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白雪姫と七人の小坊主達
なまあたたかいフリチベ日記
DATE: 2021/10/20(水)   CATEGORY: 未分類
聖火リレーの黒歴史
 10月18日、北京オリンピックの採火式がギリシアのオリンピアで行われた。無観客・厳戒態勢下でである。聖火は19日には北京大会の組織委員会に引き渡され、中国は国内で聖火リレーを行う。

 この前日の17日、ウイグル人やチベット人に対する中国政府の弾圧を訴える活動家が会場の内外で拘束された。本日のNHKニュースを以下にはります(写真はCNN)。
アテネSFT抗議

●来年2月の北京五輪へ 聖火の採火式 ギリシャ オリンピア
2021年10月18日 23時29分 NHK NEWS

(前略) 人権活動家がボイコット呼びかける場面も

北京オリンピックの聖火の採火式では、人権活動家が会場に入ってボイコットを呼びかけ、警察官に取り押さえられる場面がありました。

会場の敷地内に進入したのは3人の活動家で、横断幕などを掲げながら新疆ウイグル自治区やチベット自治区での人権問題を訴え「中国でなぜオリンピックの開催が許されるのか」などと声をあげました。

3人はまもなく警察に拘束され、採火式自体は予定どおり行われました。

採火式の会場は数日前から警察によって封鎖され警備も強化されていましたが、式が始まる前にも別の人権活動家4人が会場の外で拘束されたということです。

北京オリンピックをめぐっては、これまでも人権問題を理由に各国の団体が外交的なボイコットを呼びかけるなど、抗議の動きが相次いでいます。


 会場外で拘束された活動家たちの詳細を述べると、以下のようである。

 採火の行われる48 時間前、10月17日 、チベット人Tさん(18)と亡命香港人のJさん(22)の二人がアテネの著名な観光スポットアクロポリスでチベット旗と香港革命旗をふりながら「ボイコット 北京2022」「フリー・チベット」と唱えると、ギリシア当局はその旗を没収した。この様子はワシントンポスト、ロイター、APからABCなど世界の主なメディアがこれを報道した(日本ではこれらの翻訳がネットで流れた)。翌日18日、二人は拘束を解かれ、2022年の1月に審判にかけられるとのこと。

 この一連の騒動には歴史的な背景がある。2008年、北京オリンピックである(Beijing 2008)。中国で初めて開催されるオリンピックということで、中国政府は国威を発揚するためにギリシアで採火された聖火を世界中でまわし、中国国内でもエベレストの頂上など全国を(台湾を含むが、台湾は拒否)くまなくまわし領土主張を行う計画であった(そもそもオリンピックの聖火リレーはナチスドイツのベルリンオリンピックから始まっている)。

 しかし、オリンピック開催地が北京にきまった際、中国は「チベット亡命政府との話し合いを行う」「マイノリティに対する人権蹂躙をやめること」「メディアに報道の自由を認める」などの様々な公約を行っていた。にもかかわらず、それは果たされないまま、開催年がやってきても話合いどころか、国威を発揚するその姿勢に、正直国際社会はドンビキしていた。
 
 そこで事件は起きた。採火式の直前の3月11日のチベット蜂起記念日において、公約を果たさない中国政府に対して僧侶が行った平和的なデモが当局に粉砕された。これに怒ったチベット人が一部暴徒化し(これも煽ったものが誰かなどいろいろな説がある)、抗議運動はまたたくまにチベット人居住域全体に及んだ。世界のニュースは連日チベットの歴史や現状を伝え北京オリンピックに対する批判を行うようになった。余談であるが、中国に遠慮してチベット問題の報道に及び腰だった日本のメディアがはじめて公器でチベット問題をタブーなく報道し始めたのはこの時からである(おせー)。 

