクリック!


会期末は混むと思ったので、土曜日にミッシングピース(失われた平和)展を見に行く。

 この展覧会はアメリカのダライラマ・ファンデーション(Dalai Lama Foundation)とチベット百人委員会(Tibet 100 committee)が、60人(アメリカでは80人の)アーティストに呼びかけてチベットや平和をテーマに作品をつくってもらったもの。

 ニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコときて、今年東京にきた。

 この企画がはじまった時、もちろんダライラマ法王に報告があがった。

 すると、「なぜ私なのか。ガンディーやマザー・テレサにしたらどうか」とのご下問があったそうで、それに対して主催者は「今を生きている平和運動家とアーティストがともに歩む意味がある」
 と説得したのだそう。

 すると猊下、「自分ではなく、自分のとく『平和』をテーマにしなさい」とさすがな応答。

 どこぞの国の独裁者が国中のロータリーに自分の銅像をどかどかたてて自画自賛してるのとはおおちがい。

 だから、この展覧会はいわば政治的なプロパガンダとも個人崇拝とも無縁である。

 「ダライラマの名の下に本当に才能ある現代芸術家があつまって平和を表現する場」とでもいうべきか。

 わたしは博物館にはよく行くのだけど、美術館ってちょっと苦手で、敷居をたかく感じていたが、この展覧会は面白かった。


 第一会場にはリチャード・ギアのとった東チベットの行者の写真とか、チベットの非暴力の闘争をチベットの画家テンジン・リクドゥルが書いた、ゲルニカみたいな絵とかが置いてある。どれもオタクにはたまりません。
 で、最後の部屋の真ん中には、坂本龍一がダライラマ法王にあった時の感動を音で形にしたものが置いてある。音で形をつくるって、どうゆう意味かというと、そこにおかれている細かい砂が音の振動で動いて常時違うかたちを描き出しているのだ。 人為を排したワンダホーな作品である。
 
 第二会場なんて、16個のiPodが円形に並んで、120人のスピーカーが「無常」を語るのを放送していたりする。 一人一人の声はよくきこえず、全体としては喧噪だが、無常について語る音声も無常なことを表現しているのだろう。

 第三会場では120人のチベットのお坊さんの顔がびっしりならんで、全部一人一人が別の映像で一人一人別のことばをしゃべっていたりする。いろんな人がいっぺんしゃべる言葉は滝のような音と映像。
 
 とにかくクールなのである。!

  ちなみに、会場が三つに分かれているのは、開催にあたって公共の美術館がびびってどこもひきうけてくれなくて民間のホールを借りたからだという。

 最後にわたくしのイチオシの作品。なんといっても私の心をとらえたのはダライラマ猊下の靴にオーラをあしらったシルヴィ・フルーリの作品であった。

 むろん、作者は「ダライラマ法王の人格の輝き」をはきものの後光という形で表そうとしたのだが、それに対するダライラマのコメントが神。

 「この靴は何度も底を張り替えたので、そこにあるオーラは靴職人のものでしょう

 どはははは。

 このミッシングピースの帰りに、フィールチベットの会場にたちよる。チベット書籍・物品を扱うカワチェンのケルサン氏がプロデュースしている展示会。

 今週金曜日、チベット学会で上京する小野田先生を捕まえて、ダムニェンとゆかさんの歌のコラボが行われるそうです。まだ場所が決まっていないそうなので、ギリギリになったらこのページを確認しよう(笑)!
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DATE: 2008/10/23(木)   CATEGORY: 未分類
イェティ捜索隊2008
 チベットに関して久しぶりに、なんじゃこりゃあなニュースが流れた。

ヒマラヤに雪男? 捜索隊が足跡撮影、隊長は「確信」
(2008年10月21日22時22分asahi.comより転載)
 ネパール・ヒマラヤのダウラギリ山群でイエティ(雪男)と呼ばれる謎の動物を追い求めていた「イエティ捜索隊」(高橋好輝隊長、朝日新聞社後援)が、正体不明の足跡を見つけた。足跡を撮影したカメラマンの折笠貴隊員(46)が21日帰国し、朝日新聞社に写真を提供した。
 高橋隊長はイエティの正体を類人猿の一種と考えており、「足跡はイエティのものと確信している」と話したと言う。折笠隊員は9月21日朝、稜線の鞍部(4465メートル)で岩に積もった雪の上に細長い形の足跡を発見。見つけたのは1個だけで長さ18センチ、幅8センチあり、指の形がはっきり残っていた。その後も2度、別の場所で同じ足跡が見付かった。
 捜索隊は03年にも現地入りし、足跡を見つけた。足跡は付近に生息するクマやユキヒョウなどと異なる。監視活動を約40日間続けたが、自動撮影カメラによるイエティの撮影は成功しなかった。


