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白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2008/04/28(月)   CATEGORY: 未分類
倶会一処
日曜日は大阪の清風学園にロサンガワン先生の灌頂を受けに行く。

 ロサンガワン先生はチベット二大密教学堂のうちの一つギュメ学堂の元僧院長であり、折り紙付きの高僧。

 ここ数年、体調を崩されては日本を訪れて加療しており、その合間をぬって灌頂(チベット密教の入門儀礼)を授けてくださっている。なので、私は日本にいながらゲルク派三大密教経典のうちの二つ、グヒヤサマージャとヴァジュラバイラヴァを受けることができた。

 先生は次に残る一つのチャクラサンヴァラ尊の灌頂も日本で授けたかったらしいが、体調が許さなかったとのことで、昨日本尊に選ばれたのは、より少しの体力ですむチャクラサンヴァラ尊のパートナーであるダーキニーであった。

 この灌頂は清朝最盛期の皇帝乾隆帝も、その師チャンキャ二世から授かっているため、乾隆帝とチベット仏教についての研究をしている自分としては、なまの儀礼の実際を知るチャーンスと、大阪まで飛んでいきましたよ。

 今回、参会者には三年前にツォンカパの聖蹟ツァーをやった時、セラチョーディンにアタックしたコアメンバーがなぜか申し合わせたようにそろっていた。倶会一処やな。

 内輪話になるけど、三月の末に共同通信社から配信されたチベット問題を論じた拙稿が、なぜかこの日の大阪日々新聞の朝刊にのっため、主催者の好意で参会者に記事コピーが配られる。
 最初にダーキニーについて少し解説をと言われるので、「ダーキニーは仏の智慧=空を象徴する女尊でーす。詳しくはロサン先生のお話を聞いてね、あと、記事よんでチベット問題を応援してね」と話す。

 そして儀式が始まり、花輪の灌頂から続いて四灌頂が滞りなく行われた。主旋律はやはり、「命あるものを救うためという動機をもって仏教を学びなさい。自分のことはほっといてもついてくる」あるいは、「この世の存在はすべていろいろなものの集合体に名前をつけただけのもの。それから離れた実体、本質などといったものはない」という存在論。
 コネタの面白い話としては、ゲルク派(別名黄帽派)の開祖ツォンカパはダーキニーのお告げをうけて、自分の帽子の色を黄色に変えたのだという。そのお告げとは「汝の帽子の色を黄色にするとあなたの教えは至る所に広がり、ずっと続くであろう」というもの。

 ロサンガワン先生は〔ツォンカパの仏教が続いているから〕「だからこうやって今日あなた方に灌頂を授けることができるんですよ」とおっしゃられた。

 じつは先生はかなり体調がお悪く、一年前のゴールデンウィークの時点で、昨年の十一月までしかもたない、と余命宣告されていた。取り巻く人々はそれを聞いてみな悲しんだけれども、当人はさすが高僧、ひょうひょうとして動じていなかった。そして、時々インドに帰りながらも、日本で治療を受け続けていらっしゃったのだが、やはりどんどん体重はへっていった。

 しかし、最初の余命宣告である十一月をこえ、年が明けて四月にもなった今も、こうして灌頂を行っている。関係者のお話によると、「灌頂をやる」ということが支えとなって先生の気力を持たせているとのこと。命をはって行われている説法に、聴聞する方も厳粛な気持ちになる。

 灌頂儀式がおわった後、先生は一言いいたい、とおっしゃられ「昨日、テレビで日本のみなさんがチベットの旗をもって行進しているのを見て、涙がでるほど嬉しかった。ありがとうございました。」と挨拶された。

 先生がチベット問題に言及するのを聞いたのはこれが初めてだったので、すごく心が動いた。

「先生のご長寿をみなでお祈りください」と主催者がしめの挨拶をしたあと、先生は退場。列席者はみな自然とたちあがり、あるものは合掌し、あるものは拍手してお見送りをする。

 仏教の伝わってきたすべての時代、地域で何度も繰り返されてきた光景がここにある。
 チベット仏教そう簡単に滅びません。仏教二千五百年の歴史をなめたらあかん。

 
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