中国政府に対する批判がうずまく中ではじまった聖火リレーの採火式を欧米の活動家がほっておくはずはなかった。

 採火式のあった3月24日 私はいつもの習慣でBS1で世界のニュースをみていた。すると、北京オリンピックの採火式に「国境なき記者団」の三人の活動家が乱入しているではないか。直感的にこれから世界中で行われる「リレーは荒れる」と思った。
2008採火式

 中国からでた聖火はカザフスタンのナザルバエフ大統領が第一走者となって西にむかいはじめた。カザフスタンも権威主義国家だからこの時点でリレーは平穏であった。ところがロンドン、パリ、サンフランシスコといった人権意識の高い国では、人権を訴えるデモ隊に迎えられ荒れに荒れた。

 ロンドンでは誰が考えたのか、消火器をつかって聖火を消そうとした人がでたら、パリでは市長と副市長が消火器もっているというギャグのような展開。「聖火リレー」(torch relay) をもじって「拷問リレー」(torture relay)というサインをふられ、日本でも「業火リレー」「消化リレー」と揶揄された。民主国家では言論の自由が守られるので、警官もデモ隊を制圧しないので、リレーは荒れに荒れ、サンフランシスコでは予定していたルートを短くし、チベット難民の多いインドでも無観客で最短のルートに変更された。

 中国ではこの聖火リレーを国内に中継していたため、メンツを潰されたと怒り狂った。中国政府はその後聖火防衛隊というマッチョなお兄さんたちを送りこみ、その国に滞在する中国国民も赤旗をもって集まったため、リレーの沿道は中国国旗で真っ赤っかに埋め尽くされた。その甲斐あってか、当時でも中国の経済力に屈していた東南アジア諸国ではリレーは荒れることはなかった。

 この間もチベットに対する中国の弾圧をしる欧米人たちの怒りはつづき、北京オリンピックの公式スポンサーがひっそりと自社の宣伝からオリンピックマークをはずすようになった。業界用語でいう放射能汚染を避けるためである(問題のあるものに触れると自らも被爆する)。

 日本では長野市内で聖火リレーが予定されていたが、当時も今も中国に経済的に依存していた日本は、とにかく無事に聖火を通過させようと、チベット・ウイグル・モンゴル支援者をちっちゃな公園におしこみ、何もさせない気まんまん。しかし、聖火の出発地点に指名されていた長野市の名刹善光寺が「仏教徒を弾圧している政府には協力できない」と出発地点の名誉を返上してしまった。

 このニュースを私は丁度ウナギ屋でランチを食べている最中に聞き、丼をもったまま立ち上がった。アナウンサーは続けて「聖火と併走する公式スポンサー車もおりました」というのを聞いて、日本も[政府はともかく民間は]変わってきたなと歴史の動く音を感じた。

 結局、アメリカをはじめとする諸国はボイコットを撤回し、北京オリンピック開会式に各国首脳は参列した。その直後に起きたリーマンショックによって世界経済がどん底におちると、中国だけは財政出動でいちはやく立ち直り、世界経済を牽引したため、以後国際社会は中国に対する批判を内にためこむようになった。

 この間、絶望したチベット人は次々と焼身自殺をし、ウイグルでは2017年から成年男子が職業訓練所と称する収容所に収容され、イスラーム教の棄教、漢語の習得、労働が強制されており、何もかも漢化一直線である。BBCを始めとするメディアは外国に亡命したウイグル人の証言や衛星写真で撮影した収容所の写真とともにウイグル文化がジェノサイドされていると訴えているが、2022冬季オリンピックの北京開催は決まり、その際IOCは何の条件もつけなかった。こんなお金のかかるイベント引き受けてくれる国はもはやヤバイ国以外ないのである。ちなみに、2008年の聖火リレーを教訓にIOCは聖火リレーは開催国の国内に限るように決め、今回の採火式も前回がアレだったので会場を厳重に警備したためこの程度ですんでいるのである。
 
 平和の祭典とはほどとおい商業化したスポーツナショナリズムの祭典はもういい加減やめ時ではないか。

 中国のマイノリティは、暴力の程度は時代によって波があるものの、ずっと迫害され続け、自らの文化や言語を奪われ続けてきた。この国で行う平和の祭典ってどんな皮肉なんだか。

