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白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2006/09/30(土)   CATEGORY: 未分類
アメコミ全身タイツ考現学
秋深し。書庫に入るのに荷物をコインロッカーに預けようとしたら、百円がない。仕方ないので、荷物から金品をとりだして、ロッカーに鍵をかけないまま鞄をいれて書庫に入ることにする。

 さて、何をとりだしておくか。財布とカードホルダーと手帳、こんなとこだろうな。

あとは誰もほしがらないようなものばかりだ。そして、家に帰ってしばらくすると、中央図書館から電話が・・・・。

 あれっ、返却期限をすぎた本があったかな。と不安に思いつつ受話器をとると、
「イシハマ先生ですね。レファレンスにカードホルダーの落とし物が届いています。」

言われてみれば、ない。

またやっちゃったよ。わざわざ金品をとりわけて、それを書庫の中にわすれきてる。

でもでも、例によってちゃんと戻ってくるところが日本って、早稲田ってすごーい(つか、そもそも落とすなよ)。

 で「イーオン・フラックス」を見る。

 アメコミらしく全身タイツのおねーちゃん(シャーリーズ・セロンともいう)の肉体美を強調するためだけのアクション(暴力)・シーンが繰り返されているだけ。他は何もなし。

 素朴な疑問なのだが、アメコミはスパイダーマンにせよ、スーパーマンにせよ、エレクトラにせよ、X=MENにせよ、でアデビルにせよ、どーして男も女もヒーローはみな全身タイツなの?


 短足胴長の日本人のコスプレにむかんわな(別にコスプレしなくていいて)。

 それからどーしてタイトルがみなヒーロー(ヒロイン)の名前なの? 主人公の超常能力にたよるのみで、ストーリーが甘いから、内容のある題名つけられないから? 

 はっきしいうとアメコミって単純すぎない?(なら見るな)。
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DATE: 2006/09/26(火)   CATEGORY: 未分類
気がつけばアメリカ人
 韓国からチベットを研究する学生金君がやってきたので、ほぼ同じ時代を研究するK嬢を加え、三人で研究室で懇談する。

 とりあえず、友好の意思を示すため、4様マグカップを金くんにみせる(笑)。

 このマグカップは釜山で創られた4様の事務所が見たら怒り狂うであろうパチモンである。某ゼミ生が自分の出席日数の不足を補うつもりか、わざわざ韓国までいってかってわが研究室にもたらしたものである。

 (誤解のないようにいっておくが、私はこのマグカップで彼の成績に手心を加えたことはない。)

 話がそれた。金君はこのマグカップをみて笑っている。よし、友好関係成立(何を根拠に・・・)。

 彼は『チベットを知るための50章』を韓国語に翻訳してくれるのだという。そいえば山川出版社の『中央ユーラシア史』も何年か前韓国語されてていたし、韓国では日本の啓蒙書を翻訳することが院生の習いになっているらしい。

 金君は現在、アメリカ留学を計画中だという。私のもっとも身近な韓国人の知り合い(現在○京大学に留学中)Y嬢によると、韓国で研究者をめざす院生は、だいたい中国・日本・アメリカに留学を試みるそうである。


 してみると韓ドラでよく、主人公が唐突にアメリカ留学とかフランス留学とかいっちゃうのを見て、「ありえねーよ」と思ったけど、ある程度は現実を反映しているのだな。

 にしても、金くん、おとなしい。○京大学のY嬢も非常に控えめで、謙虚な女性だが、彼もまた輪をかけて静か。こんなんおとなしくて、あの生き馬の目を抜く自己主張大国アメリカでやってけるのかいな。

 これは本当はいけないことなんだけど、韓ドラとか見ていると、つい韓国人は誰しもエネルギッシュで情熱的だと思いたくなる。しかし、身近にいる韓国の学生たちをみてるともみな控えめでつつましやかで、テレビとぜんぜん違う。なんでもレッテルをはって定型化するのはよくないな。
 
 日本人がみな大和撫子とサムライでないように、韓国人がみなあのようにアグレッシブでエネルギッシュであるわけないのである。

 Y嬢のお宅に食事におよばれしたことがあったのだが、お父上がこれまた物静かで控えめで、いかにも知識人然としたステキな紳士であった。

 誰だか名前忘れたけど十年くらい前、早稲田が韓国のとある老歴史学の教授に名誉博士号をだしたことがあった。博士号を授与された後、その老教授は東洋史のパーティの席でスピーチをしたのだが、これまた非常に知的で品がよくステキな老紳士であった(その上実に美しい日本語をお話になる。私の日本語なんて彼に比べたらヤンキーである)。

 で、そこでふと、自分は彼らの目にどううつっているのかに思いいたる。

 さっきから、彼の二倍はしゃべっているし、テンションも遙かにたかいし、研究に関するアドヴァイスもなんか非常におしつけがましくしている気がするし、まるでアメリカンじゃないか(ああ、また特定の民族を定型化してしまったわい)。わたし。