ネタかと思いきや、どうも大まじめにやっているみたい。協賛 サントリー、そして、

後援 朝日新聞

イェティといえばいにしえから低酸素がみせる幻だの、ネアンデルタール人の生き残りだの、着ぶくれた現地の人だのいろいろ説があるが、何にせよ、21世紀にいまさらイェティ探す意味、それも民放の特番ならいざしらず、大新聞社様の後援でやるのは微妙なところである。

でホームページで隊員名みて二度びっくり。某A君の名前が見える(イニシャル違うからね)。

このAくん、かつて早大の探検部に所属していた。彼は03年に突然、
「今八宿にいます。明日から、ヤル・ツァンポ渓谷に入ります。ペマコ(屈曲部分の内側地域)についての情報をください」みたいな趣旨のメールを送ってきた。

ツァンポ河はチベット高原を西から東にむけて流れる大河である。この河は東チベットでその方向を360度クキッと曲げて、東から西に流れてやがてブラフマプトラ河になる。このクキッと曲がった部分は人跡未踏の峻険な地形であるため、長い間、ツァンポ河とブラフマプトラ河は別の河ではないかと思われており、地理上の謎であった。

 しかし、19世紀の終わり、パンディット探検家たちが丸太流したことなどによってやっとこの二つの河が一本であることが証明された。

 しかるに、このクキッと曲がった屈曲部が秘境であることには変わりなく、そのため、チベット人にはここにはチャクラサンヴァラ・タントラの聖地があるとか、仏教が危殆に瀕した時、仏教徒を匿ってくれる異空間があるとか、様々に噂されてきた。1959年にダライラマの後をおって大量の難民がヒマラヤを超えた時も、とりあえずこの地域に逃げ込む人はたくさんいたが、結局みなブータンに抜けた(笑)。

西洋の探検隊もずいぶんアプローチを重ねており、ある時期からここには段差の大きな美しい「虹の滝」があるという噂がたち、Aくんをはじめとする探検家たちはこの地にあこがれてきたのであった。

しばらくして、彼は帰国し、「無事ホクドルンまでトレースしました。僕はここがパドマサンバヴァが封印したペマコではないかと思います。先生のお話を伺いたいです」とやってきた。

そんなこと言われても、そこが聖地ペマコであるか何かなどは、ニンマの行者ならぬ身。何を応えることができようか。「修行してみてはかどったらたぶん、そこ」としか言いようがない。

というわけで、彼はあのとき某新聞社に内定がでていたが、今はイェティを探しか。

それもまた人~生~。
あ~あ~、ツァンポ河の流れのよーにー♪
(美空ひばりの「川の流れのように」の節で)


このぶろぐでも紹介したお笑いミャンマー紀行『ミャンマーの柳生一族』の著者高野秀行さんは、たしか探検部だから、彼の先輩にあたる。高野さんの処女作が
『幻獣ムベンベを追え』
だったから、きっと幻獣さがしは、早大探検部の伝統なんだろう(笑)。

20世紀初頭まで、探検家は英雄であった。帝国主義の時代、列強の勢力の及んでいない未開の地の地理的・人文的情報を得ることは、いずれそこを自国領にするための準備段階とみなされたため、国益にかなう探検隊には朝野を挙げての後援がなされていたのだ。
しかし、帝国主義の時代が終わった今、その上人間が増えすぎて世界が小さくなってしまった今、探検家はもはや英雄の職業ではなくなり、自分探しの旅人なみに怪しい存在。

そもそも、未知の領域なんてもう宇宙と地下と無意識と異次元くらいにしか残っていない。
幻獣はまさにこの四つのうち最後の二つの領域に属するもの。
たぶん実体としては永遠に捕捉はできないだろう。