しかし、日本も人のことはいえない。日本はアパルトヘイト中の南アフリカともタミール人問題抱えるスリランカとも東ティモール問題かかえるインドネシアとも仲良くつきあってきた。仲良くつきあうのはいいけど、そのパイプで人権問題を何とかるすように働きかけるくらいしないと国際的な地位は下がる一方(スリランカの時はちょっとした)。

「どこの国だって国益を優先してきた、どこもかしこも真っ黒だ」人はいうかもしれない。だけどみんながやっているから、それでいいんだ、ってそれ威張って言うことじゃない。経済、経済といって、他をすべて目をつぶってやりすごしてきた戦後の日本は、歴史の法廷に立つとき、国家としての理念も何もなくただ金の亡者として裁かれるだろう。

いや、歴史の審判など気にすることはないのかも。その前に気候危機で文明が滅びるから。
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DATE: 2021/09/26(日)   CATEGORY: 未分類
初めての相撲観戦
とある偉い方にご招待いただき、国技館の溜席(砂かぶり)でお相撲を観戦する機会に恵まれた。

 実は私はなんども国技館に行ったことがあり、生力士も見たことがある。しかし、それはお相撲を見に行ったからではなく、国技館で行われるダライラマ14世の来日講演を聴きに行くためであり、生力士はモンゴル力士がダライラマを表敬訪問したことで目にしたのだ。そう、モンゴル人は伝統的にチベット仏教徒なのだ。よくよく覚えておいて。
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というわけで、本来の相撲観戦で国技館にきた。当然、相撲に関する知識はほぼゼロ。なので、事前にスー女のKさん(相撲雑誌にスー女対談で名前出して顔だしている方) にレクチャーをしていただく。

「よく分からないんだけど、やりたいことが一つだけあるの。座布団投げていい? どういうシチュエーションなら許される?」

Kさん「何いってんですか。そもそも座布団投げは禁止です。しかもそれを砂かぶりでやったら先生の席をとってくださった方に迷惑がかかります。現在は、コロナで声をだしての応援、座布団なげはとくに禁止。砂かぶりは食べ物はおろか飲み物も携帯も禁止です。」

「その禁止を破るとどうなるの? 前科がつくの? それとも出禁?」

Kさん「相撲協会から厳重注意がきます」

結構ぬるいな。しかし、規則は遵守するにこしたことはない。当日、Kさんに席についたらLineしろと言われていたので、する。

Kさん「先生、どこ座ってますか。向こう正面だとテレビに映りますよ」

何「向い正面」て。土俵丸いのに正面があるの? しばらくするとKさんが

「先生、今テレビみてるんですが、写ってますよ。先生向かい正面にいるんですよ」

まあマスクしているし悪いことしているわけでもないから、いっか。
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取り組みをみるが、テレビだと力士の名前が画面にでて、対戦成績とかがでるから分かりやすいが、現実には名前は読み上げを聞くしかなく、聞き取れたとしても二人いるどっちの力士の名なのかが分からない。西とか東とかいってもどっちの方角か分からない。土俵丸いじゃん。すると同じく招待されていたMさんが

Mさん「あそこが天皇陛下がお座りになるBox席であっちが正面。だからこっちは向かい正面。東と西は天井ちかくに表示がありますよ。」

と教えてくれた。そうか正面の反対だから向かい正面なのか。だから取り組みが終わった後の力士はみんなお尻むけてるんだ。結果とれたのはお尻の写真ばかりや。

 幕の内の土俵入りは、力士がまわしをしめて正装して勢揃いするので、ザ・伝統って感じで結構いい感じ。最後に横綱照の富士が西から入場して、それで終わり。

「すいません、白鵬って今も横綱ですよね。」

お茶屋さん「そうですよ。」

「なんで入ってこないんですか」

お茶屋さん「コロナで休場です」

と指さす方角をみると、休場力士の名前が取り組みのあとに書いてある。結構な数が休場している。

お茶屋さん「コロナが一人でるとその部屋全部休場になるんです」

知識ゼロを丸出しにしながら良い席にすわる私はおそらく周囲のコアな相撲ファンからは異星人のような目で見られていたことと思う。まさに猫に小判。

 何も知識のない私が面白いと思ったツボは懸賞金。懸賞金がまわっている間、アナウンサーは企業の宣伝をたんたんと連呼する。その企業の宣伝文句がわらっちゃうくらい自社名連呼するだけ。