 そいえば、前にモンゴルからの留学生にも、「イシハマさんの言葉は早口で、しかも聞き取りにくい単語が多い」と言われたが、彼らが聞き取りにくいといっていた言葉の大半は、彼らが覚えない方がいいような(俗な)単語であった・・・・。

 反省。
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DATE: 2006/09/24(日)   CATEGORY: 未分類
浦和にマンダラ展を見に行く
 昨日、埼玉県立近代美術館で行われているマンダラ展を見に行く(本日まで)。

 マンダラは主にネパールやモンゴルのものであるが、ネパールにはチベット難民のコミニュティがたくさんあるので、展示品の中にはチベット仏教スタイルの鋳造仏やマンダラや仏画もちょっとはある。

 展示のコンセプトはマンダラの構造やマンダラに登場する諸尊のグルーピングを紹介する、いわば啓蒙に重点がおかれている。

 そのため、展示品自体に骨董的価値のあるものは少なく、ほんどが20世紀に入ってから書かれ、あるいはつくられたもので、とある立体マンダラにいたって2002年つまり21世紀のものまであった。

 もっとはっきり言うと、「パルコル(ラサの目抜き通り巡礼路)に、こんな仏像や仏画あったな」というような「ごく最近創られました仏像や仏画」ばかりで、もし、ミュージアムショップでネパールの直輸入の手書きの仏画とか売っていたら、展示品と本質的には変わらないんじゃないかと心配になる。

 「ま、でも、啓蒙目的の展覧会なので展示品の新旧は関係ないか、私も教材としてダラムサラで400円で買った金剛杵や金剛鈴とか使っているしな」と気を取り直す。
 
 マンダラは密教の修行のはじめに行う生起次第の世界をヴィジュアル化したものである。
 
 生起次第とは、何もない空間から世界を順次創出していき、その世界を仏の現れであるとし、再びまた何もない空間に戻していくという観想トレーニングである。その時創出される世界の形を、絵や砂や金銀をつかって二次元、三次元に表現したものがマンダラである。

 西洋では世界は神が創造し、人間は神の創造物にすぎないのに、東洋思想ではボクもアナタも創造を追体験する。ボクもアナタも世界を(観想の上で)創造して、「世界の中心で解脱(世界からの脱出)を叫ぶ」のである。

 ええのう、東洋思想。

 午後はチベット医学の勉強会。『四部医典』を全文検索しながら病名の訳を確定していく単調な作業。

 伝統医学と現代医学は病気や治療に関する概念が根本的に異なるので、伝統的な医学であるチベット医学を翻訳する場合も現代医学の病名よりは伝統的な和漢とかで用いられてる病名の方がしっくりくることが多い。

しかるに、皮膚にできるデキモノ一つとっても、よう、ちょう、ねぶと、麻疹、など和名でもいろいろあり、どの概念がどのチベット語の病名に比較的合うのかなんて、よほど両医学に通じていないと確定のしようがない。

 かくして、私は杉田玄白が『解体新書』を翻訳した際の苦労をぎゃく追体験することになるのである。

 チベット語の表記をカタカナ書きして(できもの一種)と注記したい衝動にかられるが、それじゃ、翻訳する意味がない。

 異なる言語に橋渡しすることがそもそも難しい上に、さらに背景に越えがたい概念の差があるとなりゃー、もうこりゃ翻訳しない方が世のためかもしれん。
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DATE: 2006/09/21(木)   CATEGORY: 未分類
誰かインドやネパールの毛派に世界史を教えたげて
日本に帰ってきてしみじみ思うのが、治安がいいこと。
そしていい意味でも悪い意味でも人が穏やかで紳士的なこと。

一昨日大学から家に帰る途中、パスネットがなくなっていることに気づいた。どこで落としたかは分からないけど、もしかしてと思った電話ボックスを次の日の遅くに捜したら、おそらくは私が落とした時そのままの場所にみつかった・・・。

ちなみに、残高は1800円。ケータイが普及して公衆電話を使う人が少なくなっているとはいえ、一日以上1800円のカードがボックス内にあって手つかずなのは、やはり日本豊かなんだよ。

ヨーロッパで未開封のミネラルウォーターを脇において一瞬目を離したら、もうなくなっていたりとか、パルコルでコルラしているお客さんのデジカメ(背中のザックに入れてあった)が一周後にはもうなくなっていたりとかすることを考えると、日本のこのヨユーつうかなんつうかはやはり素晴らしい。

私が日本を、そしておうちがすきなのは、この「ボケー」としてても何とか生きていけるゆるさである(最近はそれも危うくなってきたけど)。

今朝の新聞で、「タイでクーデターがおき、これを国民の85パーセントが支持」とか、「毛派がインドの農村部にまで及ぴインド国内治安が乱れまくり」とかいう記事を見ると、衆愚政治ではあるけど、クーデターも毛派もいない日本の幸せがひときわ実感される。