謎は謎のままの方がいい。
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DATE: 2008/10/19(日)   CATEGORY: 未分類
自由すぎるゼミ生たち
 早稲田祭はいろいろな籤で落選して、結局アカデミック展示でゼミで参加することになった。でもなんかスペースが小さいので、マンダラはって、マントラ流して、チベットの地図はって、レポート飾ることにした。地図にはりたおす写真はゼミ生が旅行好きが多いので、ラダックとか、シッキムとか、ダラムサラとかラサなら全部彼らの自前でできる。
 と思っていたら、Mくんからメール。

差出人 : M
日 付 : 2008年10月17日 03時45分
件 名 : さっき
さっき早稲田祭のアカデミック部門の会場の6号館が爆発して炎上してましたよ。


げっ、と思って朝のニュースを見ると↓

[17日6時37分更新]
東京・新宿区の早稲田大学で17日未明、化学実験室が燃える火事があった。
警備員は「うちの警備の者が爆発音のようなものを聞いた」と話した。
17日午前1時すぎ、早稲田大学6号館の4階から火が出た。
火は、化学実験室の一部を焼いて、およそ1時間20分後に消し止められた。
けが人はいなかった。警察と消防は、出火原因を調べている。


まあ、一部焼いたくらいなら、大丈夫だろう。
問題は、先週くらいから準備にはいってみなにいろいろ仕事をふろうとするが、そもそゼミに来てない人がいるてこと。

 ていうか、この国にすらいない。

昨日、ダラムサラのTちゃんからみなにメールがきた

はうあーゆー たしでれー ぼんじゅーる らまかはー 
たくさんメールが来ててびっくりしました
祭の準備参加できなくてごめんなさい
I can hardly express my appreciate for you!

今ぼくはダラムサラあたりの●×■で暮らし
たくさんの自然とたくさんの良い友人と幸せな毎日です
みんなも日本で幸せな日々をお過ごしかと

ダライラマは今世界に広がるくらい大きな問題を抱えてるはずなのに
今まで見たことのないフルスマイルな人で
やっぱそうだよねThat's it!

もうそろそろ帰りまーす
おみやげリクエストあたらテルミー
ではでは!。


・・・・・・

で、そのすぐあと、授業をさぼって韓流スターのおっかけやっている韓国にいってるゼミ生がこんな日記書いてた(原文は全部ローマ字。サービスで平かな変換しました)。

こんな あさ から taxi の おっちゃん と netcafe に います。
なに を しているのでしょうか
とりあえず ひま です。

7時 まで ここで たいき です
But I don't know the gate will be open or not at that time.
こんなこと いって わけが わからない と おもいます が  no problem.
わたし も わかりません。
×●■▲
I can't get his sighn and today is the last chance for me.
But I think I can't get today too,so I saw many people to wait the gate open.
こっち で 韓流 friends は たくさん できました。
Anyway, English が わかりません。
きこく したら べんきょう します。


自由すぎる。

ルー大柴のような混成言語に、かれらのコスモポリタンとしての素質をみると同時に、ヌエになる危険を感じる。後世、わたしは指導力不足教員と生徒の自主性を尊重する教師とのどちらをもって評価されるのだろうか。

 まあ、まじめに考えれば前者だろーなー。

 だめだこりゃ。

 で、昨日は東急カルチャーさんの初回の日。歴史なんかやってつまらながられるんじゃないかとヒヤヒヤである。昨日のままの出席率が続くよう、努力します。

 今日はフィールチベットで四時半からお話しにいきます。当日でもOKらしいですよ。詳細は以下!