「天下のNHKでこんな私企業の名前連呼していいんですかね」

Mさん「ここは放送ではカットされます」

そういえば懸賞金がまわっている時はカメラは引いている。あの時、企業名が連呼されていて、その声けすために解説席にマイク回すのか。

 あの承認欲求まるだしの企業の宣伝文句を感情をこめずにアナウンサーがたんたんと読み上げるのは、選挙で泡沫候補のとんでもないプロフィールを読むときのNHKアナウンサーの不動心に似ている。

そこが一番面白かった。

とくに応援している力士がいないので、体重が軽い方、年が上の方を応援することにしたが、年寄りは大体まけ、体重が軽い方はかなりの確率で重い力士を破っていた。結論、肥満と加齢はよくない。

一番いい席でお相撲を観戦してこんな感想しか言えないことがうける。

途中から枡席の一番前に座ってもいいと言われたのでそちらにうつる。溜席よりも見晴らしがよく写真がとりやすい。
さて、いよいよ一人横綱の登場。私は当然横綱が勝つだろうと思いつつ、格下の力士を応援。

 結果、横綱が負け、あまつさえ、土俵からたたらをふんでおりてくるではないか。溜席のお客さんの間をよけつつあるいていたが、あぶねーあぶねー。溜席はコロナで一つずつあいていたから、間をぬって横綱通り抜けたが、平常時だと一番前のお客さんでつっかかって二列目に倒れ込んだだろう。

 土俵際に親方が座っているのは、力士うけとめの防波堤であることに今更ながら気づく。

 そこではっと気づく。横綱が負ける=座布団が舞うシチュエーションではないか。私は辺りを見回したが、誰も投げない。みんな規則に忠実である。もしコロナでなかったら私の後頭部にも後ろの席からなげられた座布団があたっていたはずだ。
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 コロナはいろいろな意味で観客を大人しくしていたのであった。

 はじめてのお相撲体験はこうして幕を閉じたのであった。

Kさん曰く「面白い日にいけてよかったですね、先生!」
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DATE: 2021/08/31(火)   CATEGORY: 未分類
新著『運命を好転させる隠された教えチベット仏教入門』
●『運命を好転させる隠された教え』(幻冬舎)
運命を公園させる

チベットの高僧にマンツーマンの指導をうけた平岡宏一先生(清風学園校長)が、待望のチベット仏教の一般書を上梓。
 ダライラマ法王が一般向けの講話でよくテクストに用いることで知られているシャーンティデーヴァの『入菩薩行論』の解説である。

 「対処の仕方があるのなら、全力で対処しろ、ないのならグズグズなやんでいても仕方ない」というあのダライラマの有名な言葉も、『入菩薩行論』からの引用である。欧米ではアンガーマネジメントに用いられている。

 本書は全訳ではなく、菩提心(他者のために悟りを目指す心)、忍耐(忍辱)、 善行を続ける事(精進)などの章から数節をとりあげて解説をする形になっている。一応一般向けなのであるが、読み始めてみると、注釈書やダライラマ14世の解説を博引旁証していて、仏教をまったく知らない方が読まれるとちときつい体裁となっている。この伝授感をそのままにだすのは、平岡先生のキャラである。
 