日本は「自分の主義主張のために、ためらいなく他者を害せる人」「うまくいかないことを何もかも人のせいにして自分を省みない人」はまだまだ圧倒的少数派である。時代が大きく動いた時だって、ほとんど流血はなかったし、かりに流血の事態になった場合にも、敗者を神にしてまつり、その魂を鎮める努力をする、他者を害することにびびり民族である(しかして、これが自民族とまりで、他民族に対する態度はちょっとアレだったので今もめているのですね)。

一方、どこの国とはいわないがヨソの国では、ある勢力が一方の勢力を負かすと、負けた側が国王だろうが、貴族だろうが、ヘタすりゃ神だろうが、徹底的に否定して、その痕跡すらなくそうとする。

 民族、文化、宗教、経済力が異なる集団がアンバランスにつめこまれた国がほとんどなので、共通の基盤がなく、一端抗争状態に入ると、他者を思いやる心が育ちにくいのだろう。

 この小さな島国で当たり前のことのように実現していることは、世界の水準から見れば奇跡的なことなのだと思う。この奇跡を続けることができるかは、一人一人が自分自分ではなく、他者を思いやる気持ちをいかに持ちつづけることができるかにかかっている。


※ちなみに、この文章、私の本日の雑感であり、昨日総理に就任した阿部さんの「美しい日本」とは全くかんけーないです。そもそもこの本読んでいないし。
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DATE: 2006/09/18(月)   CATEGORY: 未分類
青い鳥はウチの外ではなく中にいる
 帰国以来、なんとな~く体調がすぐれない。

 しかして動くにはあまり支障がないので、大学いって書類をだしたり、院生の論文みたりもしているのだけど、いまひとつ、こう馬力とかがでてこない。

これは、旅行疲れとかとはちょっと違うような気がする。

あえて表現すれば、「絶対的に安心できる空間」たとえていえば母親の子宮のように落ち着ける我が家という空間に回帰したため、すべてが充足して、何もやる気がでない状態というか。

今日日曜美術館の再放送を見ていたら、90歳を越えた老日本画家(高山辰雄)が、

 「わかりませんねえ。十六七の頃はこの年になったら自然が何かが分かるかと思っていましたが、この年になっても何もわかりませんねえ。ひょっととしたらこのまま死んでしまうのかも知れません。分からないまま。それが人生かもしれません」というのを聞くと、

 「私にはこの人のように、人生を賭して求め続ける何かなんてないなあ」と改めて自分の求道精神のなさ、無気力さに思いいたる。

 私に言わせれば、日本は平和だし、愛鳥ごろうもビミョーな飼い猫餓鬼道も可愛いし、ダンナも私も今のところ健康だしで、これ以上求めるものは何もなく、これ以上何かを求めること自体、強欲すぎる気がする。

 よく、「ここでないどこか」に幸せを探しにいき、家族から離れ、会社をかえ、国をでてなど、様々に遍歴する人がいる。しかし、自分は全くそういうタイプではない。私にとって、幸せは「ウチ」にしかありえない。

 ま、私はおうちが好きなんですね。

 たぶん、天才とかすごい仕事を残す人々は、(さ)迷える人々の中からでてくるのであり、私のような目先に満足するタイプは凡庸に人生を終わるのだろう。でも、いいや。ドラマチックな人生よりも、平穏な人生の方が。ラクだもん。

ちなみに旅行中Lets'noteに三つくらいの急ぎの仕事をいれておいて、それを旅行中にすます気でいたものの、 結果としては、どれもちょっとだけ手をつけただけで終わらず。すべての山に三合目までのぼってどれも折り返して帰ってきたような状態なので、客観的にはこのようにまったりとしている場合ではない。

私個人からはぎらぎらした勤労精神はまったく生じようがないのだが、あまりぐーたらしていると、チベットの護法尊から「働け」とかいって罰とかがあたりそうなので、そろそろ本格的に再起動することとする。

 がんばれ、怠け者のじぶん。
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DATE: 2006/09/16(土)   CATEGORY: 未分類
ディープなチベット・ツァー報告記
おかげさまで無事帰国しました。
なかなかすごい旅で、参加された方はみなインパクトをうけまくっておりました。
わたしは体力的にダメージを受けました。
外部サーバーにて書いております。
↓へどうぞ
http://ishihama.tibetan-studies.net/okamenomori/ishihamayumiko/06Tibettour.html
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DATE: 2006/09/03(日)   CATEGORY: 未分類
ドイツの国際チベット学会より帰国
アムステルダムでの乗り継ぎ三時間の間に書いた
お笑い?旅行記アップしました。
外部サーバーなので以下にどうぞ

http://ishihama.tibetan-studies.net/okamenomori/ishihamayumiko/IATS06.html
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