満員御礼で修了いたしました。ありがとうございました

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DATE: 2008/10/15(水)   CATEGORY: 未分類
大師堂の奇跡
 
「雪の国の法王ダライラマを知る」
*期日 2008年10月19日16:30-18:00 いよいよ今週
*場所 奈良県代官山スタジオ 地図←クリック
*お問い合せ先 Feel TIBET実行委員会 →クリック


 護国寺さまで、半年近く行われていた毎晩のキャンドルナイト(後半はキャンドル抜き読経)が先週金曜日10日をもって、とりあえず修了した。

 そもそもの発端は、今年三月チベット蜂起があった時、六本木デモに参加した在日チベット人の若者たちが「お寺にお参りしたい」といい、去年ダライラマ法王が訪れた護国寺さんでお経を上げた。

 そしたら、なかなかいいカンジだったので、今回の蜂起でなくなったチベットと中国の方々の供養のために、キャンドルもってなんとなく人々が集うようになった。
 そのうち、護国寺の有志の方が大師堂を開けてくださるようになり、毎晩7時から八時半までの間に定例の集まりがもたれるようになった。
 そこでは、自然発生的に集まった若者たちによって、読経が行われるようになった。

 某大運動会の開会式の日のキャンドルナイト、ダライラマ法王の呼びかけた世界断食などのイベントの時には150人以上の人が集まり、平日でも常時入れ替わり立ち替わり若い方たちが、二十人前後集まってお経を読んでいた。

 それもチベット語で(笑)。

 観音真言オンマニペメフンや、パドマサンバヴァの真言、ダライラマの真実の祷りなど、チベット語の発音でお経をあげていたのだ。それも毎晩。

 最終日には、二百人の方たちが集まって、名残を惜しんだそうである。

 毎晩出勤していた護国寺側の関係者の方に、「さぞや大変でしたでしょう」とメールをお送りしたら、そのお返事がきた。

 私信なので要約すると「とてもいい集いだった。参加者が利他の精神を少しずつ浸透させていき、チベット仏教と日本仏教の線引きをしない自由な感覚の若い仏教徒が増えた。」「まだありますが、こんな恵みを頂いてしまっていいのでしょうか? 」

 うーん、これはすごい。大師堂はどうもすごい場となっていたようである。

 日本仏教の経典すら読んだことのない若い人たちが、チベット語の経典よんで、しかも、仏教が理想とする利他の精神について考えるようになったのだ。

 このような現象がおきた背景には、もちろん護国寺様のご協力、集まってきた若者たちの心のまっすぐさ、プラス、やはりチベットをめぐる現状を通じて若者たちがはじめて仏教にふれた、などがからみあって出現したものであろう。

 仏教青年会にかかわって見てわかったけど(今はもうすごい状態)、日本仏教に興味をってもらうのは本当に難しかった。せいぜいが「仏像は美しい」「禅のセンスは素晴らしい」までがせいいっぱい。仏教の思想とか、それにのっとって人格の陶冶をする、なんてことまでいいだしたら、ヘタすればカルト扱いされるのがオチ。

 ところが、これがチベット仏教のシステムに則ると人々はじつに自然に仏教に興味をもってくれる。

 たとえばこんなカンジ。
 六道輪廻図の各所を指しながら、仏教の輪廻と解脱のシステムをちゃっちゃっと説明しながら基本的な仏教の概念を覚えてもらう(所要時間三十分)。
 そして、仏教で一番大事なのは、自分ではなく他者の利益を考えること、覚りを目指す場合も、自分のためではなく、「他者のために覚りを目指す心」(菩提心)が一番たいせつよ、と説く。

 そして、「ダライラマ法王はこの菩提心をもって生きてきたので、中国に占領されて国を失って、その上今に至るまで中国政府から、人面獣心の悪魔、とか信じられない罵詈雑言をあびてきたけど、ずーっと、中国人を兄弟と呼び、共生を説き続けてきたんだよ」と言えば、たいていの人は感心して、黙っていてもダライラマ法王の自伝映画「クンドゥン」見てくれるし、『ダライ・ラマ自伝』もってラサにいき、ノルブリンカ宮で1959年のあの三月をしのんで涙ながしてくれる。

 で、人を幸せにするものは、金や名誉やモノではなく(もちろん最低限は必要だけど、とらわれちゃダメという意味)、人を愛する心であることを自ずと悟ることができ、結果、出来る範囲内で自分も人を思いやろうという方向に自然に向かってくれる。
  
 ダライラマという仏教思想を体現した生きた手本が、誰もが知っている激動の現代史を、垢にまみれずに生きぬいてきたことが、人々に感銘を与え、動かしていく。

 チベット仏教では末法を「仏の教えが名ばかりになる時代」と表現する。仏の教えはかろうじて経典の中とかに存在するものの、誰もそれを実践するものがいなくなった時代である。