 ダライラマの多くの法話はコロナ禍になる前からYoutubeにころがっており、チベットの高僧はみなiPadでダライラマの法話を聞いて仏教から心が離れないように生活している。平岡先生はチベット僧と同様に、テクストの解説書を読み、さらにこのようなダライラマのYoutube動画も視聴して『入菩薩行論』の解説を行っている。

 テクスト『入菩薩行論』を池上彰的に平易に解説することも可能であろう(いつかそれをやりたいと思っている。でも時間ない)。しかし、もしそうすればチベット仏教のもつ伝授感が薄れてしまう。翻って思うに、私は平岡先生が日本にお招きしたチベットの高僧や、平岡先生が率いるツァーでインドのギュメ大僧院を訪れ、修行僧たちに直に接する中で、研究にとっても人生にも資する得がたい体験をしてきた。これは池上彰的な平易な解説であったら得られなかったものである。

  なので、ライブの伝授感あふれる平岡節はこれはこれでいいのだと思う。『入菩薩行論』の全訳をご覧になりたい方は、ソナム・ギャルツェン・ゴンタ・西村香訳『入菩薩行論』(チベット仏教普及会)が一番入手しやすいです。

『心にいつくしみの種をまく』(評論社) 
こころにいつくしみの種をまく

 もう一冊。ご紹介がおくれましたが、ダライラマの教えをもとに描かれた絵本『心にいつくしみの種をまく』もよろしく。テーマは「善なる心は一朝一夕ではできない。新しい楽器を学ぶ時のように毎日トレーニングすることによって身につていく」という話しです。

 チベット仏教の修行はまさに継続は力なり、これにつきる。お祈りしたら叶うとか、そんな簡単なものはなく、自分で自分の心を毎日利他に向けて整え、シミュレーションを繰り返す中でホンモノの心に実現させていく。気が遠くなるほど地味な修行なのだ。だから、シャーンティデーヴァもチベットの高僧もこういう。「自分の心の中にある、怒り、むさぼり、愚かさをその反対の心、菩提心によって消していく努力は、先延ばしにしてはいけない。今日から、今から、していかねば、死がすぐにやってきてしまう」と。

●タシデレ・オンライン講座 「世界の中のチベット」(全5回)
レストラン・タシテレが主宰するオンラインチベット史講座、もうすぐ始まりますよ〜。
 お申し込みよろしくお願いしまーす。
 

講師 石濱裕美子
全日程 第1期(全5回)9/11・25・10/9・23・30いずれも土曜日
時間 15:00〜16:30(90分)
参加費 15,000円(全5回分一括払い)
《お申し込み方法》 以下のネット通販サイトBASEのタシデレショップからモモの下にある【オンライン講座】石濱先生コース をお選びください。

https://tibetanfood.thebase.in/

郵便ポストに届くネコポスで5回分のお茶など《勉強お助けセット》とレジメをお送りします♫
お申込み後、メールなどでzoomリンクをお送りします。
欠席された場合も後日VIMEOのアーカイブをご視聴いただけるように準備いたします。
お申し込みは→https://tibetanfood.thebase.in/
お問い合わせ→ tibetrestaurant@tashidelek.jp   03-6457-7255 タシデレ

▷講座内容
第1回 古代チベット王国の栄華
第2回 モンゴル帝国を教育したチベット仏教
第3回 転生相続制度の始まり
第4回 ダライラマ政権の誕生と満洲人の改宗
第5回 チベット仏教世界の近代の復興

▷講師プロフ: 石濱裕美子 
早稲田大学・教育総合科学学術院 教授 文学博士。
専門 チベット・モンゴル・満洲の歴史。『チベット仏教世界の歴史的研究』(東方書店)、『清朝とチベット仏教』(早稲田大学出版部)、『世界を魅了するチベット』(三和書籍)、『ダライ・ラマの仏教入門』(光文社)、『ダライ・ラマと転生』(扶桑社)。