 社会主義中国に占領されたチベットでは、僧団を維持していくことができなくなった時、チベットの僧侶たちは亡命の道を選んだ。

 ある意味、チベットは器としての「国」を護るためよりも、この実践者たちの集団(僧伽)を護るために、国を捨てたのだとも言える。


 一方、日本仏教界は明治元年の廃仏毀釈とともに衰退して現在はズンドコ状態であるが、かろうじて国はある(笑)。

 日本がハード(器)、チベットがソフト(人と教育システム)を提供しあえば、「仏教が名ばかりになる時代」の到来を、もう少し先延ばしできるかもしれない。

 大師堂でおきたことを見てそう思った。

 と思っていたら、こんなことに

チベット基礎講座(bTibet08)
日時:2008年10月18日(土)/11月15日(土)/12月20日(土) 
会場:大本山護国寺 東京メトロ有楽町線「護国寺」駅  1番出口すぐ
料金:入場無料
詳細→ここクリック

 チベットのお坊さんをお招きしての月イチ講座です。
 成功の鍵はチベットは通訳の練達度とみた。
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DATE: 2008/10/11(土)   CATEGORY: 未分類
「誇り」が変質する瞬間
日本からノーベル科学賞と物理学賞の受賞者がわらわらでた。
 
 このうちアメリカボストン大学の名誉教授下村脩(80)さんが

「自分は小さな大学の出身である、そんな大学の出身者でも、ノーベル賞がとれるんだ、ということで若い人の励みになるといい」

 みたいなことを受賞の言葉として述べていた。そしたら、長崎大学の学長が

この大学で勉強したことがためになったと何度もいってました

みたいな内容のことをいって、有り体に言えば大学の宣伝につながっていくような発言をしていたが、

 80才の下村さんがでたころの長崎大学と今の長崎大学は別のものだし、下村氏は「有名大学のブランドによりかかるのではなく、自分の努力や才能を信じてがんばれ」てな普遍的な意味でのエールを未来の受賞者たちに送ったのだと思う。

 一方、もし長崎大学が下村氏の栄誉をもって「長崎大学というブランド」を売りだそうとするなら、それはたぶん下村氏の発言の意図とは正反対になることと思う。
 
 と、居酒屋でゼミ生に語ったら

 「学長にコメントとりにいくマスコミがいけないんじゃないですか」
 と本質を突く発言をされた。

 関係ないけど、その居酒屋で別の学生から
 「先生、左ですか」
 と言われて、
 「私のどこが左なんだ、私は右でも左でもない」
 といったら、「左利きですか、と聞いただけなんですが」
 といわれた。

 はい、本質、左利きです。字を書くときだけ右になおしました。

で話を戻すと、同日、こんな記事が↓

ポール・マッカートニー、マクドナルドにご立腹(バークス - 10月10日 09:10)

リバプールのマクドナルドが、店内に地元の英雄、ザ・ビートルズのメンバーの写真を飾っていることに対し、当のポール・マッカートニーが憤慨しているそうだ。マッカートニーはその道30年という屈指のベジタリアン。CMやプロモーションなど直接的な販売促進ではないにしろ、どんな形であれバーガー屋に関わるのは嫌なのだろう。
『The Sun』紙によると、マッカートニーのスポークスマンは「マクドナルドをボイコットしろ」と怒り心頭だ。「マクドナルドは、ビートルズ・ファンをバカだと思っているのか? ハンバーガーを売るのに(マッカートニーの)写真を使うなんてとんでもないし、侮辱だ。ファンはマクドナルドをボイコットすべきだ。リバプールだけじゃない」
マッカートニーは、ベジタリアン協会Vegetarian Society of Great Britainの代表で動物愛護協会People for the Ethical Treatment Of Animals(PETA)のサポーターでもある。


 ビートルズはリバプールという貧しい港町から、世界に羽ばたいて、一時代を画したバンドである。メンバーの半分は死んだあとも、マカートニーは音楽活動の傍ら、平和運動やったり、ベジタリアンやったりして、社会的な使命を果たしてきた。

 リバプールの人々がそれを誇るのは自然なことで、その気持ちが個人のレベルでとどまっているなら、まったく問題はない。

 でも、マカートニーの主義主張とはったく異なる事業を行っている、しかもグローバル企業のマクドナルドが、マカートニーの肖像を用いて商売するのは、便乗商法と言われても仕方ない。

 みっともない。

 そもそも、何か偉大なことを成し遂げる人とは、その人の育った環境、能力・努力、運、など様々な要素がからみあって出現するものだ。そのうちのどれか一つが、しゃしゃりでて、「私のお陰でこの人が世に出た」みたいなことを言えば失笑されるだけ。

 自分の育て方がよかったせいで、自分の子供たちがいかに出世したか、素晴らしいか、、などと吹聴し続ける親は、老人ホームに入ったら孤独なるだろうし、子供もうんざりしてよりつかない。

 個人のレベルで、偉人に憧れてたり、郷土の誇りとかいっているうちは、美しい。

 けど、特定の集団や党派や企業、それも、まったくその偉業とは関係ない人々が、自分たちの集団の利益のために、偉人を利用したり、依存したりすると、とたんに腐臭を放ちだす。
 
 オリンピックの金メダルしかり、ノーベル賞しかり。 
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DATE: 2008/10/05(日)   CATEGORY: 未分類
『ダライ・ラマのビジネス入門』
世の中はリーマンショックだの、「終わりの始まりか」など騒いでいるが、そもそも、

諸行無常の世の中に永遠に右肩上がりなんて続くわけないし、
バブルがはじけないように小バブルな対策をとるというやり方で破綻がふせげると思っていた経済界もどうかと思うし、

いまさらそれが起きたからといって、騒ぐ意味がわからん。


 ギャンブル依存症の生活破綻者が大阪の個室DVDカフェに火を付けて関係ない人15人も死なせたけど、アメリカの金融界がやっていたことはまったく同じだよ。

 返せない人に住宅ローン貸しまくればいずれ破綻する。こんなギャンブル資本主義やっているから、破綻した時に、まじめにやっている企業まで連鎖倒産して一般人が失職して首つりがでる。

 なんで皆はあのおっちゃんのことをケーベツするのに、金融界や経済学者を軽蔑しないんだろう。

 やってることはまったく同じなのに
 事があまりに大きいとかえって本質が見えなくなるのかな。

 折しも、マガジンハウスさんから『ダライラマのビジネス入門』をご恵送いただいた。
あざとい題名だけど、普段、仏教とかに縁遠いビジネスマンとかがダライラマ本を手にとる契機になるのかもしれないから、アリということにしよう。

 この本はダライラマ法王が、経済コンサルタントのムイゼンバークという人と対話しながら作り上げているものである。ムイゼンバークのいうことはゴチックになっていて、ダライラマ法王の発言は普通字体で区別してある。

 従って、ゴチック部分だけ読むとただの企業ガバナンス本だが、普通字体の方を読むと当然のことながら、いつもの猊下である。

 で、

 アダム・スミスやそのほかの経済学者は、富の創出にこだわりましたが、富の分配に関しては何も考えを述べていません。
 その一方でカール・マルクスはこれと反対に富の分配だけに興味を持ち、富の創出には感心がなかったのです。
 富の正しい創出と正しい分配は、そのどちらも非常に大切だとわたしは考えます。

 いやー、猊下、まったくその通りでございます。社会主義はビンボーで破綻したし、資本主義は格差で破綻しそうなんだから、真理はこの二つの中間にありますよねえ。
 で、仏様の教えに従えば、 以下の問いに対して、〔〕内の答えができるようになると説く。

 合法的に富を得ましたか(はい)
 あなたの富はあなただけを幸せにしましたか (いいえ、他の人も幸せにしました)
 あなたは他人と富を分け合いましたか(はい)
 あなたはその富を用いて善いことをしましたか(はい)
 ※この場合の良い行いとは、人を幸せにしたり、人の苦しみを減らしたりする行為のことです。
 あなたは自分の富に執着していますか(いいえ)
 あなたは富の持つ危険性に気づいていますか(はい)
 あなたは「心の自由につながる洞察力」を持っていますか(はい)
 「心の自由につながる洞察力」とは、自分の力ではどうすることもできない理由で富は増えたり減ったりすることを理解している、ということです。・・・富に心をとらわれすぎてしまうと、心の自由を失い、すべてに気をもむことになります。