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DATE: 2021/08/07(土)   CATEGORY: 未分類
8月のチベット関連お知らせ
●毎夏恒例、8月21日にエクステンションでの一回講義を行います。ビジターも歓迎しております。演題は「大隈公とチベット・モンゴル」。20世紀初頭の中・蒙・蔵・露・英いろいろ沸騰していた時代で面白いです。
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講師: 石濱 裕美子
会場: 早稲田大学エクステンションセンター 早稲田校
演題:「大隈重信公とチベット・モンゴル」
日時: 8月21日(土) 13:00~16:15 ※途中休憩をはさみます。
詳しくはこのURLをご覧ください。



チベット・レストラン・タシデレ
たしでれろご

タシデレではチベットを知るための講座もやっていて(仏教講座とかチベット医学講座とかetc.)、コロナになってからはオンラインもやっています。このたび九月からここでチベットの歴史を五回にわけてお話しすることになりました。詳細は以下です。



●タシデレオンライン講座 「世界の中のチベット」(全5回)

講師 石濱裕美子
全日程 第1期(全5回)9/11・25・10/9・23・30いずれも土曜日
時間 15:00〜16:30(90分)
参加費 15,000円(全5回分一括払い)
《お申し込み方法》
ネット通販サイトBASEのタシデレショップから
https://tibetanfood.thebase.in/

【オンライン講座】石濱先生コース をお選びください。

郵便ポストに届くネコポスで5回分のお茶など《勉強お助けセット》とレジメをお送りします♫
お申込み後、メールなどでzoomリンクをお送りします。
欠席された場合も後日VIMEOのアーカイブをご視聴いただけるように準備いたします。
お申し込みは→https://tibetanfood.thebase.in/
お問い合わせ→ tibetrestaurant@tashidelek.jp   03-6457-7255 タシデレ

●講座内容(予定)

第1回 古代チベット王国の栄華
第2回 モンゴル帝国を教育したチベット仏教
第3回 転生相続制度の始まり
第4回 ダライラマ政権の誕生と満洲人の改宗
第5回 チベット仏教世界の近代の復興

●講師プロフ: 石濱裕美子 
早稲田大学・教育総合科学学術院 教授 文学博士。
専門 チベット・モンゴル・満洲の歴史。『チベット仏教世界の歴史的研究』(東方書店)、『清朝とチベット仏教』(早稲田大学出版部)、『世界を魅了するチベット』(三和書籍)、『ダライ・ラマの仏教入門』(光文社)、『ダライ・ラマと転生』(扶桑社)。


ちなみに、レストラン・タシデレのチベット料理は全国どこでも冷凍でお届け。
今なら、BASEショップでご注文の方に、今なら、チベットのミートパイShabakley(シャパレ)を2個プレゼント!  8月31日まで実施中!
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チベットの今を考える: 無圭庵で民謡と映画上映 (ソース: 神奈川県全域タウンニュース 掲載号:2021年8月6日号)

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亡命3世の歌手による民謡とドキュメンタリー映画の上映を通じてチベットの現状について考える催し「チベットからの歌声」が、大磯町の無圭庵(大磯943)で8月28日(土)に開かれる。

 当日は、ヒマラヤを越えてインドへ亡命するチベット難民の子どもたちを追った映画「ヒマラヤを超える子供たち」の上映と、亡命チベット3世の歌手 ソナム・ギャルモさんの素朴で力強い歌声でチベット民謡を聞く。チベット遊牧民のソウルフードのバター茶付き。

 ソナムさんはチベット亡命政府のあるインド・ビール村出身。2003年に留学生として来日し、大学院を修了後は会社に勤めながら、幼少の頃に祖母から教わったチベット民謡を歌い、その心を広めている。

 午後1時30分開場、2時開演。料金2500円。定員20人。問い合わせは麻生さん【携帯電話】090・2669・6422、【メール】brook@v7.comへ。
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DATE: 2021/07/22(木)   CATEGORY: 未分類
身近なAIの使い勝手(英訳・受付)
この一ヶ月間、いろいろあったが、主に七月末しめきりの英語論文に苦しんできた。(写真は論文でもちいた資料集とその中身。モンゴル語であるw)
資料1