 というわけで、お金は自分のためではなく、人を幸せにするために稼ぎなさい、お金がなくなったからといって動揺することはありませんよ、諸行は無常なんですから、てな真理をお説きになっているわけです。

 そいえば、前にロサン・ガワン先生から毘沙門天の灌頂を授かったことがあるけど、これはお金をひきよせる尊格だけど、この毘沙門天の力は自分のためではなく、人のために使いなさい、とおっしゃっておられた。
 
 真理であるな。

 この前なくなった、ポールニューマンは自分ブランドのドレッシングをうって、その売上金500億円をみなチャリティに寄附していた。彼は「持てるものの義務」をきちんと果たしていた。

 だから、世間に愛され、その死をみなが悼んだ。

 では、ホリエモンは? 三笠フーズの社長は?  
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DATE: 2008/10/01(水)   CATEGORY: 未分類
シャングリラへようこそ!
世界を巡回中のチベットをテーマにした現代美術展がいよいよ日本にきます。

女優の木内みどりさんがプロデュースしており、さらに、ダライラマ法王御公認です。
ミッシングピースとは「失われた平和(Peace)」と「見つからないパズルの一片(Piece)」といった意味がかけられており、

平和とチベット文化がないと世界が完成しない的な意味をこめていると思われます。

ダライラマ法王、信仰、思いやり、人権、グローバリゼーションなどをテーマとした61作品からなりたっています。

ミッシング・ピース 東京展
〈開催日時〉10/17(金)~11/9(日)11時~19時
〈場所〉代官山ヒルサイドテラス (東急東横線代官山駅下車)
〈詳細〉http://www.missingpeace-jp.org/about/index.html

で、代官山駅とミッシングピースの会場の間に、チベットの民俗文化の展示会「チベットを感じる」も開かれます。

FEEL TIBET(フィール・チベット) - チベットを感じてみよう

〈開催日時〉10/17(金)~11/9(日) 東京・代官山11時~19時
〈場所〉奈良県代官山iスタジオ(東急東横線代官山駅下車)
〈詳細〉http://www.feel-tibet.org/


 奈良県代官山スタジオって最近報道された「中国で養殖がさかんなヨーロッパウナギ」なみに意味不明だが、奈良県の宣伝のために代官山につくったスタジオらしいです。

で、この会場では土日にチベット関連の講座を開くのですが(→くわしくはここクリック)、
わたくしは10/19四時半より「雪の国の法王、ダライラマを知る」をいたします。
ダライラマ法王について知りたいかた、どんどんおこしください。
で、お時間のある方はミッシング・ピースにもぜひ足を運んでね!(て、この講座がミッシング・ピースに寄生してるんだけど 笑)

 歴代ダライラマ法王にまつわる泣ける話なんかを満載しておきます。

 そいえば、この夏、ラダックを旅行したOさんから人づてに「ラダックのおみやげ」を頂戴したのですが、その中にダライラマのブロマイドが七枚! ツボに入りました。
 そのうちいかにもチベットブロマイドな一枚をご披露、去年の十月ホワイトハウスでアメリカ議会よりゴールドメダルを授与された時の写真です。 ダライラマ法王をはさんで右が噂のペロシ議長です。
goldmedal

 彼女がことし広島にきて慰霊碑の前にぬかづいたのも(それまでアメリカの公人は原爆で終戦が早まった。だから、原爆投下は間違ってないといって、広島での式典への参加をキョヒってきた)、下院で北京にいくブッシュに対して人権を配慮するような決議をできたのも、彼女が長年チベットに親しんでいたことと無縁ではありますまい。

 それを証拠に、広島にきたペロシ議長に、フリチベ戦士が「ナンシー」とチベット旗をふると、ナンシー

「タシテレ」(チベット語でこんにちわ)

と笑顔で合掌したんですよ。こんな美しいしゃれたことのできる政治家がいると、アメリカってまだいけるかも、と思ってしまう。

 というわけで、十月はミッシング・ピースとフィール・チベットをよろしくお願いします。
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