 日本語の論文をしあげるのだけでも大変なのに、それを英語にするのである。思えば[遠い眼]私が国際学会にデビューしたのは国際チベット学会が日本で開かれた時であった。この時は今みたいにDeepLもないので和英辞典と英語論文の書き方で恐怖の和製英語で対応した。

 発表は原稿棒読みでつっぱしったが、問題は質問コーナーである。相手はいろいろな国からきた人々なので英語の発音も様々。イギリス英語の聞き取りもやばい私に何ができようか。結果、国際性のある日本の先生方が見るに見かねて助け船をだすのにすがって今まで生きてきた(そう、以来改善してないの)。

 こんなに辛くてもなぜ英語で発表するのかというと、日本でチベットの歴史論文を発表しても、日本国内からはまったく反応がないからだ。東洋史はかつて大日本帝国とおつきあいのあった地域、清朝史、モンゴル史、中国史の研究者は数が多く、彼等の間で活発な交流がある。しかしチベットと大日本帝国のお付き合いはあまり深まらなかったため、研究者の数は本当に少なく、何書いてものれんに腕押し糠に釘〜。むなしい限り。
資料2

一方、どんな下手くそな英語でも英語で書いたり発表したりすれば海外からは評価や反応が返ってくる。それはチベットに関わる研究者の層の厚みが違うからだ。欧米はとにかくチベット学が栄えまくっている。国際チベット学会は年年参加者がふえ、トンデモからアカデミックまで様々な人がチベットにかかわっている。なので書いた論文を興味のある人に読んで貰おうとすれば、どんなにつらくても英訳するしかない。

 私は満洲語・モンゴル語・チベット語・漢語の資料を精粗の差はあるものの扱うことができるが、欧米人研究者の大半は漢語と前三者のうちのどれか(自分が主に研究している地域)しか読めないため、必然的に日本の研究者のレベルの方が高くなる。

 欧米人はもちろん日本人の研究は読みたい。しかし、漢語を習得するのがせいいっぱいで漢語・平かな・カタカナがまざる日本語まで習得する余裕はない。従って、ガラパゴス日本の異常に発達した東洋学と欧米東洋学はパラレルワールドのように分断して存在してきた。この分断をものすごく優秀な欧米人が日本語の研究書を読むか、日本の研究者がひーひー自分の論文を英訳するとかしてほそぼそと埋めてきたのである。後者が私である。

 今回の論文は研究と執筆に半年の時間をかけ、英訳を一か月で行う予定であった。ところがいつも英訳をお願いしていた方が今回は仕事がおしていて無理とおっしゃるのでなんと久々に自分でやることに。

 幸い、現在はdeepLというAIが日本語を英訳してくれるので和英辞典をひいて訳していた時代よりは楽になった。執筆要綱に語数は英文6000ワードとかいてあるので、とりあえず語数確認のためDeepLにかけてみてびっくり。本文だけで12000語こえていた。そこで日本語版論文を半分に縮めることになった。血の涙を流して情報を削減し文章を縮め、ふたたびDeepLにかけると5800語。英語をなおしながら削っていけば、なんとか6000語におさまるかも。

さあ、今度はAIの英語をチェックしようと、読み出してびっくり。AIは理解できない文は飛ばして普通に次の文章に自然につなげていく(英語のできない中学生の解答みたい)。さらに、表現が口語ちっくで、ここが一番問題なのだが、こちらの日本語の内容を誤解して、主語がちがっていたり、真逆の意味になっていたりする。

つまり、とばされた文を訳し、論文むきの表現になおし、AIの誤解を訂正し、さらに執筆規定ないの語数に収めなければならないことが判明。

 面倒くせえ。

 一番面倒なのはAIが文章の内容を把握できるように、もとの日本語の文章を単純にして主語と述語をAIにわかるようにはっきりさせるよう書き直すこと。専門的な単語(部族名とか原語とか)はすべて日常的な言葉におきかえる。

一年で一番暑い季節、習近平がチベット併合70周年を記念してラサに入ったとかいうニュースをききながら、吐き気を抑えつつこの作業をやり、やっと昨日、英文校正屋に原稿を送った。三日後には真っ赤っかになって戻ってくるのだろう。彼等は日本語を読んでいないのでその指摘が正しいかどうかのチェックがさらに必要となる。

一つ良かったのは前にこの英文校正に頼むと英文でメールのやりとりがマストであったのが、今は文書をアップロードして見積もりがでてそれをOKすると自動的に発注されるようになっていたこと。ようやく、英文校正を使うような人は英文メールも書くのが苦痛だという単純な事実に気づいたようである。

 おせーよ。
 

 以上がAIによる英訳を試してみた体験である。次に、身近なAIとのおつきあいというこで、某運送屋の集荷を申込みしたらAiが電話をとった体験を以下に記す。やりとりはdeepLに通じるところが多々ある(電話切ってから書いたので細部は違っているかも)。

AI「20秒につき10円かかります。お名前をお願いします。」
私「×濱裕×子です。」
AI「お電話番号をお願いします。」
私「080-×●・・・」
AI「住所を都道府県からいってください。」
私「東京都●×区 ×■△○ 」
AI「建物の番号もいってください。ない場合はないといってください。」
私「ないです。」
AI「すみません、もう一度お届け先の住所を都道府県からいってください。」
私「[またかよ]東京都●×区 ×■△×」
AI「建物の番号もいってください。ない場合はないといってください。」
私「[前いったよ]ないです。」
AI「お伺いする時間はいつがいいですか」
私「午前中ならいつでもいいです」
AI「お伺いする時間をお願いします。」
私「[今いったけど]じゃあ明日の午前」
AI「本日のお伺いでよろしいでしょうか」
私「[なんでだよ]わかりました。じゃあ本日15時から16時のあいだで
AI「申し訳ありません。そのお時間ですと15時から17時の間で受付しております。」
私「じゃあそれでいいです。」
AI「オペレーターにつなぎます。」
私「なんで?ちゃんと答えたよ?」
生身のオペレーター「お待たせしました。」
私「AIにここに飛ばされたんですが、集荷をお願いしていました。」
オペレーター「「電話番号をお願いします。」
私「今さんざんAIにかたったのでAIが控えていると思います。」
オペレーター「申し訳ありません。調べて見ます。ありました。復唱します。」

これでオッケーと思ったら甘かった。
予定の時間をすぎても集荷の人が現れないのである。
Webをみても集荷のお願いと配達の問い合わせしかなく、集荷がこないという項目がない。
仕方ないのでまた同じ番号にかけたらAIがでた。
AI「集荷でよろしいですか。
私「集荷の人がこないのですが」
AI「お電話番号を」
私「もういいわ!」
すると、今度はすぐに生身のオペレーターにとばされた(おそらくはAIが呆れた客は生身のオペレーターに飛ばされる)
オペレーターさん「大変失礼いたしました。今現場に確認をしてみます。」しばらくたって「すみません。お伺いしたのにお客様がいらっしゃらなかったので、不在表をいれたとのことです」

私はその時間家にいた。考えられるのはインターホンの音量を最小にしていたので私の耳に届かなかったか、彼等がインターホンをちゃんと押さなかったかだ。前者の可能性たかし。

今の時点でのAIの音声識別能力や英訳能力、そして解決能力はこの程度。文句ばかりいったが、よく考えてみるとDeepLの和文英訳の技術は、昔高いお金だしてかった翻訳ソフトより遙かに優秀になっている。技術はどんどん日進月歩しているので、いつか、神のようなAIが顕れ、私の日本語論文を完璧に英訳してくれよう。さらに、私のようなヒューマンエラーの塊みたいな客を神のようにさばく受付Aiもでてくるはず。

 英訳能力を磨く必要はない。きっとAIが私をすぐ追い抜いてくれる。

ねよ。
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